アンドレア・アニェッリ元会長率いる前経営陣の不正により、今年1月に勝ち点「15」の剥奪を受けて10位へと転落したユヴェントス。その後、処分がいったん取り消され、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場圏内の2位にまで浮上していたが、現地時間22日に行われた再審により、今度は10ポイント剥奪の裁定が下され、またしても7位へと後退した。
心が折れたユヴェントス
直後に行われたエンポリ戦では、1-4と敵地で大敗を喫したユヴェントス。来シーズンへ向けてアッレグリの解任の可能性も囁かれる中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Supertele」で議論を行った。2011年1月から1年間、ユヴェントスでプレーした経験を持つ元イタリア代表FWルカ・トーニ氏は、かつて前人未到のセリエA9連覇を果たした常勝チームに厳しい見解を示している
「ユーヴェは処分が下されても下されなくても、勝たなければならなかった。選手たちは『10ポイントのペナルティが下されたのか』って思うかもしれないが、それでもピッチに向かわなければならない。そもそも、ユーヴェは勝者のメンタリティを持っていなければならない」
「むしろ『ペナルティを受けたとしてもUCLへ行くんだ』という怒りの気迫を見せるべきチームだと思う。メンタル面への影響は理解できるが、この選手たちは重要なユニフォームを身にまとっているんだ。だからこそ勝利を目指さなければならない。ペナルティを言い訳にしているとは思わないが、とにかく勝たなければならないチームなんだ」
一方、ユーヴェの黄金期にジョルジョ・キエッリーニやレオナルド・ボヌッチと鉄壁の3バックを組んで活躍したバルザーリは、古巣の選手たちの心理面を分析した。
「ルカの意見には賛成できるが、ユーヴェの選手たちの立場に立ってみると、気持ちの面で、あの裁定は強いものだったのではないだろうか。すでにUEFAヨーロッパリーグ(UEL)を敗退したことでも、落胆していただろう。それに15ポイントを剥奪された時点でポイントを取り返そうとして、かなりの無理をしていたはずだ。それから、いったんポイントが返却されて2位に浮上して安心する」
「ところが、またしてもポイントを奪われ、最終節目前で再びUCL出場権争いで逆戻りしてしまう状況になった。今シーズンのリーグ戦では、あらゆることが起きたわけで、選手たちは今回の裁定により、心が折れてしまったのかもしれない。私はそう思う。簡単なものではなかったはずだ」
(C)Getty images
欧州で躍進する一方で失われたセリエAの信頼性
番組に出演した『Gazzetta dello Sport』のアンドレア・ディ・カーロ副編集長も、ユーヴェだけでなく、UCL出場権争いを競う他のチームにまでを巻き込んだ今回の勝ち点剥奪騒動を分析しつつ、アッレグリのチームに苦言を呈した。
「このペナルティは、ユーヴェの今シーズンの行方だけでなく、他のチームにも影響を与えた。6月15日には、年俸などに関する別件の裁定も控えているわけで、リーグ戦も終了した後の同日まで、順位がどうなるのか分からない。こうなることで、セリエAのシステムの信頼性が失われてしまう。それもヨーロッパのカップ戦で3チームが決勝へ進出したシーズンにね」
「それにユーヴェは今シーズン、悪いパフォーマンスでなかったとは言えない。ユーヴェはエンポリに4失点してはならないチームであり、アッレグリの言うように、心理面の影響だけのせいにするべきではない」
「エンポリに勝っていれば。UCL出場権争いに残れたはずだが、この敗戦で完全に蚊帳の外になってしまった。ユーヴェにとってピッチ外において難しいシーズンだったが、ピッチ内においても同じく難しいシーズンだったと言える」
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