28日に行われたFIFA ワールドカップ カタール2022グループG第2節で、ともに初戦に勝利したブラジルとスイスが激突。83分に生まれたカゼミーロのスーパーゴールでブラジルが2連勝として、ノックアウトステージ進出を決めた。
解説であり元日本代表DFの坪井慶介氏はこの試合のターニングポイントに「最年長の完璧な仕事」を挙げる。
「ピッチの最年長であるチアゴ・シウバ。スイスがやりたい攻撃があったがそれをしっかり潰した」
そのシーンは22分。スイスは自陣の深い位置でボールを奪うとカウンターを仕掛ける。前線のエンボロへと鋭い縦パスを入れたが、これを狙っていたチアゴ・シウバが即座にチェックに入り、ボールを納めさせなかった。
坪井氏は「前半の最初は何度かキープしていたが、チアゴ・シウバがそこが起点になると悟って潰しにかかる」と、チアゴ・シウバの経験による読みが功を奏してスイスの攻撃を機能不全としたと見る。
さらに39分の場面もポイントに挙げた。スイスはボックス内でボールを受けたバルガスがフェイントから縦突破を狙う。通常のディフェンダーなら「一発で足を出してしまう」場面でチアゴ・シウバに「ツーステップ、スリーステップと足を運んだ」。
それにより「相手とボールの間に体を滑り込ませる。最後はGKが楽にセーブができた」と分析。ここでもチアゴ・シウバの熟練の技が光った。
「少ないチャンスを生かしたいスイスの狙いを感じ取ってしっかりと対応したチアゴ・シウバの素晴らしさ。ゴール前で冷静な対応。スイスはどうやって攻めようとなったはず」
その後もスイスの攻撃をシャットアウトしたブラジルは、カゼミーロのゴールで勝利。2戦続けて相手の攻撃を枠内シュート0に抑え込み、1998年大会のフランスに続いて2カ国目となる圧巻の記録を残した。
ご存知の通り、1998年大会はフランスがワールドカップを制覇している。それだけに今大会のブラジルには期待が持てそうだ。エース・ネイマールを負傷で欠くだけに、ブラジル優勝のカギを握るのは、鋭い読みと経験を併せ持つチアゴ・シウバのディフェンスかもしれない。