前節、首位の町田がクラブ初の自動昇格を一番乗りで決め、もうひと枠の自動昇格争いに注目が集まった。
そんな中で自動昇格圏を死守したい2位清水エスパルスは、ホームで残留争いを強いられているロアッソ熊本と対戦した。立ち上がりから清水が攻勢を強め、押し込んでいく中で、26分にはMF中山克広の2試合連続ゴールで先制に成功。このまま清水が押し切るかに思われた。
だが、前半終了間際にCKからMF阿部海斗のゴールで追いつくと、56分にはGKが前に出てきたところを冷静に浮かしたMF平川怜の技ありゴールで逆転、そして67分にはMF伊東俊のゴラッソが決まって熊本が清水を撃破。清水にとっては痛恨の今季初の逆転負けとなった。
この結果を受けて、清水と勝ち点「3」差で並んでいる3位ジュビロ磐田と4位東京ヴェルディの直接対決を制したチームに、自動昇格圏浮上のチャンスが訪れ、より一層注目が集まった。上位対決らしく、お互いに強度の高いプレーを繰り広げ、試合は拮抗した展開で進んでいく。その中で試合が動いたのは51分。東京Vが相手にCKで押し込まれていたところからのロングカウンターを、最後はDF林尚輝がGKが弾いたこぼれ球を押し込んでリードに成功した。
開始早々にFWジャーメイン良が負傷するアクシデントにも見舞われ、リードも許した磐田は、失点後にMF古川陽介や藤川虎太朗といった攻撃的なカードを切り、69分にはMF上原力也の鮮やかな同点弾が決まって同点。こちらも昇格への意地を見せる。最後まで死力を尽くしてお互いにゴールに迫ったが、スコアは動かず、ドローで決着。お互いに清水との差を「1」に迫ったが、自動昇格へ浮上することはできなかった。
清水が敗れたことで試合前にJ2優勝が決まった首位のFC町田ゼルビアは、ツエーゲン金沢とホームで対戦。3分、右サイドからのクロスが相手の足に当たって、軌道が変わったボールをうまく合わせたMF平河悠のゴールが先制した町田が、このリードを逃げ切ってJ2制覇に花を添える勝利を飾っている。
すでに金沢の21位以下が決まっている残留争い。もうひと枠の降格圏に沈んでいるリーグ4連勝で怒涛のまくりを見せている21位の大宮アルディージャがホームにプレーオフ圏を争っているヴァンフォーレ甲府を迎えた。立ち上がりにFWクリスティアーノの強烈なシュートが大宮ゴールを襲ったが、これがバーに救われると、そこから大宮が攻勢を強め、決定機を作っていく。
だが、大宮がスコアを動かせずにいると、迎えた74分に試合が動く。FWピーター・ウタカが中央に戻したボールをFW鳥海芳樹がうまくヒールで合わせ、甲府がリードすると、その4分後にはCKの流れから左サイドのクロスをゴール前で合わせたMF中村亮太朗の追加点が生まれた。最後までリードを覆せなかった大宮は、連勝が「4」でストップした。
また残留争いは、12位の藤枝MYFCから17位の水戸ホーリーホックまでの残留が決定し、貴重な勝ち点1を積み上げたレノファ山口FCと栃木SC、さらに千葉ユナイテッドFCに敗れたいわきFCの勝ち点「44」で並ぶ3チームと、残留圏まで勝ち点「4」差となった大宮で、残留をかけて争うことになる。
またプレーオフ争いは、V・ファーレン長崎が敗れたことで、甲府がプレーオフ圏内に浮上。ただモンテディオ山形も同勝ち点でピタリと追走している。また、大分トリニータも劇的な勝利でプレーオフ争いに踏み止まり、ファジアーノ岡山、ザスパクサツ群馬にもまだ可能性は残されている。
この3つの熾烈な争いは、次節で決着の時を迎えるか、最終節までもつれることになるか。J2のラスト2試合からも目が離せない。
■J2リーグ第40節 結果
清水 1-3 熊本
仙台 1-1 山口
磐田 1-1 東京V
藤枝 1-0 水戸
長崎 1-2 徳島
大分 2-1 秋田
山形 2-1 群馬
大宮 0-2 甲府
千葉 1-0 いわき
町田 1-0 金沢
岡山 1-1 栃木
関連記事
● 【動画】槙野智章氏が神戸と鹿島の上位対決を「オフザボール解説」。勝利に貢献した佐々木大樹と前川黛也に直撃取材 | やべっちスタジアム
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?