セリエA第32節において、首位ナポリはサレルニターナと引き分け、33年ぶり3度目のセリエA制覇が持ち越しとなった一方、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場権争いは激しさを増し、2位ラツィオから7位アタランタまでが6ポイント差で3つの枠を競う。
OBの2人が見たユヴェントス
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」に出演し、議論を交わした。3位ユヴェントスのOBアンドレア・バルザーリ氏はまず、ボローニャで1-1と引き分けた古巣に見解を示した。
「どちらが勝ってもおかしくない試合だった。引き分けは妥当な結果だろう。両チームともに素晴らしいチャンスを作り出したが、どちらの守護神も優れたパフォーマンスを見せた。ボックス内でミスはいくつかあったが、見ていて面白い試合だったと言える」
Getty
同じくOBのチーロ・フェラーラ氏も、リーグ戦3連敗から脱出したマッシミリアーノ・アッレグリのチームを分析。パフォーマンスを評価した。
「ボローニャはホームにおいて、強豪に“嫌がらせ”をしてきたチームだ。ユヴェントスは直近の試合と比較すると、作り出したチャンスの数が増えた。一定のリズムも保てていた。ただ、3ポイントを持ち帰ることができなかったがね。しかし引き分けは妥当だろう」
ついにLuLaコンビが本領発揮?
セリエA第32節で注目を集めたビッグマッチの1つ、6位インテルと2位ラツィオの一戦。今後の上位争いの行方に大きな影響を与える一戦であったほか、UCL準決勝が控える中、インテルのコンディションを占ううえでの試金石ともなった。
シモーネ・インザーギのチームは、前半に先制点を奪われたものの、後半、逆転に成功して3-1と勝利を収めたが、ステファノ・ボルギ記者が分析を行った。
「あの逆転の仕方は、重要なメッセージになったと言えるだろう。すなわち、ラウタロ(マルティネス)のドッピエッタ(1試合2得点)と(ロメル)ルカクの2アシストで、LuLaの活躍によるものだったという点だ」
「この2人は、インテルの今シーズンを輝かせてくれるはずだと期待されていたが、2人同時に活躍を見せたことはこれまでになかった。だが、このような時期に、2人の中心選手が答えを出した。これは非常に重要であると考える」
(C)Getty Images
フェラーラ氏は、過密日程で体力的にも難しい状況でありながらも、スコアを覆して勝利を収めたインテルを称えた。
「コッパ・イタリアもあり、消耗があったはずだ。それにもかかわらず、メンタルだけでなく、フィジカルの面でも良い反応を見せたと言えるだろう。インテルは良いパフォーマンスを見せていた中で失点をしてしまい、ラツィオも良い守備を見せていただけに、挽回するのは簡単ではなかったはずだ」
続いてバルザーリ氏もインテルに見解を示したほか、ローマと試合終了間際の劇的展開で1-1と引き分けたミランについて持論を展開した。
「インテルは本当に価値のある勝利を収めた。残念ながらケガをしてしまったが、(ロビン)ゴセンスのパフォーマンスも良かった。UCL準々決勝を終えた後の3試合で重要な勝利を収めたことで勢いづいたはずだ。インテルは華麗に復調を見せている」
「一方、ミランは悪かったわけでない。昨シーズンの方が中身のあるパフォーマンスだったように思うが、まあまあ良い試合ではあった。負けていればローマに3ポイントをプレゼントしまい、悲惨になっていたはずだが、試合を取り戻すことができたのだからね」
さらにナポリOBもミラノの2チームのパフォーマンスを比較。「今節のインテルは素晴らしかった。対するミランは、スペースを与えてくれず、相手にプレーをさせないローマとの対戦だった。しかしミランは最後の1分で極めて偉大な反応を示したと言える。もはや失ったように見えていた試合を取り戻すことは予見できなかった」と語った。
Getty
混沌のUCL争いの行方は?
セリエA6試合を残し、UCL出場権争いは2位ラツィオが61ポイントでリード。3位ユヴェントスは60ポイントを獲得し、インテル、ミラン、ローマが57ポイントで並ぶ。さらにその2ポイント差でアタランタが迫る。ボルギ記者が見解を示した。
「依然として巨大な疑問符のままで、最終節までもつれるだろう。私が考えるに、インテルとミランは、UCL準決勝という問題を抱えている。リーグ戦は残り6試合だが、そのうちの3試合がUCLの前後にあたる。そこで違いを作り出すはずのポイントを取りこぼすリスクがあるはずだ」
だがミラノ勢に限らず、ユヴェントスやローマもUEFAヨーロッパリーグ(EL)準決勝の試合をこなさなければならない状況にある。ボルギ記者は続ける。
「確かにローマに関して言えば、現時点で負傷者が多く、台所事情に問題があると言える。このほか、ラツィオはある程度のリードがあったが、インテル戦で重要なポイントの獲得を逃してしまった。それにアタランタも未知数だ。数字上、追いつける可能性があるからね」
Getty
歴史は4月30日のナポリの戴冠を望まなかった
フェラーラ氏の古巣ナポリは、ホームのスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナにおいて、33年ぶり3度目のスクデット獲得を決める絶好のチャンスを迎えた。ナポリっ子たちは、スタジアム内だけでなく、市内中心部のプレビシート広場などに集結して歓喜の瞬間を待ったが、ルチアーノ・スパレッティのチームはサレルニターナと1-1で引き分け、優勝は次節以降に持ち越された。
市内には「歴史は別の日付を望んだ」などといった横断幕も掲げられる中、ナポリ出身の元イタリア代表DFが語った。
「信じられないような雰囲気と熱狂が感じられた。マラドーナで33年ぶりの優勝を決めるチャンスがあっただけに、確かに失望はある。事実上、優勝は持ち越されただけとはいえ、今日はおそらくスクデット獲得に理想的な日だった。残念だが、カルチョとはこういうものだ」
Getty Images
関連記事
● 【コラム】バンディエラ流出の失望から新たな熱狂へ1週間で様変わりしたナポリ…スクデットの夢をもたらす新戦力 | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。