時代の変遷にともない、サッカー界も多様な変化を遂げてきた。そんななか、近年の欧州サッカーでトレンドとなっている言葉がある。
マルチクラブ・オーナーシップ(MCO)──。一つの企業が複数のクラブを保有・運営し、経営管理の効率化、グローバル規模でのスポンサーシップ獲得、さらにマーケティング事業などを行う形態を指し、欧州サッカーで急速な広がりを見せている。
DAZNのオリジナル番組『FRONTIER OF SPORTS』では、全3回(#2~#4)にわたってMCOについて特集。#2では、前編と後編に分けてMCOの本質に迫った。
スタジオゲストの海外サッカー専門誌『footballista』編集長・浅野賀一氏は「欧州の移籍市場は、MCOを抜きにして語れなくなってきている」とコメント。前編では、浅野氏がMCOの歴史的な成り立ちから「3つの型」「移籍金」「日本サッカー」の3つのテーマに沿って解説した。
なかでも、MCOは「日本サッカー」に対する影響も大きい。好例としては、ユニオン・サン・ジロワーズ(ベルギー)からブライトンへと羽ばたいた日本代表FW三笘薫が挙げられる。ブライトンのオーナーであるトニー・ブルーム氏は、2018年にサン・ジロワーズを買収。海外挑戦に臨んだ三笘はまずサン・ジロワーズでプレーし、2クラブ目の移籍にしてプレミアリーグに辿り着いた。
一方、浅野氏はMCOの課題も指摘。同じオーナーが所有するクラブ同士が同一大会に参加するケースが増え、公平性などの観点からルールの見直しを含めた議論が行われていることを説明した。
また、後編では今夏の移籍市場でビッグスターを買い集めて大きな注目を集めたサウジアラビア勢についても言及。浅野氏は今後もMCO普及の流れが加速していくという見方を示し、「(ポルトガル代表FWクリスティアーノ・)ロナウドクラスの選手がACLで日本に来る可能性もある。Jリーグにとってポジティブ」と語った。
今後も勢いが加速すると見られているMCO。一方、ブンデスリーガのように海外の個人や企業がオーナーになれず、クラブの伝統や威光を重んじるリーグも存在する。日本サッカーは、どのように世界の潮流と向き合っていくべきなのだろうか。
FRONTIER OF SPORTS
- 配信: DAZN
- 配信日:不定期
- MC:槙野智章 アシスタント:小山愛理
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