モッタ率いるボローニャの飛躍
チアゴ・モッタの下、昨シーズンから躍進を見せているボローニャは、日本時間11日のサレルニターナ戦で2-1と勝利し、合計25ポイントを獲得して5位へ浮上。UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)圏内の4位ローマと同ポイントで並んだ。
セリエAで今シーズンはわずか2敗と快進撃を続け、第15節終了時点で27ポイントを獲得した2002-03シーズンに次ぐ好成績を収める。『ダゾーン・イタリア』解説陣のステファノ・ボルギ記者が自身の見解を示した。
「ボローニャは移籍期間終盤に補強したとはいえ、補強がこのチームの強さの秘訣ではない。ディレクター陣が結束し、綿密な仕事をし、このチームは上手く作り上げられた。メルカートに関して言えば、(ニコラス)ドミンゲスや(マルコ)アルナウトヴィッチら主力を放出し、困難もあったはずだが、代替策の準備ができていた」
「それから監督の実力もあるだろう。モッタはチームにアイデンティティや適応力を与え、解決策を見出すことができる。このチームはカルチョをプレーするのが上手く、持ち帰るべき結果をしっかりとつかむことができる。ボローニャのクオリティの飛躍は、以前から予測していたが、ついに完了したと言えるだろう。UCLを目指せるとは言えないが、リーグ戦で上位を狙えるチームだ」
(C)Getty Images
首位インテルの”奥深い”強さ
今節では、2位ユヴェントスがナポリとのビッグマッチを1-0と制して36ポイントに積み上げた一方、首位インテルもウディネーゼを4-0と退け、合計38ポイントで順位をキープした。元インテル指揮官アンドレア・ストラマッチョーニ氏が、今シーズンのシモーネ・インザーギのチームを分析した。
「私は、インテルの強さが“奥深い”と感じている。スタメンの11人だけでなく、チーム全体が強い。他国のビッグクラブと比較して、持ち合わせている道具は少ないはずだ。だがインテルの強さの秘訣は、このプレーのシステムが、スクデットを獲得したアントニオ・コンテから始まり、困難を乗り越えながら、シモーネ・インザーギへと引き継がれていったことにある」
「その結果、インテルというチームは現在、選手層の厚みやパフォーマンスを保証できる装置となった。選手たちはみんな3-5-2のスペシャリストであり、このシステムを完成させるためにチームに加わった」
「また、インテルは数多くの賭けにも勝利し、現在の結果につながっている。例えば、(ハカン)チャルハノールは、セリエA最強MFであり、最高のパフォーマンスを見せているように思うが、当初は賭けだった。(ヘンリク)ムヒタリアンについても、疑問符がついた状態でローマを契約切れで退団した選手だった。選手や監督、経営陣やクラブが一丸となって素晴らしい仕事をしたように思う」
ラツィオの失敗はそこにある
鎌田大地が所属する9位ラツィオは、9日に降格圏のヴェローナと敵地で対戦したが、前半のリードを守り切れずに1-1の同点に追いつかれ、終盤は相手の退場により数的有利を得たが、鎌田の出番は訪れぬまま、マウリツィオ・サッリのチームは追加点を奪うことができず、そのまま引き分けた。
今シーズン、リードする展開から取りこぼした勝ち点は10ポイントに上り、10位へと後退したラツィオ。『ダゾーン・イタリア』の中継で解説を務めたOBのファビオ・バッザーニ氏が、パフォーマンスを分析した。
「試合を完全に掌握していたように見え、怒りを感じているはずだ。ヴェローナの得点は、偶然のような形で生まれたとはいえ、ラツィオは、もっと上手く試合をコントロールし、2点目を取りに行かなければならなかったように思う。この問題は、現在に始まったものではない。数的有利に立っていたにもかかわらず、大きな危険を冒したカリアリ戦にも共通するものだ。監督が満足できるはずがない」
「ヴェローナの枠内シュートはわずか1本であり、リスクを減らすために修正するべきなのは、守備ではない。ボール支配率は72%に上っているのだから、より闘志のあるプレーを見せ、2点目を取ってより上手く試合をコントロールするべきだった。わずか1点のリードでは安心感を得ることはできず、何の保証も得られない。ラツィオの失敗はそこにある」
「ヴェローナがスコアを動かす前提条件すら揃っていなかったように見えただけに、今日は取りこぼした2ポイントに苦い思いが勝る。さらに終盤、数的有利であったにもかかわらず、勝利をつかむことができなかった。後味は悪いはずだ。強い気持ちでチャンスを2点目につなげておかなければ、のちに相手のクロスがゴールになるなどの不運な状況が生まれてしまう」
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