圧巻クヴァラツヘリアの個人技
ディエゴ・マラドーナ氏を擁した1989-90シーズン以来となる、33年ぶり3度目となる悲願のスクデットへ向けて快走を続けるナポリ。日本時間12日に行われたアタランタとのビッグマッチにおいても、ホームで2-0と勝利を収めて夢の実現へ近づいた。
中でも圧巻だったのは、60分のフヴィチャ・クヴァラツヘリアの先制点のシーン。味方のサポートがないまま、ボックス内へと侵入したジョージアの超新星は、相手選手8人に包囲されながらも個人技を披露し、見事なゴラッソでセリエA挑戦1年目にして11得点目を決めた。
ナポリにおいては、2010-11シーズンのエディンソン・カバーニの17得点および2013-14シーズンのゴンサロ・イグアインの12得点に次ぐ好成績だ。
そんなナポリFWについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣の元イタリア代表MFのマッシモ・アンブロジーニ氏が見解を示した。
「(ヴィクター)オシムヘンからボールが入るという展開は、ユヴェントス戦のゴールと似ている。あの時はすぐにシュートを打ったのに対し、今回はより手が込んでいたね。クヴァラはアウトサイドやインサイドを使ってボールを操れる能力を持っている。3人ものDFが彼を止めようとしているが、クヴァラは常に、ボールだけでなく、自身の体もコントロールしている」
ミランOBは、ジョージア代表FWのクオリティが引き立つ背景に、ナポリの選手たちの積極的な守備の姿勢があると指摘している。
「こうしたゴールは常に、プレッシャーをかけることで生まれることを強調しておくべきだろう。ボールを奪取し、選手たちが1対1に向き合わなければならない状況に置かれることで、攻撃のクオリティがより際立つことは興味深い。もし相手の守備陣の陣形が整っていれば、より難しくなる。今回は(アンドレ・ザンボ)アンギサがボールを奪ったことで1対1の状況が生まれたと言える」
続いてナポリOBのチーロ・フェラーラ氏も、クヴァラツヘリアの得点シーンを分析した。
「注目すべきは、通常と比較してかなり低い位置、中盤でのボール奪取だったというところだ。ナポリは相手DFがボールを保持している際、ペナルティエリア内から出させないほどだからね。まるで(ジョゼップ)グアルディオラのバルセロナを見ているようだよ」
サッスオーロに大量4失点で敗北のローマ
また、『ダゾーン・イタリア』の番組「Sunday Night Square」では、日本時間13日、サッスオーロに3-4で敗れたローマについても議論が行われた。現役時代にナポリなどでプレーしたダリオ・マルコリン氏は、日本代表MF久保建英を擁するレアル・ソシエダとの試合を終えたばかりのローマの過密日程の影響を指摘した。
「UEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ、カンファレンスリーグに出場しているチームを分析すると、すべてどこかで取りこぼしをしている。例えば(ラツィオのマウリツィオ)サッリは『遠征してあちこちを回ってエネルギーを消耗しない方が良い』なんて言っているが、結局のところ、これはすべてのチームに共通することだったと言えるだろう」
「メンタル面では試合に集中しているかもしれないが、フィジカル面ではどこかに何かを置き忘れてしまっている。今日は合計7ゴールが生まれ、(実況の)リッキー・ブスカーリャは『遊園地』と表現していたが、ピッチでローマの存在感は感じられなかった」
続いてユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏は、前半アディショナルタイムにゴール前で倒れたドメニコ・ベラルディに蹴りを入れ、退場処分となった23歳のローマDFマラシュ・クンブラに言及。「背景を特定するのは難しい。冷静さを失ってしまったのか。その前にベラルディとの間で何か接触があり、イラついていたのかもしれないし、分からない」と述べた。
なお、このシーンを巡っては、元セリエA主審で弁護士のルカ・マレッリ氏がリプレーを検証。直前にベラルディが上げた左足がクンブラに少しの間、接触しているものの、その後は足を引っ込めており、サッスオーロFWの行為はファウルに分類できるものではないとの見解を示している。
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ユーヴェに勝利をもたらしたアッレグリの采配
一方、マッシミリアーノ・アッレグリ率いるユヴェントスは、日本時間13日に行われたサンプドリア戦において、序盤に2点を奪ってリードを広げたものの、直後に2失点をして同点に追いつかれた。事態の打開を図るアッレグリは、後半開始からマヌエル・ロカテッリおよびフアン・クアドラードを投入。するとこの采配が当たり、4-2で勝利を収めた。
OBのバルザーリ氏は「興奮する試合だった」と振り返った一方、マルコリン氏は、ユーヴェに勝利をもたらしたキーマンに、ロカテッリを挙げた。
「ユヴェントスの後半の戦いで決定的となったのは、レジスタを務めたロカテッリだったと言える。おそらくアッレグリは頭の中で、後半からこうした采配をする可能性も想定していたのかもしれない。ユーヴェの後半のパフォーマンスは美しいとは言えないが、継続性が感じられた」
「前半のユーヴェは、25分間、偉大なプレーを見せた後、チームの重心を下げてしまい、サンプドリアに主導権を明け渡してしまった。最終的に後半のアッレグリのチームのクオリティが違いを作り出したと言える」
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