今季、レアル・ソシエダでの2シーズン目に入った日本代表のMF久保建英は、スペインのラ・リーガで圧倒的な存在感を放っている。開幕戦のジローナ戦でいきなりシーズン初得点をマークすると、そこからコンスタントにゴールやアシストといった結果を残し、開幕6試合で4ゴール1アシストをマーク。昨季限りで現役を引退した元チームメイトのダビド・シルバに代わる新たな絶対的な存在として急成長を遂げている。
2019年、FC東京からレアル・マドリードへの移籍を決め、幼少期を過ごしたスペインでの挑戦を志した久保。ラ・リーガでの初年度は、レアル・マドリードではなく、マジョルカへ期限付き移籍し、35試合に出場し、4得点5アシストを記録。初年度は上々のスペインデビューを飾ったものの、その後3年間はビジャ・レアルやヘタフェ、マジョルカへ復帰したものの、「その3年間、特に最後の1年は思っていたようにはいっていなくて、ちゃんと将来を決めないといけないと思っていた」と思うような活躍を残せずにいた。
そんな中、2021-2022シーズン終了後のオフ、久保にレアル・ソシエダからのオファーが届いた。「確か日本にいた時に電話が来ました。マジョルカでのシーズンが終わって、日本での休み中でした。ラ・レアル(レアル・ソシエダ)からのオファーがあるという話で、その時はおぉ!と。でも日本にいる間は考えさせてくれと伝えました。スペインに戻ってから再度オファーされたので、マドリードにいた会長のところへ話に行って、ラ・レアル移籍を決めました」。
レアル・ソシエダでスペインでの4シーズン目を迎えた昨季は、開幕戦でいきなりゴールを決め、新天地で結果を残すと、35試合に出場し、キャリアハイとなる9ゴール7アシストを記録し、チームの10シーズンぶりとなるUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得にも大きく貢献。遂にスペインでその才能を開花させるシーズンとなった。
なぜ、久保はレアル・ソシエダでここまでの急成長を遂げられたのか。その要因として久保は、2018年からレアル・ソシエダを率いるイマノル・アルグアシル監督の存在が大きいと語っている。
「監督は火をつけてくれます。調子が良い時は緩めてしまいがちですが、監督は10点満点のゲームをしたとしても映像を見ながら叱ってきます」。
イマノル・アルグアシル監督は、これまでも当時期限付き移籍を繰り返していた現アーセナルに所属するMFマルティン・ウーデゴールや現ニューカッスルのFWアレクサンデル・イサクなど、若い才能を開花させてきた手腕がある。そういった指揮官の下で、久保もまた多くのことを求められてきた。
「もっとやれ、もっと目立て、試合でベストな選手になれとか、いつも怒られますが、それは良いことです。監督から何も言われないのは期待されていないということですし、毎週末の主役になれ、そのために戦えと言われています。個人的にもチーム的にも監督は要求が多いですが、それこそが成功の秘訣ですね」。
常に高いレベルでのプレーを要求する指揮官の下、久保もその要求に応えていくことでパフォーマンスを向上させてきた。そして幼い頃から夢見たラ・リーガを舞台に、世界トップレベルの選手にまで飛躍を遂げ始めている今季、ここからどんな活躍を見せてくれるか。今週末行われるラ・リーガ第8節、ビルバオとの”バスクダービー”での活躍に注目が集まる。
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