今シーズン、単独首位を走る冬の王者ナポリと、クリーンシートで8連勝中の2位ユヴェントスによる一戦。セリエA最強の攻撃力を誇るルチアーノ・スパレッティのチームと、セリエA最強の守備を誇るマッシミリアーノ・アッレグリのチームの対戦は、究極のほこ×たて対決として注目を集めた。
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『ダゾーン・イタリア』の解説陣ステファノ・ボルギ記者は、序盤の成績不振から脱出して巻き返しを見せるユーヴェについて「ナポリで結果を出せたとしたら、非常に大きな意味を持つことになる」と指摘。ローマOBのヴァンサン・カンデラ氏も「ユーヴェはスクデット争いにおけるナポリのライバルとして有力だ」などと話し、アッレグリのチームに対抗馬としての実力を認めていた。
ところが、日本時間14日にスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナで行われたビッグマッチはほぼ一方的な展開に。ナポリがヴィクター・オシムヘンとフヴィチャ・クヴァラツヘリアのゴールで2点のリードを奪うと、前半終盤にアンヘル・ディ・マリアに1点を返されたが、ナポリは後半、さらに3得点を挙げて5-1と大勝利を収めた。ユヴェントスにとっては、セリエAで1993年5月のペスカーラ戦以来30年ぶりとなる5失点で屈辱的な結果となった。
ユーヴェを5発で粉砕、想像を上回ったナポリの強さ
そんなセリエA第18節の注目の一戦について、現役時代に両チームでプレーした経験を持つチーロ・フェラーラ氏が『ダゾーン・イタリア』の番組内で見解を示した。元ナポリDFは、開幕戦から安定した成績を残すスパレッティのチームに驚きを示しつつ、このユヴェントス戦の勝利が「スクデット争いに一撃を与える」ことを予想した。
「ナポリがこれほどの継続性を見せるとは、誰も想像していなかった。上位7チームとの対戦で敗れたのはインテル戦だけだ。ものすごい成績と言えるだろう。5-1というこの結果を説明するのは本当に難しい。こうした重要な一戦は通常、拮抗するものだが、特に後半に関してナポリは2倍、3倍の力でユーヴェを圧倒していた。したがって極めてふさわしい勝利を収めたと言えるだろう」
「オシムヘンやクヴァラツヘリア、そしてナポリのチーム全体が非常に素晴らしい試合運びを見せた。前半、ユヴェントスから反撃を受けた時の苦しい場面においても冷静さを保ち、勝利を手にすることに成功した。今シーズンのスクデット争いに大きな一撃を与える勝利になったと言える」
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昨年10月のトリノダービー以降、相手に得点を許すことなく、勝利を積み上げてきたユヴェントス。そんなアッレグリのチームの鉄壁は、ナポリの攻撃陣に粉砕された。フェラーラ氏は解説を続ける。
「ユヴェントスの守備陣にとって重要なテストの場だった。おそらくユーヴェの守備陣を大きな困難に陥れることができるのは、ナポリだけだったはずだが、実際にそれが起きた。ナポリは自分たちの試合を見せ、前半および特に後半、リズムを速めながらボールを回し続けた。またフィジカル面においても、ユヴェントスとの間で違いが見えたような気がする。文句のつけようのないふさわしい勝利だ」
「これまで無失点のまま8連勝していたユヴェントスの実力を考えても、バックスクリーンに映し出されたスコアは信じられないものだ。ただ、この試合はユーヴェにとってより重要な試合だった。ナポリはもともと(スクデット争いで)リードしていたわけで、この試合で失敗しても大丈夫だったが、他のチームはミスが許されない。そして現在、そのリードはさらに広がった」
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解き放たれたオシムヘンの才能
またピッチリポーターを務めるディレッタ・レオッタ氏は、2ゴール1アシストをマークした24歳のナイジェリア代表FWオシムヘンを称賛。「オシムヘンは実力を解き放ち、ドッピエッタ(1試合2得点)を記録した。試合ごとに成長を見せている。本当に計り知れないフィジカルのパワーを持った選手だ」と述べた。
するとフェラーラ氏も「オシムヘンは、これまでの成長の軌跡を振り返ってみても喜びを爆発させるのは当然だろう」とチームメートとともにファンへのあいさつに回るナポリFWについてコメント。「今日はスクデット争いのライバル候補との直接対決を制したわけであり、ナポリの選手たちはこの瞬間を満喫するべきだろう」とスパレッティの選手たちを称えた。
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