アビスパ福岡は、リーグ戦では第26節終了時点で8位をつけており、JリーグYBCルヴァンカップと天皇杯の2つのカップ戦ではベスト4に進出。今月12日には、長谷部茂利監督との契約更新を早々に発表し、来季も続投することが決まり、順調なシーズンを送ることができている。
ここまで[4-4-2]をメインに採用してきているが、リーグ5連勝が途切れた第24節のアルビレックス新潟戦(0●1)、第25節の京都サンガF.C.戦(0●2)での連敗を機に、長谷部監督は公式戦では15試合ぶりに[3-4-2-1]の布陣を選択。その最初のゲームとなった天皇杯準々決勝で湘南ベルマーレを下してクラブ初の天皇杯4強へ駒を進めると、その後のリーグ戦とカップ戦でのFC東京との3連戦でも3バックを継続。4戦で3勝をマークしているシステム変更後に見られる福岡の変化を解説陣が解説した。
林氏が3バックでも4バックでも「中を締めて外に出させて、そこからチーム全体として(陣形を)圧縮して(相手を)捕まえにいくところは変わらない」と指摘する守備時のプレー原則は徹底していることで、システム変更後も「選手たちがすんなりとやれている」と強調する。
ただ、[3-4-2-1]は、配置上はダブルボランチの脇にスペースが生じやすいため、守備時に2シャドーを中盤ラインまで下げた[5-4-1]の陣形になることが多い。だが、福岡の場合は、2シャドーを前線の高い位置に残したまま、[5-2-3]の陣形で守備する特長があると指摘する。
では、なぜそういった陣形で守備ができるのか。林氏がポイントを解説した。
まず一つ目のポイントに挙げたのは、”WBの縦スライドとCBの横スライド”だ。システム変更後、初めて[3-4-2-1]の布陣で臨んだJ1第26節・FC東京戦(2○1)の映像を使い、好シーンを解説する。その中でサイドへボールを誘導した後に、「ウイングバック、センターバックのスライドがすごく連動している」と指摘。[4-2-3-1]を採用するFC東京に対し、福岡は対峙するSBに、WBが縦方向にマークをずらし、その動きのタイミングに合わせてCBが横にズレて、最初の立ち位置でWBが捕まえていた相手のSHを連動して捕まえるによって、チームとしての連動した守備が築かれている。
また次にポイントとして挙げたのが、主将のMF前寛之と井手口陽介で構成されるダブルボランチの運動量だ。「(ビルドアップに関わる相手の)ボランチをしっかりと捕まえにいけている。これを捕まえられないと、前を向かれて展開されてしまう。ここをしっかりと捕まえにいけていることで(チームとしての守備が)ハマりやすくなっている」と解説した。
そうは言っても、全局面で[5-3-2]の陣形で守備できるわけではなく、状況に応じてWBとCBをスライドさせず、シャドーの選手が戻すことで、[5-4-1]の陣形で守備するケースがあることも補足する。そういった状況に応じた最適解の守備をチームとして徹底できている福岡は、「長谷部監督の守備原則の作り方だったり、『ここら辺まで来たら、捕まえにいこうよ』というのが徹底されているので、選手たちは理解してプレーできている」とその凄さを解説している。
今週末は、名古屋グランパスとホームで対戦するが、相手も同じ3バックを採用しているチームだ。林氏がポイントに挙げた「ミラーゲーム」を制し、再びリーグ戦でも連勝街道を踏み出せるか注目だ。
関連記事
● 【プレビュー】勝ち切れない両者が狙う勝点3。横浜F・マリノス対サガン鳥栖の見どころ | 日程・放送・配信予定 | Jリーグ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?