【プレビュー】J1復帰をかけた運命の”静岡ダービー”。清水エスパルス対ジュビロ磐田の見どころ ｜ 日程・放送・配信予定 ｜ Jリーグ

清水エスパルス 対 ジュビロ磐田 の見どころ

かつてはJ1の頂点を決める状況でしのぎを削り合った時もあれば、昨季のようにJ2降格という瀬戸際に追い込まれている状況でぶつかる時もあった。それでもいつ、どんな時でもオレンジとサックスブルーのプライドがぶつかり合い、最高に熱いバトルを繰り広げてきたのが”静岡ダービー”だ。

ただ両者の勝ち点差はわずか「1」。さらにJ2リーグがラスト5試合となったタイミングで、自動昇格圏の座を争い合っている状況で迎える今回の”静岡ダービー”は、お互いのプライド以上に、J1昇格という大きなものを懸けた大一番でもある。これまで以上に押し寄せる結果への圧力がどのようにダービーを彩るか。そのプレッシャーに打ち勝ったチームこそが、J1昇格に相応しいと言えるだろう。

そんな”決戦”となるダービーを前に両者のチーム状況は対照的だ。

清水は、藤枝MYFCとの”静岡三国決戦”に臨んだが、結果は0-2で完敗。コンパクトかつ組織的な守備ブロックを構えてきた藤枝を前に、ゴールをこじ開けられず、ミスが絡んだところから2失点。リーグ戦では15試合ぶりの黒星を喫した。

清水の良いところよりも悪いところが目立ってしまった前節のゲーム内容を踏まえれば、秋葉忠宏監督がここでもう一度、ネジを締め直してくることは容易に想像できる。第17節でFC町田ゼルビアに敗れた後も、第21節でブラウブリッツ秋田に敗れた後も、その後のゲームでは、決まってアグレッシブな姿を取り戻し、ホームで白星を飾ってきたという経験値がある。そういったリバウンドメンタリティーを持って、前節逃した勝ち点3を貪欲に掴みにくるだろう。

そのためにはやはり、この男が輝けるかどうかに懸かっているといっても過言ではない。変幻自在なポジショニングで頻繁にボールに関与し、攻撃の舵取り役を担っているMF乾貴士は、ここまで8得点7アシストの活躍で言わずともチームの絶対的な存在として引っ張ってきた。今季、ゴールを決めた試合では全勝をキープしている背番号33には個で決定的な違いをもたらすことが期待される。

一方の磐田は、2試合勝利から遠ざかり、その間に清水に一時は逆転を許したが、V・ファーレン長崎をホームに迎えた前節は、前半にMF山田大記のゴールでリードを奪うと、その後はチームとして最後までバランスを崩さず、無失点での逃げ切りに成功。リーグ戦では3試合ぶりに勝利を飾り、再び2位へと浮上している。

また前節は、ゲーム内容としても時間帯に応じてハイプレスとミドルブロックを使い分け、最後まで無失点で抑えることができた点は指揮官が最も評価しているポイントでもある。もちろんシーズン通じて積み上げてきた球際や切り替えといった局面での個人のバトルでも負けないことを目指すが、その上で組織としての練度でも上回ってダービーを制することができれば、今後に向けても大きな自信を手にすることができる。

その上でカギを握るのは、この終盤に怪我から復帰してきた山田だ。先発に戻ってきた直近2試合は、チームとしてのパフォーマンスを引き上げる存在感を放ち、個人としても前節は、第22節・熊本戦以来のゴールが生まれ、着実に調子を上げている。サックスブルーに歓喜をもたらすためには、この男の活躍が欠かせないものとなる。

お互いにとってJ1に戻るためには避けては通れない相手だ。J1復帰への決戦となる”静岡ダービー”は8日、14時に幕を開ける。

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