2024年1月12日(金)に開幕するAFCアジアカップ2023。今大会はDAZNで配信されるとあって『内田篤人のFOOTBALL TIME』では、新企画「フラッシュバック2011」と題して過去大会を振り返った。
「人生を変えてくれた一発」(李忠成)と振り返ったのが2011年のアジアカップ決勝で日本を優勝に導いた決勝ゴールだ。
李忠成は前年のJ1終盤戦で12試合11ゴールを記録。ストライカーとして大きなインパクトを残したことでアジアカップに挑むザックジャパンに初選出されていた。そんな男にチャンスが訪れたのはグループステージ初戦のヨルダン戦だった。リードを許す展開となると、後半に反撃の一手として投入された。
だが、「点を取らなかったら終わり」と強い意識を持ってピッチに立った李忠成は、ゴール前でのチャンスを決めることができず。日本は引き分けスタートとなってしまった。その後、日本は難しい試合を何とか勝ち進むことになったが、最初のチャンスをものにできなかったストライカーに出番が回ってくることはなかった。
全く出番がなかった中でも途切れなかった意欲。そこを支えていたのはアルベルト・ザッケローニ監督の影響もあったと言う。
「彼は声をかけるよりもずっと目を見ている。それでわかるじゃないですか。やるしかないなという気持ちになりました。不貞腐れることは一切なかった。チャンスが与えられたら次で決めてやるというポジティブな気持ちしかなかった」
迎えた決勝戦。相手はティム・ケーヒルやハリー・キューウェルを擁するオーストラリア。スコアレスのまま延長戦に進むと、98分だった。李忠成に出番が回ってきた。そして109分、そこまでクロスに対してニアへのトライを意識高くしていた李忠成は、この時だけニアに行くフリをしてストップ。ファーでクロスを待ち構えた。
「時が止まるというのはこういうことなのかと。ボールの縫い目が見える形でボールを叩ける。そういう感覚になったのはあれが初めてですね。みんなから言われます。何でトラップしなかったのか。簡単だったから一番」
結果、長友佑都からのクロスを李忠成が左足のボレーで決め、日本は土壇場で先制点を奪取。このまま逃げ切りアジア制覇を成し遂げた。ゴール後は他の選手にもみくちゃにされたが本人は「ザックのもとに走りたかった」のだとか。それでも、出番がなかなか無かった男が最後に指揮官の期待に応える様はまさにドラマだった。
最後に次回のアジアカップに向け、「大会中に成長すること」、「ラッキーボーイが出ること」が優勝に必要なポイントと語った李忠成。来年開幕するアジアカップはどんなドラマが待っているだろうか。
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