セリエA第34節では、ミラノ勢の2チームがローマ勢に勝利を収めた一方、ユヴェントスは敵地でアタランタとの直接対決で白星をつかんだ。この結果、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場権争いは、66ポイントで2位へ浮上したマッシミリアーノ・アッレグリのチームがリード。2ポイント差でラツィオ、その背後に63ポイントのインテル、61ポイントのミラン、さらにアタランタとローマがユーヴェから8ポイント差で追う恰好となった。
伊解説陣が見た別格のポグバ
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」に出演。まずはナポリOBのダリオ・マルコリン氏がベルガモでのユヴェントスのパフォーマンスを分析し、65分から途中出場したポール・ポグバやドゥシャン・ヴラホヴィッチに賛辞を贈った。
「ステファノ(ボルギ)と話していたが、ユーヴェは安定し、実践的だった。アタランタは良い試合をしていたが、ユーヴェは苦しい時間帯を我慢することができた。途中出場した選手たちのクオリティも素晴らしかった。まだコンディションが戻っていないかもしれないが、ボールを触った時のポグバは、別の選手のようだった。まるで地球に降り立った火星人のようだよ。彼は試合の展開を変えるリズムを持っている」
「マッシモ(アンブロジーニ)も話していたが、ヴラホヴィッチは、レッチェ戦でゴールを決めた後から完全に違う選手になった。レッチェ戦でのゴールでメンタル面の問題から解放されたのかもしれない。今日はフィジカルのクオリティと縦への攻撃と、彼が見せるべきカルチョができていた。今日のユーヴェは気に入ったよ」
続いてボルギ記者もポグバを絶賛する。
「トリノダービーの時もそうだったが、ポグバが入ると、異なる火が灯るようだ。まだ、完璧なコンディションではなく、試合中のパフォーマンスにムラがあり、アッレグリもポグバのボールロストに関して怒っていたが、前線への飛び出しとシュートなどを見ると、別格の選手であることがわかる。ただ、ユヴェントスには別格の選手が何人もいる」
一方、ミランOBのアンブロジーニ氏は、ポグバのパフォーマンスに関してより慎重な意見を述べた。
「ポグバは最初の25~30分ほど、トップコンディションまではるか何光年も遠いように見えた。アッレグリは1カ月くらい前から彼を起用できたはずだが、出場時間からしてまだ使えない状態だったのだろう。だが今日のパフォーマンスを見る限り、ようやく良い兆しが見えてきたように思う」
(C)Getty images
物議を醸した“被害者”ヴラホヴィッチへの警告
だがこの試合の終了間際、セルビア代表FWのヴラホヴィッチが、一部のアタランタサポーターから人種差別的なチャントを浴びせられ、これに反応したことで警告を受けた。アタランタ指揮官ジャン・ピエロ・ガスペリーニは、自陣にもバルカン半島出身の選手がいることから、人種差別的な意図があることに疑問を呈したが、『ダゾーン・イタリア』の解説陣は今回のエピソードを激しく非難している。ボルギ記者が見解を示した。
「私はこの様子を目撃し、チャントを聞いた。かなり激しいチャントで、まるでみぞおちにパンチを入れられるようなものだった。(ダニエレ)ドヴェーリ主審は試合を一時中断し、アタランタの選手たちはクルヴァのサポーターをなだめに向かった。そしてヴラホヴィッチはこれにゴールで答えると、ゴールセレブレーションで感情をむき出しにし、警告を受けた。これが尾を引くことになるかもしれない」
「こうしたチャントを行った者の大部分は、これがどんな状況を作り出すのか理解していない。こうした人種差別が過去にジェノサイドという悲劇をもたらしたのであり、極めて重大であり、受け入れがたい」
アンブロジーニ氏もスタジアム内の差別に不快感を示し、「許しがたいものだ。中には子を連れている親があのようなチャントをするんだ。こんな親たちの映像を見なければならないなんて、容認できない」と糾弾した。
コッパ・イタリアでは、人種差別的なチャントに反応したロメル・ルカクが2枚目のイエローカードを受けて退場処分となり、その後、イタリアサッカー連盟(FIGC)のガブリエレ・グラヴィーナ会長が特赦を与えて処分を取り消したばかり。マルコリン氏は、同じ人種差別の“被害者”であるユーヴェFWの警告も取り消すべきであると主張する。
「もちろん取り消すべきだ。ヴラホヴィッチは何か間違えた行動をしたわけではない。ボディーランゲージで自身の怒りを発散しただけで、何らかのジェスチャーをしたわけでもない。むしろ模範的だった。ゴールを決め、挑発的な反応をしたわけでなく、ただ感情を露わにしただけで、その後、チームメートからハグを受けた。これ以外に彼に何ができたというのだ」
(C)Getty Images
なぜラツィオはテオの72メートル独走弾を許した?
一方、「Tutti Bravi Dal Divano」では、ミランDFテオ・エルナンデスの72,5メートル独走弾が話題となった。ミラン対ラツィオ(ミランが2-0で勝利)の28分、自陣エリア付近でボールを受けたフランス代表DFは、相手のボックス手前まで1人でボールを運び、左足で驚愕のゴールを挙げた。解説陣は、まるで昨シーズンのアタランタ戦のスーパーゴールを再現するような得点シーンを分析した。
ミランOBのアレッサンドロ・マトリ氏は「(ラツィオが)戦術的ファウルで止めてもよかったんじゃないか」と指摘。すると長友佑都のチェゼーナ時代の元同僚でラツィオOBのマルコ・パローロ氏が自身の見解を示した。
「統計的にエリア外からのシュートは得点につながらない確率がより高い。つまりより小さなリスクと言える。(マウリツィオ)サッリの守備は、ラインを突破されるよりも、エリア外でプレーさせ、より小さなリスクを選択するようなプレーの仕方をするんだ」
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