今節は自動昇格争いに大きな動きがあった。
大きな注目を集めたのは、勝ち点「1」差で自動昇格圏を争っている清水と磐田による”静岡ダービー”だ。
試合は磐田がコンパクトな守備からカウンターを狙えば、清水は複数の選手が絡みながら攻撃を展開。互いに持ち味を発揮しながら敵陣に侵入していく。チャンスがありながらも決め切れない一進一退の攻防が続いた中、試合が動いたのは41分。清水はロングボールを跳ね返したところからチアゴ・サンタナにボールが入ると、リカルド・グラッサのクリアボールを拾った乾貴士がワンタッチでシュート。これが相手DFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。
リードを許した磐田は、後半開始からMF古川陽介を投入するなど、戦い方を変更してボールを握る展開へと持っていく。一方、清水は後半の途中から5バックへとシステムを変更。守り切りも頭に入れ、磐田の攻撃を跳ね返していった。
その結果、磐田は清水の堅固な守備を最後まで崩すことができず。前半に生まれた乾のゴールを逃げ切った清水が静岡ダービーを制し、磐田を抜いて自動昇格圏の2位に浮上した。
首位のFC町田ゼルビアはAFCチャンピオンズリーグに出場しているヴァンフォーレ甲府と対戦。先制点は甲府に生まれる。26分にセカンドボールを回収したところから長谷川元希のパスを受けた飯島陸が決め切り、敵地で先制に成功した。
ただ、ここからこの試合は打ち合いの様相となる。37分、41分のゴールで町田が前半のうちに逆転すると、後半に入って今度は甲府が82分、後半アディショナルタイムのゴールで再逆転するに至った。だが、試合はこれで終わらず、後半アディショナルタイム7分にゴール前の混戦から今度は町田が再び同点弾を奪って試合は終了。死闘となった一戦は3-3のドロー決着となった。
また、最下位に沈む大宮アルディージャと20位・レノファ山口FCによる残留争いの直接対決は、15分にFW室井彗佑のゴールで幸先良く大宮が先制。後半に入っても勢いが止まらない大宮は56分にアンジェロッティのゴールでリードを広げ、試合を優位に進めた。
試合終了間際の88分に山口は途中出場の矢島慎也のゴールで一点を返したが、反撃もそこまで。大宮は残留圏の山口との直接対決を制し、勝ち点「6」差に縮め、逆転残留に希望を残す勝利を飾っている。
そのほか、1点のリードを守り切って大分を下した東京Vは4試合ぶりの勝利で3位に浮上。藤枝MYFCをホームに迎えたV・ファーレン長崎は、出場停止明けのMF中村慶太のゴールを皮切りに大量5ゴールを奪って勝利し、プレーオフ圏内の6位へと浮上している。
■J2リーグ第38節 結果
大宮 2-1 山口
清水 1-0 磐田
東京V 1-0 大分
長崎 5-1 藤枝
山形 2-0 栃木
いわき 2-2 仙台
千葉 1-1 水戸
町田 3-3 甲府
金沢 0-2 秋田
群馬 0-0 岡山
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