「僕のレガシーを残せるように努力しました」
ーー日本で最後の数日となりましたが、いかがお過ごしですか?
たくさんの感情が入り混じっています。みなさんの愛情でいっぱいですね。 同時に、ここでのステージが終わる前に最後の日々を楽しみ、味わっています。土曜日のラストマッチでのお別れを楽しみたいですね。
ーー日本から離れるにあたって恋しくなりそうなものは何でしょうか?
全部ですね。仕事的にも家族的にも、ここでの日々の生活は毎日とても幸せでした。何度も言ってきましたが神戸、日本はホームのように感じていますし、とても幸せでした。
ーーここで友人からのメッセージを紹介したいと思います。「世界レベルのキャリアを引っ提げて日本に来て、ヴィッセル神戸を大きな存在にしてくれました。これまでに達成してきたものに改めておめでとうと言いたいです。電車での旅行は覚えていますね。おめでとう、そして楽しんで!お疲れ様でした!」(元スペイン代表FWダビド・ビジャ)
ここで一緒に過ごした時間は特別なものでした。ダビドとはバルサ、代表で多くの時間を共にしてきました。ここでまた一緒にプレーできたというのは素晴らしいことでした。ダビドが言っているようにたくさんのことがありましたが、僕ら、そしてクラブは成長してきています。それがこのプロジェクトでの目標の一つでもありました。
ーー昨季は神戸で難しい時期もありました。
残留争い、そして監督の交代も多くありました。このような状況はバルサでは経験がなかったと思います。特に残留争いですね。個人的にもチームとしても難しい状況ではありました。シーズンの最初から終わりまでずるずると物事が上手くいかず、全員にとって難しい1年間でした。J1という立場を失うかもしれないという恐れ、責任も感じていました。クラブとサポーターがその状況を打開しようとさらに一致団結しました。おかげで残留することができて、1年間苦しみはしましたが、今後に生かせると思います。
ーー当時、イニエスタ選手は38歳でしたが、このシーズンの新しい経験は成長につながると感じましたか?
何事にも理由があると考えています。重要なのは向上心を持って成長し続けようとする考えを持つことです。そして、今までやっていなかったやり方でやってみること。チームのキャプテンということもあってさらに責任もありました。全てのフットボール人生の中で、ピッチ内外で全てを出し切ろうという思いは常に抱いてきました。
ーーJリーグで5年プレーされました。この5年でご自身がJリーグに残したものというものは何だと思いますか。
わかりません。僕が答えるべき質問なのかわかりません。でも、僕が到着した時に明確だったのは、ピッチ内外で僕のベストを出すということでした。全ての面でヴィッセル神戸を助けること。僕のプレーを見て楽しんで、幸せに感じてもらうこと。僕のベストを尽くすということ。5年プレーしたのでそれは大きな事だと思います。みんなに喜んでもらうというのは簡単なことではありません。僕自身楽しみましたし、プレーヤーとして、人間として成長できました。僕のレガシーを残せるように努力しました。たくさんの人が祝ってくれましたし、僕の存在が他の若手選手を助けたりすることもあって素晴らしかったですね。
ーー神戸では若く才能に溢れるチームメートがいました。古橋亨梧選手や小林友希選手はヨーロッパへ渡りましたが、全体的に日本の若い才能をどう見ていますか?
すごくポジティブなことです。おっしゃった選手のようにヨーロッパに直接行く選手もいます。個人的には日本の選手はとても魅力的です。テクニックに恵まれ、ダイナミックです。ヨーロッパに渡りたいという選手は大体いい結果が出ていると思います。
ーーJリーグに来てご自身のプレーで変えたところはありますか?
あるかもしれませんね。変わるというよりも戦っていく中でアジャストしていくことはあります。(Jリーグでは)ボールを持った時に落ち着くのではなくダイナミックな動きがあります。静止することがありません。プレースタイルが違ってもいい選手であればいいプレーはできます。なので僕が気を付けていたことはいいプレーをすることでした。厳しいリーグなのでとても楽しみました。バルサを出て求めていたのは競争力を持ち続けることで、その競争力を見出すことができました。ここ数か月は参加することができませんでしたが、その他は楽しみました。
ラストマッチは「最高の一日にしたい」
ーー日本のフットボールに関する質問です。日本のフットボールはとても速く切り替えが速いとおっしゃっていました。日本とヨーロッパのフットボールの最大の違いというのは何でしょうか?
どちらとも特徴があって違うものです。基本的に同じ選手はいませんしね。どのチームも選手と監督によってプレーが変わっていきます。一般的には静止することがないダイナミックなリーグです。シーズン後にダイジェストを見ても85分からアディショナルタイムまでの得点も多くあります。最初からヴィッセルでは違うプレースタイルを提唱してきました。ボールを持ってポゼッションし、ダイレクトな形ではなくてコンビネーションしていく形ですね。ある程度できてはいましたがクラブや監督の考えによって変わっていきました。
ーー日本のフットボールでは、イニエスタ選手やダビド・シルバ選手のような技術的には高くてもタメ(パウザ)ができる選手、落ち着かせる選手というのは育成が難しいです。
(日本にも)いますよ。川崎フロンターレにいた中村憲剛選手はそういった選手でした。他の選手を生かすスタイルなので周りにも左右されると思います。川崎はボールを持つスタイルですし、そういったスタイルが好きな選手、コンビネーションが好きな選手、考え方が大事です。一般的には日本のフットボールは少し違うものです。
ーー日本のフットボール界もいつかW杯を掲げたいと思っています。どういったスタイルのフットボールを目指すべきだと思いますか?
それは監督次第ですね。自分の目指すフットボールができる選手を選ぶ訳ですから。W杯優勝を果たすためにはいい面をたくさん揃え、ネガティブな面を最小限に抑えなければいけません。この前のW杯では記憶が正しければクロアチアに負けたと思いますが、日本は大きな役割を果たしました。W杯で優勝するのはとても難しいことですが、日本の若い選手たち、代表に選ばれている若い選手たちを見ると視野に入れるべき存在ですね。
ーー日本のフットボールの目標は、ヨーロッパや南米のトップチームと競い合うことです。ヨーロッパや南米のチームから学び続けるべきだと思いますか、それとも独自の路線をたどるべきでしょうか?
それぞれが自分の考えを信じなければいけません。それが最も重要です。そこからヨーロッパや南米から学べばいいと思います。ヨーロッパや南米も日本から学ぶことはあると思います。今ではフットボールのレベルは均等になって来ていますから違いが出るのは細かな点です。
ーーご自身のこの5年の評価をお願いできますでしょうか?
ポジティブでとてもいいものでした。ポジティブなものしか頭にはありませんね。ここ数か月はとても難しいものでしたが、それを除けばプロとしても家族としてもとてもいいものをもたらしてくれました。最初に言ったように日本や神戸をホームのように感じます。将来きっと帰ってくると思いますよ。フットボールを辞めてもヴィッセル神戸との関係は続きますし、今後どうなるかですね。プレーしながら辞めたいと思っています。みなさんの愛情や想いを感じていますし、毎日それを感じてきました。
クラブとしては経験できなかったこともできました。タイトルを獲得できましたし、ACLにも参加しました。バルサとも2回対戦しました。世界レベルの選手がここにはいます。スポーツ面では素晴らしいことがたくさんありました。個人として、家族としても日本にいるということは素晴らしいことです。
ーー日本に来る前にも日本や日本人に対する印象があったと思うのですが、5年間住まれてその印象は変わりましたか?
来る前の印象が正しかったことがわかりましたし、それ以上によかったですね。初日からみなさんの愛情を感じましたし、最後の日々はもっと感じていますね。
ーー今週末の試合に向け、ファンに向けて最後にメッセージをください。
最後の試合を楽しみたいと思います。最高の一日にしたいです。たくさんの想いが出てくるでしょうが、特別なゲームになります。いつも通り最高のプレーをして楽しみたいです。サポーターのみなさん。僕の日本での最後の試合をDAZNで楽しんでください。
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