明治安田生命J3リーグKONAMI 月間MVP。9月度の受賞者は、4試合4ゴールでチームの勝ち点奪取に貢献したFC大阪のMF木匠貴大が選ばれた。この1ヶ月のハイパフォーマンスの振り返りや自身のキャリア、クラブへの思いについて迫った。(取材日:10月10日)
「僕が点を取ればチームも勝てる」
(C)J.LEAGUE
ーー9月度の明治安田生命J3リーグKONAMI 月間MVPの受賞、おめでとうございます。
驚きもありましたけど、それ以上に嬉しい気持ちです。7月にも月間ベストゴール賞を頂きましたが、あの賞はゴールを評価してもらった賞だと思います。それが今回は9月全体のプレーを評価してもらい選出してもらえたので、さらに特別感があると感じています。
ーー9月は4試合すべでに先発し、3試合連続の4ゴールとインパクトを残しました。
月間ベストゴールに選んでもらえた(ガイナーレ)鳥取戦のゴールがJリーグ初得点で、そこからようやく9月に入って連続して取れるようになりました。志垣良監督からもFWとしての動き出しをずっと言われ続けていて、それをやり続けたことがこの結果につながったと思っています。
ーー確かに7月の初得点から2点目まで少し時間が空いてしまいました。
正直、初ゴールを取ってからはこのままイケるのではないかなという気持ちもあったんですけど、そうはいきませんでした。ただ、特別何かのきっかけがあったわけではなく、やり続けてきたことがパッと実り、松本山雅戦で2得点できたことがすごく自信になったと思います。
ーー今回の選出理由を見ると、思い切りやパワフルといったフレーズが目立ちました。そこは意識していたり、持ち味にしているのでしょうか?
得点を取れなかった時期は思い切りをあまり出せていなかったと感じています。それでも、スタメンで出させてもらうようになってからは、立ち上がりからどんどんシュートを打っていこうと意識していますし、チームメイトからも『どんどん足を振ったほうがいい』と言ってもらっています。その感覚でプレーするようになり結果が出始めたので、さらに思い切りの良さがプラスに作用してきたと感じています。
ーー一つひとつの積み重ねが、このタイミングで花開いたということでしょうか?
“これだ”というような絶対的なきっかけよりも、松本戦の前の奈良クラブ戦で後半のスタートから出たんですけど、その試合で1、2回チャンスを作れて自信になったことがちょっとしたきっかけにはなりました。松本戦はその感覚が残っていて、すごく得点を取れそうな感じがありました。結局はメンタルなのかもしれないですが、そういう心境で試合に挑めたのはよかったかもしれないですね。ここまで来たらFWとして2ケタゴールは取りたいですし、僕が点を取ればチームも勝てると思うので常にゴールは意識してやっていきたいです。
様々なことを経験してきたからこそ常に上を目指す
(C)J.LEAGUE
ーー京都産業大学を卒業後、FC大阪に加入して今季で8年目になります。愛着は強いですか?
いまのメンバーなら3番目か4番目くらいに在籍は長いですし、特別な思いはあります。昨季にJFLからJ3に昇格しましたけど、それまでも長い時間いろいろな経験をしてきました。今季はJ3で2位以内に入ったらJ2にも行ける。すごいなと思いますよ。僕は地元も大阪なので大阪人として頑張りたい思いは持っています。
ーーJ3の舞台を戦ってみての感想はどうでしょうか?
レベルはもちろん高いですし、環境やスタジアムの雰囲気、ファン・サポーターの数も全然違いますね。テレビで観ていたような選手と試合をすることもあるので、すごく刺激を受けながら毎試合挑めていると思います。
ーー木匠選手としても、ここまでのキャリアは苦労が多かったと思いますが、Jリーガーになったいま、どう振り返りますか?
最初の1年目、2年目はがっつり仕事をしながらプレーしていました。鉄工所やバッティングセンター、サッカースクールのコーチなどいろいろ働きましたね。当時のことをいまもパッと振り返ると、『もっともっと頑張らなあかんな』と思います。クラブとしても環境を整備してくれるようにすごく努力してくれて、それでJ3まで来れたので、この8年を振り返ると染みるときはあります。もうあそこには戻りたくないですし、ここで満足してはいけないと強く思っているので、常に上を目指しながらやっていきたいです。
ーーまさにクラブと一緒に這い上がって来たキャリアですね。
そうだと思います。試合に勝ったあと、クラブに関わってくれる人たちが喜んでくれている姿を見ると、いろいろと考えさせられますよね。
ーー今年で30歳。まだまだ老け込む年齢ではないですよね?
そうですね。やはりこのチームでJ2に上がりたい気持ちがいまは一番強いです。僕自身も、もっと上のカテゴリーでプレーしたい思いはもちろんあります。今季のJ3は拮抗していて最後まで本当に分からないので大事なのは勝ち続けていくことだと思います。FWとして僕が点を取り続け、勝たせることができたらJ2に上がるチャンスが出てくると思うので、『俺が上げる』くらいの気持ちで日々、やっていきたいです。
ーー大阪にはガンバ大阪、セレッソ大阪という偉大なクラブがあります。
両チームとも経験があり、サポーターも多いですが、ガンバさん、セレッソさんと張り合えるようなチームになっていきたいです。いつかダービーを戦いたいですね。もう30歳ですけど本当にここからだと思っています。できるところまでやりたいですし、若い選手には負けられないです。
ーー最後にファン・サポーターに向けてメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。僕たち選手もJ2を目指して毎日練習から頑張っているので、一緒にJ2昇格、J3優勝できるように応援よろしくお願いします。
文・インタビュー 須賀大輔
1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOでは柏レイソルと横浜FCの担当記者を経て、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。
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