ルチアーノ・スパレッティ率いるナポリが、ディエゴ・マラドーナ氏を擁した1989-90シーズン以来33年ぶり3度目となる悲願のスクデットを獲得した今シーズン、セリエAでは、数多くの若手が躍動。ナポリの躍進を支えたジョージアの新星フヴィチャ・クヴァラツヘリアのほか、ユヴェントスのファビオ・ミレッティやニコロ・ファジョーリ、アタランタのラスムス・ホイルンドやジョルジョ・スカルヴィーニ、エンポリのトンマーゾ・バルダンツィらが注目を集めた。
伊解説陣が選ぶ今季最強の若手は?
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣を務めるユヴェントスOBのアンドレア・バルザーリ氏、ミランOBのマッシモ・アンブロジーニ氏、そしてステファノ・ボルギ記者が「Sunday Night Square」の番組内において、今シーズン最強の若手について議論を行った。
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まず、ボルギ記者は、イタリア人選手でないことを理由に同席者から反発を受けながらも、セリエAのMVPにも選出されたナポリのクヴァラツヘリアを最優秀若手選手に選出。一方、アンブロジーニ氏は、エンポリのU-20イタリア代表MFバルダンツィを挙げた。
「U-20ワールドカップ(W杯)でも活躍しているね。最初は疑問に思うところもあったが、プレーを続けるうちに頭角を現し、あのポジションで上手く役割をこなせるように成長した。多くのチームが必要とするようなトップ下の人材だと思う。ビッグクラブでプレーするのにふさわしいかどうか? 2003年生まれの選手だったね。少しずつ出場機会が与えられても良いだろう」
するとバルザーリ氏は「彼はビッグクラブに値する」と断言。「イタリアではこのステップを踏むべきなんだ。他のリーグだったら、すでに強豪に移籍していたはず」とビッグクラブが才能ある若手を起用していくべきであると主張し、エンポリMFの来シーズンのステップアップに期待を寄せた。
続けてミランOBは、エンポリMFがブライム・ディアスのような路線をたどれるかどうかを問われると「バルダンツィは今シーズン、4ゴール決めていて得点力がある。ミランは獲得しても良いんじゃないかな」と見解を示した。
最後にバルザーリ氏は、2001年2月12日生まれでクヴァラツヘリアと誕生日が同じ古巣ユヴェントスの22歳ファジョーリを最優秀若手選手に推した。
「ファジョーリは、ユーヴェという難しい場所でプレーをこなし、準備ができていることを示した。素晴らしいパフォーマンスを見せ、いくつかの試合で決定的な役割も果たした。さらにレギュラーの座も獲得している。これはユーヴェにおいて、決して簡単ではないことだ」
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期待外れの若手はやはり…
続いてテーマが「今シーズンの期待外れの若手」に移ると、ミランOBのアンブロジーニ氏とボルギ記者は、昨夏、ミランの補強の目玉として注目を浴びたものの、リーグ戦無得点で不発に終わったシャルレ・デ・ケーテラーレを挙げた。
ベルギー代表FWは来シーズンもミランに残留するべきなのか、それともレンタルで武者修行に出るべきなのか。あるいは、ミランはデ・ケーテラーレを見限り、売却を検討するべきなのか。ミランOBも、頭を悩ませている。
「正直、彼やクラブに何を勧めたらよいのかわからない。今シーズンを振り返ると、彼の活躍を見る機会がほとんどなかったことが印象に残っている。常に(サンドロ)トナーリや(ラファエウ)レオンの1年目と比較されてきたが、これほど活躍がないのではね」
「何かしら結果を示さなければならないが、何も残していない。トナーリやレオンは、多少の活躍を見せていた。ただ、遅かれ早かれ頭角を現すのかもしれない。したがって1年間のレンタルに出すのもよいのかもしれない」
「ヨーロッパでプレーした際にクオリティを示した若者であり、ミランはそれなりの投資をしている、私なら1年間で彼を手放すことはしたくない。適当なオファーが届きそうなだけに、そう思う。売却するか、レンタルに出すかなら、私はレンタルを選ぶ」
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同じくデ・ケーテラーレを選出したボルギ記者はレンタル移籍に反対し、ミランに残留させることを勧めた。
「彼は今シーズン、存在感が感じられなかった。だが、あまりにもレベルの低い場所へ行けば、完全に破壊されてしまうかもしれない。極めて難しい問題だ。重要な投資であったことは確かであり、私なら、もう一度、彼のことを信じてみたい。レンタルへ出すことに賛同できない」
一方、ユヴェントスOBのバルザーリ氏は、古巣のFWドゥシャン・ヴラホヴィッチを挙げた。セルビア代表FWの不振は、チームが彼を活かすことができなかったからなのか、それともヴラホヴィッチ自身の問題なのか、元ユーヴェDFが自身の見解を示した。
「いろんな要素が絡み合っていたとは思うが、どちらかと言うと、彼自身の問題だ。私が期待外れの若手として選んだ理由には、彼に対する期待値や支払った移籍金などがある。ビッグクラブにおいて年間30ゴールを求められるセンターフォワードとして継続性を見せることがまったくなかった」
「私の同僚たちも、シーズン開幕前にはセリエA得点王に予想していたほどだ。しかし彼はまだ若い。擁護したい気持ちもある。ただ、ヴラホヴィッチには、誰もがもっと多くを期待していた」
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