先月のロベルト・マンチーニの電撃辞任を受け、今月初めから元ナポリ指揮官のルチアーノ・スパレッティが指揮を執る新生イタリア。その初陣となったUEFA EURO2024予選グループC第5節では、因縁の北マケドニアを相手に1-1のドローに終わり、前回大会覇者のEURO出場へ暗雲が漂った。
守護神のジャンルイジ・ドンナルンマに対する懐疑論も広がる中、アッズーリは、日本時間13日の第6節でグループ2位のウクライナとスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァで対戦すると、スパレッティが先発に抜てきしたダヴィデ・フラッテージのドッピエッタ(1試合2得点)により2-1と勝利した。さらなる混迷も懸念されたイタリアをわずかな時間で立て直した指揮官には、賛辞が贈られている。
悪夢の初陣から3日で再建
『DAZN(ダゾーン)イタリア』の番組に解説者としても出演するイタリア紙『Gazzetta dello Sport』のアンドレア・ディ・カーロ副編集長が同紙のコラムで見解を示した。ディ・カーロ記者は「ようやくスパレッティらしさが見えた。みんなを楽しませることができるイタリアが戻ってきた」との見出しをつけ、手放しで絶賛している。
「代表チームに戦術やアイディア、アイデンティティを浸透させるにはかなりの時間が必要になるなどと誰が言ったのだろうか? スパレッティ監督は、北マケドニアでの精彩を欠いたデビュー戦から3日後の2戦目で、明確で勇気ある重要な選択をしてメンバーを入れ替え、イタリアを変えた」と分析。「1点を返された後もしり込みせず、守りに回ることなく、ゴールを追い求め、インテンシティと気迫、攻撃的なメンタリティを見せた」と称えた。
続けてイタリア紙の記者は、「ほっと一息できるのは、勝ってウクライナや北マケドニアにポイントで並び、2位通過でのEURO出場が見えてきたためだけではない。それよりも『ほら、これがイタリアだ』と言えるためでもある」と指摘。「いろんな勝ち方があったうえ、現状を踏まえれば、どんな形でも良かった。しかしイタリアは最も説得力のある勝ち方を見せた」とアッズーリの中身のある勝利を喜んだ。
さらに「特に最初の30分間は、素晴らしいリズムとインテンシティで、攻撃的でアグレッシブで、積極的で気持ちのこもった勇気あるカルチョだった」とも評価している。
指揮官のスパレッティについては「すぐにうまく機能していなかった点を変えた功績がある」とし、「(ブライアン)クリスタンテや(チーロ)インモービレらのような確かなアッズーリの古参メンバーを頼った」北マケドニア戦から「4-3-3を維持しつつ、これまで出場機会が少なかった(ジャコモ)ラスパドーリやフラッテージを布陣に並べて魂を変えた」点を称えた。
Getty
フオリクラッセはいないが…
ディ・カーロ記者は、ウクライナ戦が「若く輝かしいイタリアへ近づくための重要な一歩となった」と強調。「フェノーメノ(怪物)がいなくても、これから成長し、みんなを楽しませることができる。この試合で多くの確信を得ることができた」と指摘した。
最後に、先月中旬にイタリア代表監督の座を辞任したマンチーニに言及しつつ、「マンチーニの裏切りの別れにより、疑念やカオスの中でもがいていたが、すでに現在、“スパレッティの若きイタリア”について語れるようになった」と主張。「新たなページがめくられ、新たなサイクルが始まろうとしている。絶対的なフオリクラッセ(規格外の選手)はいないが、意欲と熱意、我々を楽しませることができる指揮官がいる」と綴り、今後に期待を寄せた。
ハイライト
関連記事
● 新生イタリアに北マケドニアの悪夢が再来…EURO出場へ黄信号でGKドンナルンマに厳しい批判もOBは擁護「彼は代表の宝」
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。