日本時間2日にスタディオ・オリンピコで行われた大一番、来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ出場(UCL)を目指して上位浮上のきっかけをつかみたい8位ラツィオと、3位の座を足固めしたいミランによる対決は、88分のノア・オカフォーの決勝点により1-0でステファノ・ピオリのチームに軍配が上がった。
そんな一戦について、『ダゾーン・イタリア』解説陣の一員でラツィオOBのダリオ・マルコリン氏が見解を示した。
「ミランにとって重要な勝利だ。3位の座を固める一方で、2位ユヴェントスへのメッセージにもなる。ただ、ミランには2つの顔が見えた。前半はあまり良くなく、後半になって変化した。加えて数的有利に立ったことで、ピオリは試合を変えることに成功した」
「ラツィオはフィオレンティーナ、ボローニャ、アタランタ、ミランとの上位対決に敗れはしたが、今日は全力を尽くして良いパフォーマンスを見せていた。欧州カップ戦への出場はまだ目指せるはずだ」
しかし後半、ホームのラツィオに3人の退場者が出るなど大荒れとなった展開は、物議も醸している。57分、タティ・カステジャーノスがファウルを受けたかに見えたが、審判団は試合を止めず、クリスティアン・プリシッチがプレーを続行。ボールを奪われ、慌てて対応したルカ・ペッレグリーニは2枚目のイエローで退場処分となった。
ベンチスタートとなったMF鎌田大地もこのあおりを受けたためか、3戦連続で出番なしとなったが、元インテル指揮官のアンドレア・ストラマッチョーニ氏が試合を振り返った。マルコ・ディ・ベッロ主審らの試合進行に問題があったことを指摘し、これが試合の分岐点となったことを説明した。
「前半は拮抗した試合だった。個人的には(マティアス)ベシーノが素晴らしい決定機を迎えるなどしたラツィオのパフォーマンスの方が良かったと思う。ミランは後半に良い入り方をしたが、試合は確実に(ルカ)ペッレグリーニの退場によって方向付けられてしまった」
「あのファウルと状況を踏まえると、ラツィオにとって非常に不運なものだった。そして、その後のゴールで全てが変わった。我々は常に審判員の立場を守ってきたつもりだが、今回に限っては、ほんの少しだが、主審が試合のコントロールを失ったと言えるだろう」
(C)Getty images
ラツィオに与えられなかったPK
1人目の退場者となったペッレグリーニに続き、後半アディショナルタイムには、アダム・マルシッチとマテオ・ゲンドゥージがそれぞれ一発退場となった。8人で試合を終えたラツィオは、指揮官のマウリツィオ・サッリや選手らが試合後のインタビューを欠席。代わりにクラウディオ・ロティート会長が、これらの判定を不服として苦言を呈したが、『ダゾーン・イタリア』の番組では、元セリエA審判員のルカ・マレッリ氏がディ・ベッロ主審の試合進行に見解を示した。
まずは12分に、ラツィオFWタティ・カステジャーノスがミランGKマイク・メニャンに倒されたものの、PKが与えられなかったシーンを解説した。
「これは比較的簡単だ。ミラン守備陣がミスを犯して、メニャンが転がったボールのクリアに出たが、その後、カステジャーノスに接触した。GKは、まずボールを触っていて、その後にFWと接触しているので、当然PKはない。それにメニャンは濡れた芝生で滑っていて、止まることは不可能だった。これは通常の接触だ」
そんな元主審の見解に、ラツィオOBのマルコリン氏が「カステジャーノスは、メニャンをかわしてボールを拾いに行こうとしていたはずだ」と反論。するとマレッリ氏が続けた。
「流れを見て欲しい。ボールはカステジャーノスが走る方向とは全く別方向へ転がっている。確かにボールの方を向こうとしたかもしれないが、今回の場合、メニャンに接触を回避することはできなかった。GKがボールを処理した後にFWに当たっただけで、PKにはならない」
試合の分岐点…ペッレグリーニの退場
続いて元主審は、57分のペッレグリーニの退場シーンを分析。直前にイスマエル・ベナセルのファウルを見逃した問題点を指摘する一方、ラツィオDFのプレー自体は、警告に値するものであると主張した。
「このシーンは一連の流れを見る必要がある。ベナセルの左腕とカステジャーノスが接触した瞬間、ディ・ベッロはすでに背中を向けてボールの行方を追っていた。さらに副審はオフサイドラインに注目していた。この場合、第4審が介入するべきだった。彼がこうしたシーンを見ていなければならない。この時点でカステジャーノスの顔面へのファウルにより試合を中断するのが正しい判断だった」
「ボールがピッチ外に出るように体でブロックしていたペッレグリーニに対し、プリシッチはクリーンだった。ペッレグリーニはユニフォームをつかんでいて、主審は2枚目の警告を出さざるを得ない。つまり2枚目で退場となる。ベナセルのシーンに関しては、レッドカードに値するものではないのでVARは適用されない。単純にラツィオに対するファウルでリスタートとなるはずが、審判団の怠慢があった」
マルシッチとゲンドゥージの退場
元セリエA審判員は、ミランのゴールシーンの直前に、チーロ・インモービレがファウルを受けたかに見えるシーンについてもコメント。「わずかな接触であり、インモービレがすぐに抗議しなかった」ことや「頭部へのファウルではないためにVARは適用されない」ことなどを理由に、「ピッチでの判定」が妥当であるとした。
一方、90分にエルセイド・ヒュサイがオリヴィエ・ジルーに対するファウルで警告を受けたシーンについては、「彼はリスクを犯した。ジルーの頭部に肘が向かっている。腕の動きは疑わしく、イエローは妥当だ。仮にレッドカードでも間違いではなかった」と主張した。
最後にマレッリ氏は、後半アディショナルタイムのマルシッチとゲンドゥージの退場シーンを解説した。
「マルシッチの退場の理由は分からない。想像の話になるが、主審が(ラファエウ)レオンに対するファウルで適切に笛を吹いた後、マルシッチが余計な一言を言ったのだろう。一発退場だからね。ファウル自体は、レッドでもイエローでもない」
「プリシッチがゲンドゥージを長く引っ張り、反スポーツ的ファウルを犯したが、ディ・ベッロはゲンドゥージに対してレッドカードを提示した。私は、疑いの余地なく、誤審だと考えている。ゲンドゥージは、手を開いていてこぶしになっておらず、殴ったわけでもなく、乱暴な行為はない。しかしゲンドゥージは報復を行ったとして乱暴な行為で退場となったため、2試合の出場停止となってしまう」
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