今年のミランは面白い
今夏、ズラタン・イブラヒモヴィッチやサンドロ・トナーリ、ブラヒム・ディアスらが退団し、大型補強を敢行してチームの大改革を行ったミラン。ステファノ・ピオリのチームは、2-0と勝利を収めたボローニャとのセリエA開幕戦に続いて、トリノとのホームでの初戦は4-1の大勝利に終わった。
そんなミランについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」の番組内で議論した。まずはサンシーロに足を運んだダヴィデ・ベルナルディ記者が見解を示し、右ウィングで躍動した新戦力のクリスティアン・プリシッチを称えた。
「今年のミランは昨シーズンよりも面白いって? その通りの印象だった。ミランは昨シーズンよりも、相手にとって脅威が増したと言えるだろう。正直、プリシッチには驚いた! プリシッチのクオリティはわかっていたが、90分間を通してパフォーマンスの継続性を示していたことに驚かされた」
「シーズン開幕前は、攻撃陣に関して(オリヴィエ)ジルーと(ラファエウ)レオンの2人が軸となっていたが、その議論はもはや通用しない。現在のミランの攻撃陣は、正真正銘のトリデンテとなったと言えるだろう。そして試合途中から(サムエル)チュクウェゼも入った。今シーズンのミランは、選手層がより厚くなったと感じる。まさにその印象を受けた」
(C)Getty images
続いてステファノ・ボルギ記者が自身の考えを明かした。
「ミランの躍動は、多くの選手の貢献によるものだ。開幕節では(タイアニ)ラインデルスが中盤の王子として君臨した一方、(ルーベン)ロフタス=チークはやや仕上がりが遅れているように見えた。しかし第2節のロフタス=チークは、フィジカル面で圧倒していた」
「それから昨日の試合を見て思ったことは、この新生ミランはプレーを楽しむ余裕があるように見える。トリノとの対戦は、常に1対1の対決を挑まれ、退屈になりがちだ。しかしミランは、ピオリが動き過ぎたと言うほど、かなり動いていた」
「そして解決策を模索し続け、答えを出した。ミランを外側から包み込んでいる熱狂は、チームの内側にもあるように思う。もし選手たちがこのようなカルチョをすることに満足しているのであれば、きっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずだ」
成績低迷でもラツィオにはクオリティがある
日本代表MF鎌田が所属するラツィオは、ホームで昇格組のジェノアに0-1で敗れ、開幕から2連敗を喫した。元インテル指揮官のストラマッチョーニ氏が、前半のイタリア代表FWマテオ・レテギのセリエA初ゴールにより屈したマウリツィオ・サッリのチームに見解を示した。
「後半自体は、ラツィオらしいプレーが見えたように思う。ゴールには届かなかったが、相手GKの好セーブがあり、(チーロ)インモービレのクロスバーを叩くシュートがあり、チャンスをいくつか作り出していた」
「とはいえ、ホームでの敗戦は重たいものだ。残念ながら前節の敗戦もあり、その重みは倍増してしまう。しかも次節では、想定できる中で最悪の対戦相手と言える昨シーズンの覇者ナポリと対戦しなければならない」
「それでも私は、ラツィオにクオリティがあると思っている。結局のところ、チームは(2位の成績を収めた)昨シーズンと比較してほとんど変わっていない。確かに重要なメンバーがチームを去ったかもしれないが、このラツィオには、ラツィオらしいプレーを見せられるだけのクオリティがあると思っている」
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伊解説陣が考えるラツィオに必要な補強
続いて『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、今夏の移籍期間終了日が迫る中、サッリのチームに必要と思われる補強を提案した。ストラマッチョーニ氏は、サッスオーロのドメニコ・ベラルディを推す。
「ラツィオは、トリデンテに(チーロ)インモービレ、(マッティア)ザッカーニに続く3人目となるイタリア人FWを獲得できたら、ビッグディールになるはずだ。ベラルディは利き足が左であることに加えて、偉大なパーソナリティを持つ選手だ。PKの獲得やドリブルなどで試合をこじ開けることもできる。今夜のような状況においても打開策が見つけられる選手だ」
さらに元インテル指揮官は、クルブ・ブルッヘの18歳FWアントニオ・ヌサの名前を挙げた。
「ベラルディと似た特徴を持ち、私が大好きな選手だ。まだ18歳で、極めて素晴らしい将来が待っているはずだ。しかもパワーがあり、相手をかわせるし、走れる。サッリが好むタイプの前線の選手と言える。ただ、まだ18歳ながらも高いレベルで主役を演じているので、移籍金はかなり高額になるだろう」
一方、ベルナルディ記者は、アーセナルの30歳MFトーマス・パーティを選択した。
「(セルゲイ)ミリンコヴィッチ=サヴィッチの退団によりチームに欠けているフィジカルをもたらすことができるはずだ。彼は現在、サイドバックでプレーしているかもしれないが、彼の戦術理解力ならインサイドハーフもこなせるだろう」
最後にステファノ・ボルギ記者は、元フランス代表リリアン・テュラム氏の息子でニースに所属するMFケフラン・テュラムを勧める。
「私が大好きなのはケフラン・テュラムだ。インパクトのある選手だ。ボール奪取能力があり、インターセプトができる。いったんボールを奪えば、攻撃につなげることができる。ラツィオの中盤の左でプレーすれば、ルイス・アルベルトと完璧に機能するはずだ。相手にプレッシャーをかけてボールを奪取できるからね」
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