徳島ヴォルティス 対 レノファ山口 の見どころ
絶対に負けることが許されない、残留争い直接対決である。勝点30で降格圏の21位に沈む徳島ヴォルティスと勝点32で残留圏ぎりぎりの20位に留まるレノファ山口が激突する。勝てば自分たちが勝点3を手に入れられ、相手に勝点3を渡さない、まさに6ポイントマッチとなる。戦術やスタイルも大事だが、この大一番で最も問われるのメンタリティーであり、勝利への執念。白熱必至の90分が幕を開ける。
ホームで迎え撃つ側の徳島は、現在10試合勝ちなし。リーグ最多タイの15分けが示すようにこの10試合も7分3敗とドローの数が大きく上回る。負けはしないが勝ち切れない試合が続いている。
特にこの2試合は結果としては同じ勝点1も、結末としては対照的なモノとなった。前々節・ジェフユナイテッド千葉戦は、森海渡の2ゴールと棚橋尭士のゴールで85分まで2点のリードを保っていたが、終盤に立て続けに失点。GKホセ・アウレリオ・スアレスのミスも絡み、土壇場で勝点2を落とす痛恨のドロー決着を招いてしまった。
その一方、前節・栃木SC戦は1-1で迎えた89分に勝ち越しゴールを奪われる展開を強いられたが、90＋1分に森海渡が起死回生の同点ゴール。1週間前とは真逆で、土壇場で勝点1を手繰り寄せた。
この“勝点2”を意味あるモノにするためには、この直接対決で勝つことが何より。勝てば残留圏に浮上でき、他会場の結果次第では一気に順位を上げられる可能性もあるだけに、内容はともあれ勝利が求められる。
現在、第20節・栃木戦以来、2カ月以上勝利から遠ざかっているが、その中でも1人気を吐いているのがエースの森海渡だ。背番号9の若き点取り屋によい状態でボールを集め、先手を奪うゲーム運びから、3ポイントをつかみたい。
アウェイに乗り込む側となる山口も、ここ5試合は勝ちがなく順位も一気に下降。完全に残留争いに巻き込まれてしまった。
6月にファン・エスナイデル監督が就任し、第21節から第26節まで3勝3分けと無敗を記録し全試合で無失点に抑えていた時期もあったが、ここ4試合は1分3敗と負けが込み、すべての試合で失点してしまっている状況だ。
かつて率いていた千葉でも見せていたようにエスナイデル監督が率いるチームの哲学はハイプレスにある。いかに前線からアグレッシブにプレスを掛けに行き、相手をのみ込めるかがポイントになるだろう。ポゼッションスタイルの徳島は相性としてはハマるはず。加入後3試合連続でピッチに立ち、ここ2試合は先発しているFWシルビオ・ジュニオールを起点に前線から襲いかかりたい。
他会場のカード
8月19日（土）
18:00 いわきFC vs 東京ヴェルディ（J2）
いわきは前節の引き分けで3戦勝ちなし。PK失敗など好機で決めきれない課題は残ったが、FW谷村海那のWB起用をはじめ新たな表情を見せた。今節はリーグ最少失点を誇る相手の堅守をこじ開けられるか注目だ。対する東京Vは引き分け目前の90+4分にFW佐川洸介が値千金の決勝弾を挙げ、劇的な勝利。直近10戦で9勝1分と圧倒的な勝率を誇るアウェイゲームで再び勝点3を持ち帰りたい。
18:00 水戸ホーリーホック vs ブラウブリッツ秋田（J2）
3試合スコアレスドローが続いていた15位の水戸だが、前節は2点差を追いつかれ3-3での痛み分け。勝てば順位をひっくり返すことができる一戦では、前節待望の加入後初ゴールを決めたMF永長鷹虎に注目だ。13位の秋田は2試合連続で終了間際に均衡を破られての敗戦。水戸との前回対戦でも90+2分に同点ゴールを浴びただけに、難関となっている試合終盤を耐えしのげるかがポイントとなりそうだ。
18:00 ヴァンフォーレ甲府 vs ジュビロ磐田（J2）
7位・甲府の前節は急遽出場となったGK山内康太の活躍が光り、連敗を「2」で止めるドロー。今週はMF中村亮太朗、DF松田陸ら、J1クラブからの移籍加入選手が発表され、悪い流れをホームで打破したいところだ。対する2位の磐田は首位のFC町田ゼルビアに屈して12試合ぶりの敗戦。勝利で自動昇格圏内を死守したい今節は、2020年、21年にこのスタジアムでゴールを挙げているMF松本昌也に期待がかかる。
18:00 清水エスパルス vs FC町田ゼルビア（J2）
3位・清水と首位・町田が激突する今節の注目カードだ。3戦連続のウノゼロ勝利と安定した守備が光る清水は、2位に勝点2差と接近。一方の町田はFW藤尾翔太の活躍でジュビロ磐田との天王山を制し、独走の気配をさらに強めている。5月に行われた前回対戦では90+6分、DFチャン・ミンギュの劇的な決勝ゴールで町田が勝利。雪辱を強く誓った秋葉忠宏監督のもと、ホームチームは首位撃破を果たせるか。
19:00 ベガルタ仙台 vs 大宮アルディージャ（J2）
2連敗の16位・仙台は連続未勝利が11試合に。降格圏との勝点差が「3」に縮まり、今節は白星が求められる試合。DFキム・テヒョンとDF真瀬拓海が出場停止の中で意地を見せられるか注目だ。22位・大宮の前節は、敗色濃厚の90+5分にFW室井彗佑が起死回生の同点ゴールをゲット。この勝点1を生かすためにも、7ポイント差で先行する相手との残留争い直接対決は絶対に落とせない。
19:00 モンテディオ山形 vs ロアッソ熊本（J2）
4連勝の9位・山形は昇格プレーオフ圏との差が「3」に。過去2試合に続き、前節も終盤にMF小西雄大のFKで接戦をモノにした。勝負強さが際立つ中、今節はMF國分伸太郎の出場停止をいかにカバーするかが鍵となりそうだ。対照的に熊本は9戦勝ちなしで、14位ながらも残留争いに巻き込まれつつある状況。リーグ戦では久しく勝利がないホームでの次節に勢いをつなげるためにも、勝点3を持ち帰りたい。
19:00 ジェフユナイテッド千葉 vs 藤枝MYFC（J2）
5戦負けなしと好調だった千葉だが、前節は0-1で敗戦。ただ内容はFKでの一発に泣いた形だっただけに、3連勝中のホームに戻る今節は切り替えたいところ。出場停止明けのMF髙橋壱晟、MF田口泰士にかかる期待も大きい。一方の藤枝は、千葉の下部組織で育ったMF榎本啓吾に注目。内容は悪くないながらも“あと一歩”の試合が続く中、持ち前の突破からチームに勢いをもたらすことができるか。
19:00 ファジアーノ岡山 vs 大分トリニータ（J2）
岡山は前節終了間際に追いつかれる手痛いドローを喫し、プレーオフ圏との差は8ポイントのまま縮まらず。MF佐野航大をオランダへ送り出して迎える今節は、前節復帰戦で早速ゴールを決めたFWチアゴ・アウベスに期待がかかる。ホームで4連敗中だった大分は、DFペレイラ、MF町田也真人らの復帰戦を勝利で飾り5位に浮上。FW鮎川峻に加入後初得点が生まれたことも勢いを与えるはずだ。
19:00 V・ファーレン長崎 vs 栃木SC（J2）
長崎は前節2点差を追いついた一方で、下位チーム相手に2試合連続のドロー。今節の栃木、次節の大宮アルディージャと残留争いに身を置く相手との対戦が続く中、勝ち切れるかチームの真価が問われている。対する栃木は終盤の失点で追いつかれて勝点1にとどまった。FW陣は前節、根本凌と大島康樹が得点。デビューが待たれるFWレアンドロ・ペレイラらを含め、時崎悠監督はどの組み合わせで臨むのか。
8月20日（日）
19:00 ザスパクサツ群馬 vs ツエーゲン金沢（J2）
ベガルタ仙台に2-0で勝利した8位の群馬は、10戦負けなしでプレーオフ圏と勝点で並んだ。堅守が好調の要因となっている中、7月以降は前半の失点がゼロ。今節も良い試合の入りから3連勝を狙う。対する金沢はFW豊田陽平の得点で先制したものの、2点目を奪えずに勝点1止まり。2016年から5勝5分と負けていない群馬戦で勝点3を積み上げられるか。古巣の本拠地での一戦を迎えるMF加藤潤也にも注目だ。
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