昨シーズンにルチアーノ・スパレッティ指揮下で33年ぶり3度目となる悲願のスクデットを手にしたナポリ。だが、セリエA2連覇を目指し、ルディ・ガルシアの下で再出発したチームは成績不振に悩まされ、アウレリオ・デ・ラウレンティス会長はフランス人指揮官の解任へ踏み切った。
ナポリ会長はその後、後任として、2009年から2013年にかけてチームの指揮を執り、2012年にコッパ・イタリアのタイトルをもたらしたヴァルテル・マッザーリの10年ぶりとなる指揮官復帰を実現させた。
新指揮官の初陣となったアタランタ戦で2-1と勝利を収め、次節でインテルとのビッグマッチへ挑む4位ナポリは、8ポイント差で単独首位を走るシモーネ・インザーギのチームを食い止め、スクデット争いの対抗馬として再び名乗りを上げるのだろうか。『ダゾーン・イタリア』の「Sunday Night Square」に出演した解説陣のアンドレア・バルザーリ氏がマッザーリのチームに見解を示した。
「私はこのマッザーリの治療を興味深く見守っている。ナポリを見ていると、苦しい時間帯に耐えたり、華麗なプレーを見せたりということより、むしろ選手たちのピッチでの反応から伝わってくるものが感じられた」
「平穏を見つけたとまでは言わないが、全員が一致団結しているように見えた。ナポリは強いチームだ。これまでは好不調の波があったが、再び継続的に結果を出せるようになれば、少しずつプレーに関しても良くなっていくだろう」
ベテラン指揮官の賢い選択
続いて元インテル指揮官のアンドレア・ストラマッチョーニ氏も、新生ナポリを分析。古巣に舞い戻った新指揮官が“賢い”選択をしていると賛辞を贈った。
「私が見た限り、マッザーリは非常に賢いことをしているように見える。ナポリの技術的な面をリセットするのではなく、ロッカールーム内を再び結束させることで解決策を見つけようとした。アンドレア（バルザーリ）が話したように、ナポリは非常に強いチームだ。トップチームの顔ぶれを見ると、セリエAで唯一、インテルに匹敵するチームだと考える」
「もちろん彼の仕事が評価されるようになるのは、先の話だ。だが現時点でナポリが必要としていたのは、穏やかな環境だ。何か新たなことを考え出すのではなく、（ヴィクター）オシムヘンや（フヴィチャ）クヴァラツヘリアら主役たちが、あのように落ち着いてピッチに入れる条件を整えることが重要だった」
「それに新たなことを考え出すには時間もなかった。彼のようなベテラン監督が、これまでのキャリアで採用しなかった戦術システムを引き継ぐことを受け入れたのも、賢さを意味しているように思う。なぜならナポリが現在、必要としているのは、メンタリティや自信を取り戻すことだからね」
「だからこそ、インテルとの試合が控えているのは理想的と言える。セリエAで首位のチームとの戦いに臨めるのだからね。さらにシモーネ・インザーギ率いるインテルにとっても、重要なテストの場になるはずだ」
ステファノ・ボルギ記者もナポリを分析しつつ、アタランタ戦で43日ぶりにピッチに戻り、63分から途中出場してエリフ・エルマスの決勝点をアシストしたエースのオシムヘンの復帰を高く評価している。
「私はアタランタ戦のナポリのプレーが非常に気に入った。前半のプレーを見ていると、自らがここ数カ月の間にやらかしてきたことを自覚したかのように見えた。おそらく（ナポリの選手たちは）ガルシアとフィーリングでマッチするものが何もなかったのだろう」
「ただ、ガルシアは数多くのミスを犯したが、それは選手たちも同じだった。アタランタ戦は、極めて難しい試合であったはずだが、選手たちは一転して、この一戦に集中していて、責任感が感じられた」
「また、アタランタ戦の後半、相手が支配する時間帯が続き、絶えず自陣に押し込まれていた。だがオシムヘンがピッチに入ると、試合の流れが変わってナポリが逆に押し込むようになった。アタランタ戦において、ナポリはチームの違いを作り出す2つの偉大な価値観を取り戻すことができたように思う」
「1つ目は、昨シーズンの圧倒的王者ナポリとしての結束力、2つ目はオシムヘンの復活だ。彼の復活と真のナポリの復活は、リーグ全体にとって重要な復活と言える。オシムヘンはリーダーでもある。ピッチに入るなり、チームメートたちに声掛けをし、実際に試合を動かした」
放送・配信予定
- ナポリ vs インテル
- 配信：DAZN
- キックオフ：2023年12月4日（月）日本時間4:45
- 実況：北川義隆
- 会場：スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
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