ラ・リーガ第2節のバルセロナ対ガティスの先制点の場面では、MFペドリがドリブルでペナルティエリア付近まで持ち運び、今季からバルセロナに加入したMFイルカイ・ギュンドアンに一度ボールを預けた後に、斜めの動きでラインブレーク。そこからペナルティエリア内でリターンパスを受けたペドリがワンタッチで相手GKの股間を通すゴールが生まれた。
この一連のシーンをなでしこジャパンの選手たちは、各ポジションからどんな景色が見え、どんな対応策を考えているのか。それぞれの視点で語った。
まずワールドカップでは2ゴールをマークしたFW田中美南は、ペドリがドリブルしてきた時に自分がフォワードならどんなことを考えるのか。
「まずどこで自分が貰えるか、どのタイミングで貰えそうかというのを考える。ドリブルしている人のタッチや目線で貰えそうなタイミングを探りますけど、貰えないと思った時は(最終ラインの背後に)抜けて次の人が使うスペースを空ける」。
このシーンでもバルセロナのFWレヴァンドフスキが足下でボールを受けようとしたタイミングで相手DFが少し釣り出され、その空いたスペースにペドリが入れ替わる形で斜めに走り込んだことによってゴールが生まれた。
では、この現象をDFとしてはどう対応すべきなのか。センターバックを本職とするDF高橋はなは、この状況下でのマークの受け渡しの難しさをこう語る。
「(守り方として)チームのやり方があるからそれを自分から乱すわけにはいかない。そこが難しい。(ドリブルしてきた選手に)自分が前に出ることによって守備に段差が生まれて背後のスペースを開けてしまうところもある」。
ディフェンダーとしては、マークを優先すべきか、スペースを守るべきか。まさにこのシーンはその狭間に立たされる対応が難しい場面となる。
そんな状況で高橋は、「なるべく(マークする)相手選手を触れる位置にはいるようにしている。そうすれば距離感がわかるので、手をうまく使うようにしている」と独自の対策法を明かした。
このゴールは中央の狭いスペースをバルセロナの華麗なパスワークで打開し、ゴールが生まれたが、サイドを主戦場としてきた選手だからこそ気づく点もあるようだ。
現役時代はサイドバックを務めてきた内田氏と同じサイドを本職とするDF守屋都弥は、サイドに張るバルセロナの選手の立ち位置に着目し、こう解説を続けた。
「サイドの選手がもう少し内側にいれば、(最終ラインの)選手間の幅も狭くできる。ただしっかりと幅をとっていることで(サイドバックは)開かざる得ない。それによってスペースが中央に増えるので、それによって攻撃側に優位性が増える」。
この解説を聞いた内田氏は、「すごいサッカー番組っぽい。めっちゃいいじゃん」と絶賛。今週末から2023-24シーズンのWEリーグカップが開幕するが、鋭い着眼点での解説を披露したなでしこジャパンの選手たちが今季、どんな活躍を見せてくれるか。それぞれの活躍に注目したい。
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