いわきFC 対 町田ゼルビア の見どころ
J2リーグ初参戦ながら、開幕5試合で2勝1分2敗の五分の成績を残しているいわきFCと悲願のJ1昇格に向けて4勝1分けとスタートダッシュに成功した町田ゼルビアが顔を合わせる。舞台はいわきのホームスタジアムである、いわきグリーンフィールド。お互いにフィジカルを生かしたスタイルなだけにバチバチとした激しい攻防が繰り広げられそうだ。
9位に付けるいわきは、開幕直後こそ白星が遠く、特にホームでは2連敗と苦戦を強いられていたが、ここに来て復調の兆しを見せる。第4節でベガルタ仙台を撃破し、J2初勝利を挙げると、前節はホームで徳島ヴォルティスを下し、2連勝を達成。J2の舞台でも十分に戦える力があると証明した。
ベースは、昨季のJ3を席巻したサッカーそのままで、強靭なフィジカルやスピード、パワーを武器に1対1のバトルや球際の戦い、攻守の切り替えで相手を上回りゴールを目指す姿勢は変わらない。
昨季のJ3得点王でMVPを獲得した有田稜は、まだ1ゴールと本領発揮とはいかないが、5試合連続で先発を続けており、今節のキーマンとなるだろう。ここまでわずか1失点の町田をこじ開けるためには、エースの奮起が不可欠。昨季、J3で17ゴールを決めた得点センスを発揮し、3連勝をもたらしたい。
首位に付ける町田は、盤石の強さを見せている。今季から就任した黒田剛監督の下、［4-4-2］のシステムでソリッドで隙のないチームに仕上がってきている。前線に並ぶミッチェル・デュークとエリキのコンビは超J2級。それぞれが個の力でゴールを陥れる力を持っているだけに止めるのは容易ではない。
今節は、ミッチェル・デュークがオーストラリア代表に招集されているため不在であるため、エリキにかかる期待は倍になるが、その背番号11は2戦3発と好調。得点パターンも豊富で手を付けられない状態だ。
仮にこのブラジル国籍のストライカーを止められたとしても、全試合途中出場ながら3試合連続ゴール中の荒木駿太が控え、チームとしても伝家の宝刀であるセットプレーを携えている。開幕戦こそスコアレスドローに終わったが、第2節以降は4試合連続で複数得点を挙げており、どこからでも点を取れるのがいまのチームの強みである。
まだ昇格争いを語るには早すぎるが、スタートダッシュが大事になることは言うまでもない。4連勝を飾り3月を無敗で駆け抜け、首位の座も維持する。
他会場のカード
3月25日（土）
14:00 ベガルタ仙台 vs ツエーゲン金沢（J2）
前節の仙台は層の厚さを見せつけ、今季初の複数得点で勝利。セットプレーからの得点も明るい材料で、昨季2試合ともに4-1で快勝した金沢戦にも攻撃面での手応えをつなげていきたい。一方、4連敗スタートとなった金沢は5-2と怒涛のゴールラッシュで今季初勝利。4得点に絡む活躍を見せたMF石原崇兆は、昨季まで所属した古巣との一戦で再び輝きを放てるか。
14:00 大宮アルディージャ vs 大分トリニータ（J2）
大宮の前節は、後半立て続けに失点を喫する逆転負け。ただ、DF袴田裕太郎の折り返しにFWアンジェロッティが合わせる得点パターンを2試合連続で見せ、今後に期待感を抱かせた。4勝目をマークした2位の大分は、アカデミー出身のMF高畑奎汰が止まらない。前節は今季2度目の直接FK弾に加え、頭でも決めて計2ゴール。大ブレイクの予感が漂う22歳に注目だ。
14:00 ジェフユナイテッド千葉 vs ファジアーノ岡山（J2）
2連敗となった千葉だが、終了間際にFWブワニカ啓太が一矢を報いる今季初得点。リーグ戦でのホーム岡山戦は過去10勝3分無敗と圧倒している相性も味方に、開幕節以来となる勝点3を狙う。今季初黒星を喫した岡山は、FW櫻川ソロモンが契約により今節出場不可。U-20日本代表から戻ってきたFW坂本一彩、MF佐野航大の二人にかかる期待は大きい。
14:00 徳島ヴォルティス vs ブラウブリッツ秋田（J2）
開幕から2分3敗と勝利のない徳島は最下位に転落。ベニャート・ラバイン新監督の下で模索している段階とはいえ、今季4度目となるホームゲームでは何よりも結果が求められる。一方の秋田は土壇場に今季初失点を喫して引き分けたものの、開幕から無敗を継続。2試合連続で新加入選手が得点したことも心強く、スタイルの完成度では分がありそうだ。
14:00 V・ファーレン長崎 vs モンテディオ山形（J2）
長崎はMF宮城天が2ゴールを挙げる活躍で、昨年9月以来となる勝点3を獲得。今節は昨年6月を最後に勝っていないホームゲームで、サポーターに白星を届けたい一戦になる。3連敗中の山形は、先制を許す展開が続いている前半の戦い方が鍵に。前節は國分伸太郎とチアゴ・アウベスを両WGで先発させたが、どのような前線の組み合わせで臨むのか注目だ。
15:00 東京ヴェルディ vs ロアッソ熊本（J2）
東京Vは前節藤枝MYFCに5-0の圧勝。4度目の無失点もさることながら、相手陣内でのボール奪取から決定的な場面を数多く作り、“良い守備からの良い攻撃”を体現したことも自信となるだろう。対する熊本は連勝が2でストップ。昨季は第9節のアウェイゲームで初黒星をつけるなど東京Vから2戦2勝を記録しただけに、良いイメージを持ってアウェイへ乗り込みたい。
3月26日（日）
14:00 レノファ山口FC vs 藤枝MYFC（J2）
山口は前節MF山瀬功治が24年連続ゴールの大記録を打ち立てたものの、試合には2-5で大敗。ハイプレスを受けてミスが出た藤枝も0-5で敗れ、ともに2試合連続の複数失点となった。ただ、多少のリスクを負ってでも勇敢に後ろからつなぎ、ボール保持を放棄しないのが両チームのスタイル。“前へ”の意識を強く持ち、連敗を止めるのは果たしてどちらか。
15:00 水戸ホーリーホック vs ヴァンフォーレ甲府（J2）
開幕から無失点を続ける秋田と対戦した水戸は、終了間際にFW寺沼星文が値千金の同点ゴール。J2通算300勝となる今季初白星に再挑戦する今節も、22歳のルーキーが鍵を握りそうだ。一方の甲府は二度追いつかれたものの、ファジアーノ岡山を3-2で下して2連勝。2ゴール1アシストと出色のパフォーマンスを見せたMF品田愛斗に期待がかかる。
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