セリエAのさまざまなクラブを渡り歩き、2000年以降、イタリア人ディレクターとして唯一、4チーム(ラツィオ、パレルモ、ローマ、インテル)を欧州カップ戦へと導いた“勝者のSD”であるヴァルテル・サバティーニ氏。2019年には日本代表DF冨安健洋をシント=トロイデンからボローニャへ引き抜いた名ディレクターが『ダゾーン・イタリア』の「Supertele」に出演し、セリエAについて語った。
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早くも独走態勢ナポリへの賛辞
サバティーニ氏はまず、セリエA第20節を終えて2位以下に13ポイントの差を広げ、1989-90シーズン以来3度目の悲願のスクデットへと突き進むナポリに言及。「イタリアではなく、ヨーロッパのビッグクラブだ。あまりにも力の差が大きい」と賛辞を贈ると、これまでに14ゴールをマークし、セリエA得点王争いで首位に立つエースのヴィクター・オシムヘンを絶賛した。
「彼は非の打ちどころのない選手へと成長した。現在は決してサボることなく、常に必死にプレーしている。とてつもない進化を見せた。特に大きな成長を見せた点は献身性だ。本当に信じがたいほど献身的にプレーしている。新たな武器となった彼の力強い献身性が一歩一歩、チームを後押ししている」
第20節のローマとのビッグマッチでは、76分に途中交代した後も、ピッチ脇でチームメートを鼓舞し続けたオシムヘン。元ローマのSDは、そんなナイジェリア代表FWの姿勢も高く評価している。「こうした利他主義の姿勢は、周囲へ波及する。ピッチにいるチームメートたちは気づくものだ」と述べた。
さらにサバティーニ氏は、ナポリの最強選手に左サイドバックのマリオ・ルイを選出。「マリオ・ルイはナポリで最強の選手だが、誰も気づいていない。彼はサイドのレジスタだ」と主張したほか、途中出場ながらも決定的な仕事を見せるジョヴァンニ・シメオネにも触れた。
「シメオネは継続的な出場機会がない中で継続性を示しており、良い意味での矛盾かもしれない。(ルチアーノ)スパレッティは、試合の局面で彼を使い、技術的に重要な役割を任せている。そしてシメオネも試合をこじ開けなければならないことを理解し、期待に応えている。パーソナリティと闘志を持った選手だ。ローマ戦の決勝点は、信じられないほどに美しい、まれな真珠だったと言える」
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元ローマSDのラジャ愛
また元ローマSDは、自身が古巣で出会ったラジャ・ナインゴランのイタリア復帰を喜んだ。元ベルギー代表MFは、1月の移籍市場でローマ時代の同僚ダニエレ・デ・ロッシ率いるスパルに加入し、今シーズン終了までの契約を結んだ。
「私はラジャのことが夢中になるほど大好きだった。あれだけバカなことをしていたけどね。彼が友人のデ・ロッシを助けに行くことを決めたのはうれしいことであり、興奮している。だがすでに彼にも警告したが、また何かやらかしたら、私がお仕置きするから待っていろ」
若手の発掘はユーヴェの成功
さらにサバティーニ氏は、ユヴェントスの19歳のファビオ・ミレッティやマティアス・ソウレ、21歳のニコロ・ファジョーリら若手に見解を示したほか、指揮官のマッシミリアーノ・アッレグリについて語った。
「ユーヴェの若手全員が将来、主力になれる可能性を持っている。このうちの誰が最も強い選手になるのかはわからないが。すでに高いレベルまで到達した選手もいる。ユヴェントスにとって大きな成功と言えるだろう。過小評価すべきではない」
「アッレグリはローマで私と一緒に仕事をする可能性もあったのだが、彼はローマを選ばなかった。それでもアッレグリ信用できる指揮官だ。アイディアを持っていて選手からの信頼もある。彼ならユーヴェを苦境から救い出せるはずだ」
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