今冬の移籍市場では、下位のクラブが積極的な補強に乗り出した一方、ビッグクラブは所属選手との契約延長交渉に専念し、メルカートの動きを静観してきた。
だが期限まで10日ほどに迫る中、ニコロ・ザニオーロが今冬の移籍市場を盛り上げる目玉となるかもしれない。ローマの23歳の逸材は、トッテナムなどプレミアリーグのクラブから高い評価を受けており、移籍期間終了間際のビッグディールの主役となる可能性が高まっている。
ザニオーロを取り巻く状況
現在、ローマと2024年までの契約を結ぶザニオーロ。半年後には契約期限まで1年を切ることになるが、契約延長交渉は完全に暗礁へ乗り上げた。ローマMFが、日本時間23日にラ・スペツィアで予定されているセリエA第19節スペツィア戦の遠征へ帯同しない意向を示したことで、クラブとの関係は破たんを迎えた。
当初は、時期や金銭面を考慮し、シーズン中の1月の退団は難しいと考えられてきた。だが、選手との関係の修復が困難となった現在、ローマはすぐさま解決策を模索しなければならない。
ローマが要求する移籍金は4000万ユーロ(約56億円)前後。イタリア国内のクラブが獲得を目指すには、現実的に不可能な金額であり、移籍先の有力候補は、プレミアリーグなどセリエA以外のクラブに絞られることになる。
イタリア人指揮官のアントニオ・コンテ率いるトッテナムは昨夏、ザニオーロの獲得に乗り出したが、移籍は実現しなかった。当時は5500万ユーロ(約78億円)に上るオファーが提示されたことが報じられたが、今冬、同程度の条件での売却は考え難い。さらにスパーズは、コンテの今後の去就についても明確にする必要があるだろう。
また、フィオレンティーナに所属するアルゼンチン人FWニコラス・ゴンサレスの獲得に失敗したレスターも、ザニオーロに熱視線を送る。このほかブンデスリーガのドルトムントも、イタリア代表MFに具体的な関心を寄せているとされ、ザニオーロの動向は、現地時間31日の移籍期限まで目が離せない。
文・オラツィオ・アッコマンド/ダゾーン・イタリア記者&ピッチリポーター
関連記事
● セリエA冬の移籍情報一覧 | 2022-2023 | 最新の補強動向まとめ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。