現役時代はラツィオでプレーしたほか、チェゼーナでは日本代表DF長友佑都のチームメートでもあったマルコ・パローロ氏。そんな元イタリア代表MFが司会を務める『ダゾーン・イタリア』の「Tutti Bravi Dal Divano」では、解説陣が「現代サッカーにおいて求められる魅力的な監督」について話し合った。
パローロ氏が「魅力的な監督とは、勝者の指揮官だろうか、チームに良いプレーをさせる指揮官だろうか」と質問を投げかけると、アレッサンドロ・マトリ氏は「それはチームに所属する選手次第ではないだろうか」と回答。一方、ヴァロン・ベラーミ氏はこれに反論した。
「必ずしも選手次第というわけではない。クラブ、選手のクオリティ、ファンという3つの条件を満たすことができる者がふさわしい。例えば選手を(成長させて)再売却によりクラブを満足させ、その後、結果もついてくるようになる」
するとマトリ氏は、ラッファエレ・パッラディーノが指揮を執るモンツァやジャン・ピエロ・ガスペリーニ率いるアタランタを例に挙げ、自身の考えを語った。
「現代の監督は、あらゆることに対して柔軟でなくてはならない。たった1つのアイデンティティーを持っているだけではダメだ。レアル・マドリードのように個の力が非常に重要になるクラブは別として、例えばモンツァを見てみよう」
「過去2年間は3バックだったが、今シーズンは4バックでプレーしている。昨年は1対1でプレーしていたが、現在はそうではない。またガスペリーニも同様に、攻撃の仕方に変化を加えていて、4年前のような1対1ではない。アイデンティティーが変わったんだ」
「これが指揮官の持つべき柔軟性だと思っている。アイデンティティーは複数あるべきだ。『私のアイディアが規則だ』なんて考えはダメだ。チームの選手たちが自身のアイディアへ適していなかった場合、失うものがあるのは指揮官だ」
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元ラツィオ指揮官サッリは絶滅した恐竜
マトリ氏がそこまで語ると、パローロ氏は古巣を率いたマウリツィオ・サッリの名前を挙げた。アイディアへの適応に苦戦していた鎌田大地をベンチに置き続けた元ラツィオ指揮官について「それならサッリは現代サッカーにおいて(絶滅した)恐竜ということか」と発言。続いてリッカルド・モントリーヴォ氏は「アイディアに固執して化石化した」と皮肉を述べた。
パローロ氏が「いや、現代サッカーの変化のスピードがあまりにも速い」と補足しつつ、「マトリに同意するよ」とコメントすると、元イタリア代表FWが続けた。
「メルカートの影響もある。例えば、クラブが3-5-2のシステムを想定して補強を行ったとする。その後、指揮官を解任したら、翌年の再建は難しくなる。そのシステムでしかプレーできない選手たちがいるのだからね。したがって1つのアイディアしか持っていない指揮官は、クラブにとっても助けにならない」
ミランOBのモントリーヴォ氏は、指揮官が複数のアイディアを持たなければならない理由として、さらに財政的な要素も指摘している。資金に恵まれないクラブは、必ずしも指揮官が求める選手を獲得できないからだ。
「それからクラブは、メルカートのチャンスに応じて補強を行うことになる。センターフォワードの『あの選手が欲しいから買う』と言って、マンチェスター・シティやレアル・マドリードのように好きなだけ予算を使って買うことはできない。他のクラブはチャンスを待ち、ウィンガーが獲得できそうなら、監督と相談して獲得し、その後、選手を成長させて再売却を狙うことになる」
ユーヴェの低迷はアッレグリが時代遅れだから?
続いてパローロ氏は、チーム内におけるマネージメント能力に長けたタイプの指揮官に言及。直近のリーグ戦8試合でわずか1勝と低迷するユヴェントスのマッシミリアーノ・アッレグリに対する疑問を口にした。
「(ローマでジョゼ)モウリーニョが解任されると、(ダニエレ)デ・ロッシがやって来て異なるアイディアをもたらし、チームを激変させた。アッレグリは素晴らしいチームマネージメントをしているように見えるが、現在は少し時代遅れなのだろうか」
するとモントリーヴォは、レアル指揮官を引き合いに出し、自身の考えを明かした。
「(カルロ)アンチェロッティもそうだが、偉大なマネージャーは“普通のチーム”の指揮を執った時に苦戦する。アンチェロッティのナポリ時代がその例だ。アッレグリやモウリーニョのような偉大なマネージャーは、偉大な選手たちがいる偉大なるチームで際立った能力を発揮する。そこでは、アイディアや概念を教えることが少なく、マネージメント能力が違いを作り出すからだろう」
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