日本時間20日に行われたローマ対ヴェローナでは、ジョゼ・モウリーニョ率いるローマが1-0と勝利を収め、ミランと並ぶ44ポイントで3位へと浮上した。その試合終了後、ポルトガル人指揮官は「シーズン終了後にすべて話したい。山ほど話すことがある」と意味深な言葉を残したが、『ダゾーン・イタリア』の解説陣らが「Sunday Night Square」に出演。モウリーニョの発言を巡って議論を行った。
かつてローマ下部組織の指揮官を務めた経験を持つストラマッチョーニ氏がまず、自身の見解を示した。
「ローマは特殊な場所だ。ファンから多くの愛情が注がれる一方、チームへの忠誠、愛着が求められる。リーグ戦で優勝できず、シーズン中は6位に沈んでいる時期もあるチームのスタジアムが常に満員になるということは、並外れたファンの愛情があるということを意味する」
「おそらくローマのファンは、ジョゼが『来シーズンもローマの指揮官を務めたい』と発言することを期待しているのだろう。今シーズンは彼の将来を巡って、さまざまな噂話が流れた。だがその噂話はまだ、ファンの間で打ち消されていないのだろう」
続いてステファノ・ボルギ記者は、モウリーニョが昨年12月、ポルトガル代表指揮官のオファーを拒否してローマ残留を決断したことを回想しつつ、発言の真意を探った。
「彼は『12月にチームを去る可能性があったが残留した』と2度発言している。また『6月では遅すぎるので、それより早く経営陣と話ができるよう願っている』とも話している。つまりおそらく、彼はローマに残留したいが、そう発言することもできない。何らかの安心材料を求めているのかもしれない」
「彼は常に、よく計算し、かなり明確に伝わりやすい形で自身の考えを表現している。試合中にブーイングを浴びせたファンは、チームのパフォーマンスを過小評価し、これ以上の成績を残せないと考えているのかもしれない。一方でモウリーニョ自身もトップチームの戦力では、現状が精いっぱいであるとの見解を示したこともある」
「こうしたいろんなことが合わさって、今夜はとげを引き抜こうとしたのかもしれない。だが一方で経営陣の注目を集めようとした可能性もある。『このチームはサポートが必要だから支えてほしい』とね」
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するとミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏も、ポルトガル人指揮官の去就を巡って自身の考えを述べた。
「彼はもう決断を下しても良いのではないかと感じる。彼がローマに残ることを望んでいるのなら、残留するはずだ。これまでも、そして現在もローマで結果を出しており、ローマのような環境をコントロールする能力もある」
「まだ決まっていないのなら、(スポーツディレクターの)ティアゴ・ピントとうまく行っていないとか、何らかの問題があるような予感がする。だがモウリーニョがローマでこのプロジェクトを継続することを望んでいるのなら、クラブの人間は誰も反対できないはずだ」
システム変更で不振脱出のミランの今後は?
約1カ月にわたる成績不振を経て、直近の公式戦で3連勝を飾ったミラン。OBのアンブロジーニ氏が見解を示した。
「ミランの低迷はかなり大きなものだった。これほど重要な打撃を受けた後は、少しずつ修正していく必要があるだろう。再起の土台となったのは、戦術面での変更であり、ミランのパフォーマンスに大きな影響を与えた」
「ただ、あるタイプのカルチョをプレーするために作り上げられたチームが、このまま別の道を進み続けられるのか、私は想像するのが難しい。応急処置を施す必要があったことは確かだが、今後、以前のようなチームに戻れるのかは分からない」
続いてボルギ記者もステファノ・ピオリのチームを分析した。
「3連勝で物議を醸した成績不振からリフレッシュできたはずだ。かなり落ちていたフィジカルコンディションも改善してきたように思う。ミランはまだ100%の状態ではないが、良くなってきている。だが、昨シーズンのスクデットを獲得したチームに戻るためには、別の種類のプレーを目指さなければならない。それでも今シーズンを棒に振りかねない状況を回避できたことも確かだ」
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