ミッドウィークに行われたUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)のベンフィカ戦で公式戦7試合ぶりの勝利を収めたインテル。だが、リーグ戦では不調から脱することができず、日本時間16日のモンツァ戦に0-1と敗れて11敗目を喫し、これで5戦連続未勝利となった。
そんなシモーネ・インザーギ率いるチームの現状について、『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演した解説陣が議論。まずはユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏がインテルの敗戦の背景を分析した。
「UCLで目覚めたように見えたって? そりゃUCLだからね。インザーギが話したように、決定機を何度も逃した試合で負けているというのはその通りだと思う。だが今回に限らず、他の時期においても、リーグ戦とUCLの間で違いがあるように見える。枠内シュートやボール支配率において結果は出しているが、リーグ戦において『僕たちは勝つんだ。何としてでも勝つんだ』という闘志が足りないように思う」
「だから隙が生まれてしまう。一方、UCLでは完璧な試合を演じた。つまりメンタリティにおいて大きな差があるということだ。これは監督に大きな要因があるように思う。私は監督ではないので、どうするべきかは分からないが、とにかくリーグ戦とUCLの間で温度差がありすぎる」
ステファノ・ボルギ記者も元ユーヴェDFに同調しつつ、持論を展開した。
「確かに監督はチームにおける責任者だ。2つの大会でこれほど両極端のパフォーマンスになってしまうことに責任はあるだろう。私の考えでは、UCLのインテルとセリエAのインテルの間の大きな違いは、犯したミスにも表れているように思う」
「例えばベンフィカ戦で(ニコロ)バレッラのゴールをアシストした(アレッサンドロ)バストーニが、モンツァ戦の失点シーンで(ルカ)カルディローラを見失い、フィオレンティーナ戦でもマークの対象を追いかけずに失点につながった。さまざまなポジションにおいてこれほどミスが続くということは、チーム内において2つの大会に対するアプローチが異なるということだろう」
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沈黙が続くルカクとジェコのいらだち
試合前のウォーミングアップから、気合が入っていたかに見えたルカク。試合中、バストーニに対し、パスを要求するなどゴールへの意欲も見せていたが、シュートミスを重ねるにつれて冷静さを保てなくなり、マークについていたモンツァDFパブロ・マリから慰められるシーンもあった。今シーズンのリーグ戦において、流れからの得点が開幕節のレッチェ戦のみとなっているインテルFWについて、元インテル指揮官のアンドレア・ストラマッチョーニ氏が自身の考えを語った。
「こうしたケースにおいて、ルカクがいることで、なんとしてでもルカクに毎試合、ゴールを決めてもらわなければと期待することになってしまう。だが監督は最も信頼できる2トップに託すべきなんだ。前半戦のインテルは、(エディン)ジェコとラウタロ(マルティネス)のコンビで継続性を示せていたように思う」
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インザーギはスコアレスのままで迎えた試合終盤、ラウル・ベッラノーヴァの投入を指示。だが直後にモンツァが先制したことから、急遽、エディン・ジェコの投入へとシフトした。ボスニア人FWはこれを穏やかに受け止めることはできず、最初のボールタッチの際、“ジェコらしくない”プレーを見せた。元インテル指揮官が、そんなジェコの心理面の変化に見解を示した。
「機能しないことに固執し続けると、機能していたものまでが機能しなくなる可能性がある。それに例えばFWのコンビが(ディエゴ)ミリートと(ロドリゴ)パラシオなら、そのままコンビはミリートとパラシオであり続けなければならない。選手たちもそう感じているべきなんだ。途中交代から結果を出したのなら話は別だが、そうでないのなら、インザーギが先回りしてルカクを信用しているように見えてしまう」
するとバルザーリ氏はベルギー代表FWを擁護。「それでもルカクはチーム内のバランスを動かすことができる選手だ」と見解を示したが、元インテル指揮官がさらに反論して続けた。
「だがルカクが最後にバランスを動かしたのは、いつのことだろうか。ワールドカップ(W杯)やチェルシーでの話だろう。まずはインテルでゴールを決め、アシストを記録し、結果を出してからだ。先発するのはその後だ」
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