マウリツィオ・サッリ指揮下で3シーズン目を迎えるラツィオ。昨シーズンをリーグ戦2位の好成績で終え、今年は3シーズンぶりのUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)に挑戦する。また、ローマの古豪は今夏、サウジアラビアへ移籍したセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチの後釜として、日本代表MF鎌田大地がフリーで加入したことで注目を浴びる。
そんなラツィオで7年目のシーズンに臨むモンテネグロ代表DFアダム・マルシッチと、25歳のイタリア人DFニコロ・カザーレが『ダゾーン・イタリア』の「インサイド…ラツィオ合宿の一日」に出演した。マルシッチは、ラツィオでの6年間を振り返りつつ、20日から開幕する新シーズンへ意欲を示した。
「そう、フォルメッロで7年目だよ。これだけの年月が経ち、自分の家のように感じているよ。僕が初めてやって来てから、フォルメッロはいろいろ変わったよ。部屋も食堂もロッカールームもジムもすべてが変わった。いまはすべてが新しくなって素敵だよ」
「ラツィオが昨シーズンに2位だったことを忘れられているって? 確かに僕らは偉大なシーズンを送ることができた。今年はこれまでよりも良い準備ができているように思うよ。王者ナポリとの差はあと少しだ。僕らには小さな細部が足りないのだと思う。そこを改善するために、毎日、トレーニングに励んでいる」
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昨シーズンからラツィオでプレーするカザーレも、セリエA覇者との差について問われると、自身の見解を示した。
「ナポリとの差はどのくらいあるか? それは良い質問だね。僕はまず、昨シーズンまでの土台を踏み固めることが重要だと考える。チームがまとまっていれば、新選手にとってもやりやすいはずだ」
ヴェローナの下部組織出身のカザーレは、パオロ・ザネッティ率いるスドティロールやアレッシオ・ディオニージ率いるヴェネツィアなどでの武者修行を経て古巣に復帰。イゴール・トゥドール指揮下で1年間プレーした後、昨夏にラツィオへ加入した。
「ザネッティとディオニージはサッリと似ているが、トゥドール指揮下では、突然、真逆のことをやらなければならなかった。だが、あの経験は役立った。DFとして、マンマークをしなければならない場面があったり、守備ラインを保ったりしなければならないからね」
ラツィオでは安定したパフォーマンスを示し、イタリア代表への招集を期待する声も上がったが、ロベルト・マンチーニから声が掛かることはなかった。
「昨シーズンは、多くの人が僕の招集の可能性を話題にしていたが、呼ばれなかったからと言って、悪く思っていない。昨シーズンは上位のチームでプレーする初めてのシーズンだったし、1つずつステップを踏んでいくのが良い。まずは自分の実力を示して認められるようにならなければならない。僕の目標はラツィオで良いパフォーマンスを見せることだ。そうすれば、結果はついてくる」
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ミリンコヴィッチのサウジ移籍と鎌田ら新戦力
続いて話題は今夏の移籍市場に。セルビア代表MFセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチが、選手として脂ののった28歳にしてサウジアラビアのアル・ヒラル移籍を決断し、注目を集めた。セルビア生まれのマルシッチが元同僚の近況を明かした。
「彼とは移籍前だけでなく、サウジアラビアに行ってからも連絡を取っている。彼は長年、ラツィオでプレーし、すべてを出し切ったため、変化を求めていたんだ。サウジアラビアへ行きは彼の選択だ。彼は幸せにしているよ」
「移籍してからツアーに参加してプレーを続けていて、『まだ家が見つかっていない』とか、そういった話を聞いている。だが『いまのところ、すべて順調だ』と言っているよ。クラブは組織として素晴らしいようだし、居心地よく感じているようだ。『満足している』ってね」
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今夏、そんなミリンコヴィッチの後釜として、日本代表MF鎌田大地がラツィオに加わった。カザーレは、合流直後から元フランクフルトMFの実力を直感し、「好きな選手」であることを明かした。
「彼は新選手の中で、よりベテランの選手だが、今後に注目していきたい。みんなは、ミリンコヴィッチの代役を務めるのが難しいことだと考えているようだが、すでに僕は、昨日の練習を半分くらい見ただけで、彼が重要なインサイドハーフの選手であることがわかったよ。チームメートをカバーしてくれるし、可能な時はすぐに攻撃に上がってプレーし、戦術眼がある。僕は好きな選手だよ」
一方、マルシッチは、24歳のFWバレンティン・カステジャーノスに好印象を抱いている。「僕は彼のことが大好きだよ。アウロンツォへ初めてやって来た時、感じが良かったし、すぐにチームに溶け込んだ。彼は今シーズン、違いを作り出してくれるはずだ。強い選手だよ」と期待を寄せた。
続いてカザーレも、アルゼンチン人FWに対する印象を明かした。
「アルゼンチン人だから少しクレイジーな部分があるのかと思っていたが、素晴らしい青年だよ。もしかしたら、これから本性を明かすのかもしれないけどね。非常に礼儀正しく、勤勉だし、彼のヘディングはものすごくて、印象に残ったよ。昨シーズンの彼のゴールを見たが、素晴らしい補強だと思う」
昨シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(UEL)で対戦したミッティランから加入したU-21デンマーク代表FWグスタフ・イサクセンも、期待の新戦力と言える。マルシッチは2度の対戦で合計2得点を奪った若き逸材に言及。「僕らと対戦した2試合で素晴らしいパフォーマンスを見せた。左利きの選手でフェイントも上手く、違いを作り出してくれるはずだ」と述べた。
またカザーレもUELグループステージでの対戦を振り返り、セリエAでの活躍に太鼓判を押した。
「イサクセンは昨シーズン、得点を奪って僕らを翻弄させた選手だね。彼がチームメートになって幸いだ。若いがものすごいクオリティを持っている選手だよ。大げさなことを言うつもりはないが、彼はセリエAで最強のウィンガーになるかもしれない」
Alex Grimm/Getty Images
放送・配信予定
- レッチェ vs ラツィオ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年8月21日(月)日本時間3:45
- 解説:林陵平 実況:八塚浩
- 会場:スタディオ・コムナーレ・ヴィア・デル・マーレ
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