新年初戦でサレルニターナに勝利を収めたのを最後に、約1カ月にわたって未勝利が続いていた王者ミラン。だが3-4-2-1のシステムで臨んだ日本時間11日のセリエA第22節トリノ戦において1-0で公式戦8試合ぶりの勝利を収め、ようやく再び歩み始めた。
そんなステファノ・ピオリ率いるチームについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が見解を示した。元アタランタFWのシモーネ・ティリボッキ氏は、ミランがトリノ戦の後半、久々に高いインテンシティのプレーを見せたことを振り返りつつ、62分のFWオリヴィエ・ジルーのゴールにより、勢いを取り戻したことを指摘した。
「後半開始直後の10分間、ミランはトリノに押されて苦しんでいたが、反発心を見せることに成功した。両ウィングバックが勇気を持って前に上がり、テオ（エルナンデス）が攻撃的にプレーし始めた。それにあのゴールが熱狂をもたらし、その後は明らかにプレーが良くなった」
解説陣も絶賛のジルーの技ありゴール
ジルーはこれで今シーズンの公式戦11得点目をマーク。欧州5大リーグでプレーする36歳以上の選手の中で単独トップに躍り出た。ミランOBのジャンパオロ・パッツィーニ氏がミランFWの決勝点を分析した。
「素晴らしいゴールだった。ジルーはヘッド弾という形で自身のクオリティを見せつけた。サッスオーロ戦においても並外れたゴールを決めていたが、今日は右腕を使ってトリノDFを遠ざけながら非常に上手かった。テオ・エルナンデスから速くて完璧なボールが入ると、ジルーはボールをうまくコントロールし、（ヴァンヤ）ミリンコヴィッチ=サヴィッチの手の届かないファーへ叩き込んだ」
さらにティリボッキ氏もジルーの得点シーンの解説を続ける。
「腕を使うことでゴールチャンスを作り出した。マークについた（コフィ）ジジが前に出ようとしたが、ジルーは腕で相手DFを遠ざけながらタイミングをずらし、その後、うまくバランスを保ちながら体を回転させてシュートを打った。ゴールの真正面ではなかったのでまっすぐ打つことはできない」
「だが彼はどこにゴールマウスがあるのかしっかり把握している。だから素晴らしいゴールを決めることができたんだ」
ミランの問題は解決したのか？
セリエA再開後、公式戦8試合で1勝2分5敗と大きく負け越していたミラン。トリノ戦で勝利を収めたことで、ピオリはチーム内の問題を片づけることができたのだろうか。ティリボッキ氏が見解を示した。
「問題はすべて残ったままだ。1試合だけでは不十分。確かに失点せず、1-0で勝ち、良い試合をした。だが不振から抜け出すためには複数の試合で結果を出す必要がある。ただ、今回の勝利がメンタル面において決定的になることは確かだ。だが今後も常に自問自答しながらトレーニングを続けていく必要があるだろう。さもなければ問題は解決できない」
そんな厳しい元アタランタFWの意見に対し、ミランOBのパッツィーニ氏は反論する。
「勝利を収めた後でピッチに向かうのでは、気分が異なる。より穏やかに、より気楽に感じられるだろう。サッスオーロに0-5で敗れ、（ラツィオに）ローマで敗れた後とは練習する時の姿勢も変わってくる。もちろんあらゆる点において改善すべき点があることには同意するが、今回の勝利でミランは軽くなったはずだ」
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新たなポジションを与えられたレオン
ピオリはトリノ戦において、これまでミランの左ウィングを担ってきたラファエウ・レオンを、1トップのジルーの背後の2シャドーの一角として起用した。パッツィーニ氏は、ピオリが試合後のインタビューで「レオンからお気に入りのポジションだと聞いた」と明かしたことに驚きを示しつつ、ポルトガル代表FWのパフォーマンスを振り返った。
「前半はジルーに近い中央寄りでプレーしたが、ボールを受けるのに苦戦していたように見える。後半は左寄りでプレーし、前のスペースが空いていたことで少しやりやすそうに見えたが、シャドーの位置が気に入っていると言うのならね…」
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