22日に行われたFIFA ワールドカップ カタール 2022のグループB、イングランドvsイランで驚くべき出来事が起こった。
この試合の7分、クロスボールを処理しようと飛び出したイランの守護神アリレザ・ベイランバンド(ペルセポリス)が、勢い余ってマジド・ホセイニ(カイセリスポル)と交錯。鼻から出血するなど大ケガを負い、長い時間ピッチ上で治療が行われた。一度はプレーを再開させたベイランバンドだったが、最終的には自ら交代を要求しベンチへと下がっていた。
この影響からか、前半のアディショナルタイムは14分と異例の長さとなった。さらに驚きは後半で、両チーム合わせて4つのゴールが生まれ、交代カードも使い切った状況ではあったが、それ以外ではスムーズに試合が進行された。しかしアディショナルタイムは10分と表示され、この試合だけで前後半合わせて24分の追加タイムとなった。
FIFAワールドカップタイムに出演した解説の水沼貴史氏は「アクシデントもあって、治療もあったけど長い。まだ4試合が終わったところですが、アディショナルタイムが長いなと思う」と今大会を通じて、これまでよりもアディショナルタイムが長く取られていることを指摘した。
実はこれには明確な理由がある。FIFAは大会前に「ゴールセレブレーション、交代、VARの介入、ケガ、抗議があった場合、それによって消費された時間は、アディショナルタイムにしっかりと加算する」と発表していた。今まではおおよその時間でアディショナルタイムを決めていたが、今大会では正確な時間を計測し、失われたプレータイムを追加することで、いつもよりも長く感じるようだ。
FIFAのこの発表を受けて解説のベン・メイブリー氏は「憶測ですが、裏では試合時間を90分ではなく60分にしようという考えがあります。試合が止まるところで時間求める。その方式をいつか導入したいという話は以前からありました。これもプレータイムを60分にしようという思いがあるからではないか」とコメント。サッカーの試合時間自体が大きく変わる可能性を指摘した。
ゲストのジュビロ磐田に所属する遠藤保仁は、これまでよりも長いアディショナルタイムについて「(選手としては)疲れるよと思いますね」と本音をこぼす。水沼氏から「コーナーキックで水飲んでいるような時も止められてるってことだよ」と告げられると、「それならもう飲まないっすよ」とスタジオの笑いを誘った。