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AFC U20 アジアカップ

【コラム】心身ともに充実する若き日本代表。ブレないチームはU-20W杯の出場権をかけて準々決勝に挑む | AFC U20アジアカップ

川端暁彦
【コラム】心身ともに充実する若き日本代表。ブレないチームはU-20W杯の出場権をかけて準々決勝に挑む | AFC U20アジアカップDAZN
【サッカーU-20日本代表・コラム】AFC U-20アジアカップに挑んでいるU-20日本代表は、グループステージを3連勝で首位通過し、12日に準々決勝でU-20ワールドカップの出場権をかけてヨルダン代表と対戦する。大一番を前に、ここまでの好調の要因と準々決勝のポイントに迫る。
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良好なメンタルコンディション作りの背景に「西さん」効果

2023_3_3_u-20japan_kumata(C)2023 Asian Football Confederation (AFC)

グループステージ3試合後、外国人記者から選手たちをモチベートできている理由やそのための施策について問われた冨樫剛一監督は、ちょっと困惑した様子も浮かべながらこう語った。

「私がモチベートすることはないんです。彼らが望む目標は高いもので、そこに向かってトレーニング、コンディショニングをしている。モチベーションに関して私がすることは特になかったんです」

その話を聞きながら思い出したのは、オランダ代表のGKコーチであるフランス・フック氏の言葉だった。今年1月のフットボールカンファレンスで大会期間中のモチベート方法について問われると、こう応えていた。

「代表チームのユニフォームを貰ってモチベーションに問題がある選手がいたとしたら、それはそもそも選考が間違っていたということです」

代表チームへ呼ばれて腐った振る舞いをするような選手は、そもそも呼んではいけないという話である。その点で言えば、グループステージ3試合、「自信を持って選んだ23人。誰を起用しても大丈夫だと思っている」と指揮官が言い切ったように、3試合すべてで「初出場」「初先発」の選手がいたにもかかわらず、「大丈夫」だったことが3連勝最大の要因だろう。

トレーニングでもそうした雰囲気の良さは感じられる。試合翌日に本格的なトレーニングをするのは試合に出ていない、あるいは出場時間の少ない選手のみとなるので雰囲気の良し悪しが露骨に出るものだが、わずか10名での練習となったサウジアラビア戦翌日も終始ムードは良好。選手たちの表情も前向きだった。フィールドプレイヤーで唯一出場機会のなかったMF熊取谷一星も「いつ出てもいいようにずっと準備はできている」と断言する。

こうした良好なメンタルコンディションの背景について監督、スタッフ、そして選手が口を揃えるのは「西さん」の効果だ。

A代表のシェフとして先のカタールワールドカップにも参加していた練達のコックである西芳照さんが今遠征には帯同。「やはり美味しいご飯を食べているのはデカい」(冨樫監督)。菅野淳フィジカルコーチも「体重の落ちている選手がこれだけ出ていないのも珍しい」と語るように、しっかりと食事を取れていることでフィジカル面の状態が落ち込むことなく、心身ともに健康な状態を維持できている。その成果もあって、病気になる選手や深刻な怪我をする選手も出ていないのは、準々決勝以降に向けてもポジティブな材料と言えるだろう。

準々決勝のポイントは環境への適応とセットプレー

2023_3_11_jleague_matsuki(C)2023 Asian Football Confederation (AFC)

試合については「アジアの難しさというのはずっと感じている」とGK木村凌也が語ったように、3連勝という結果とは裏腹に内容的にはタフな試合の連続だった。

守りを固める相手に苦戦したという一面もあるが、「選手たちは相当芝に苦戦している様子がある」と指揮官が漏らしたように、「芝の感触も違うし、土も違う」(冨樫監督)という芝には悪戦苦闘。ワンタッチをミスしたり、「バウンドが違う」(DF菊地脩太)という処理に苦慮する場面も目に付く。

決定的なピンチの少なからぬ数が繋ぎのパスをミスしたところから生まれており、特に後方の選手たちにとっては神経をすり減らす戦いになっている。また連日にわたって大会を重ねることで芝の状態は「悪くなっていくばかり」(冨樫監督)であり、世界大会出場権を懸けての決戦となる準々決勝ではより神経を使うことになりそうだ。

もう一つ、大きなポイントになっているのはセットプレーだろう。グループステージにおける日本の二つの失点は「どちらもセットプレーから決められてしまっている」(木村)。高さ勝負で敗れたというよりも、交代選手投入後のマークミスやストーンに入る選手の位置取りの修正など「細かい部分をしっかりコーチングできるか」(木村)を改めて徹底したい。

一方、セットプレーからの得点という意味では結果も出た。「世界的に日本はあまりセットプレーから点を取るチームというイメージはないかもしれないけど、僕らはセットプレーから取れるチームになる」とMF松木玖生主将が宣言したとおり、中国戦ではDF髙橋仁胡の左足キックから、サウジアラビア戦ではMF山根陸の右足キックから、それぞれ得点が生まれている。

この2点はいずれもCKをニアサイドで松木が頭で合わせる形で決まっているので、ノックアウトステージでは確実に厳しい警戒を受けることになりそうだが、逆に言えば、その裏をかいた形は狙いやすい。「セットプレーは全部見せていない。まだいろいろ準備しているので」と山根がニコリと笑ったように、準備は万端。タフなゲームを「少しずつ積み重ねてきた僕らの武器であるセットプレー」(冨樫監督)で制する構えだ。

U-20ヨルダン代表とぶつかる準々決勝は、チームにとって最大の目標であるFIFA U-20ワールドカップ出場権を懸けた最大の決戦となる。

冨樫監督はヨルダンについて「非常にMFにクオリティの高い選手がいて、この試合から復帰してくるエースストライカーもいる。より強力なチームに仕上がってくる」と気を引き締め直す。また、松木主将も第3戦終了後、「この感じでいくと、チームが緩くなるのが目に見えているので、そこはしっかりと引き締めたい」と語り、もう一度チームスピリットを磨き直してこの一戦に向かう心構えだ。

タフな戦いとなるのは必定だが、このチームにブレはない。

文・川端暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開し、現在に至る。

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