いよいよJリーグもクライマックスだ。最終回となる本番組では、前節ヴィッセル神戸の制覇が決まったJ1最終節のスコアを予想し、フォーカスマッチではラスト1枠のJ1への切符を懸ける東京ヴェルディと清水エスパルスのJ1昇格プレーオフ決勝を展望した。
今季のJ2リーグは、クラブ史上初のJ1昇格を決めたFC町田ゼルビアと1年でのJ1復帰を決めたジュビロ磐田が自動昇格を決めてリーグ戦は幕を閉じた。そこから約2週間の時を経て、ラストひと枠の昇格圏を争うJ1昇格プレーオフが開幕。先週末に行われた準決勝では、リーグ戦を4位で終えた清水エスパルスが5位のモンテディオ山形とスコアレスドローで終え、最終順位のアドバンテージによって勝ち上がりを決めれば、3位の東京ヴェルディも6位ジェフユナイテッド千葉を2-1で下し、リーグ戦の上位チームが、今週末に国立競技場で行われる決勝へ順当に駒を進めた。
基本布陣が[4-2-3-1]の清水は、守備時にトップ下のMF乾貴士が前線にポジションを上げた[4-4-2]の布陣でハイプレスを仕掛ける。一方で攻撃は、MFホナウドをアンカーに据え、右インサイドハーフにMF白崎凌兵、左インサイドハーフにMF乾貴士が可変する[4-3-3]の形を状況に応じて使い分けている。
そういった特長を解説する林氏は、「前線4人の個の力が高い。その4人にどれだけボールを集められるかがポイントになる」と清水の強みとしてリーグ屈指の得点力を誇る前線の選手を挙げる。
攻撃陣では、左サイドハーフのMFカルリーニョス・ジュニオがチームトップの15得点、1トップに君臨するFWチアゴ・サンタナが12ゴール、トップ下の乾10ゴール、右サイドハーフのMF中山克弘が8ゴールと「78」というチームの総得点の半分以上のゴールをこの4人がもたらしてきた。
その中でも林氏がキーマンに挙げたのが、「”戦術・乾”と言ってもおかしくない」と絶賛する乾だ。「彼にボールが入るかどうか」をポイントに挙げ、チームの絶対的な存在であることを強調した。
また清水は、試合の流れに応じて3バックを採用するケースも珍しくない。林氏は、「攻めたいときに3バックにしたり、守り切りたい時に5バックにしたり、そういうところも見えるので、もしかしたらこのゲームでも途中から3枚に変える可能性もある」とシステム変更の可能性についても言及した。
その上で林氏が試合のポイントに挙げたのは2ライン間の攻略だ。林は「緊迫したゲームになるので、長いボールは多くなると思う」とした上で、「2ライン間を使うために最初から長いボールを入れるだけでは簡単に跳ね返されてしまう」と解説し、互いのビルドアップを試合のポイントに挙げた。
お互いに守備時は[4-4-2]、攻撃時は[4-3-3]に可変する特長を踏まえ、「2ライン間を使うためにその手前でのボール回しがうまくできるか。それができないと長いボールだけになってしまう」ことを強調し、「そこがうまくいけば、相手のボランチも(アンカーを)警戒するので、2ライン間が空くようになる」と持論を展開した。
また清水にとっては1年でのJ1復帰、東京Vにとっては16シーズンぶりのJ1復帰が懸かるお互いにとって重要なゲームとなる。それだけに理論派解説者の林氏も、「このゲームに関してはこれ(気持ち)を書かざる得なかった。このゲームのベースはまずは気持ちですよ」と強調することも忘れなかった。
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