イゴル・トゥドル新体制が発足すると、3-4-2-1のシステムで再評価を受け、トップ下や守備的MFのポジションで出場機会を得始めた鎌田大地。日本時間13日にスタディオ・オリンピコで行われたセリエA第32節のサレルニターナ戦では、2試合連続でフル出場を果たして4-1の勝利に貢献した。
前節のローマダービーでは、不動の10番ルイス・アルベルトを差し置いてトップ下で先発を果たして注目を浴びた鎌田。サレルニターナ戦ではマティアス・ベシーノとコンビを組み、ボランチで先発した。
ルイス・アルベルトとの共存
クロアチア人指揮官トゥドルは、リーグ戦3試合ぶりにスタメンに名を連ねてトップ下でプレーしたルイス・アルベルトと共存させようとする姿も見せている。『ダゾーン・イタリア』の中継でピッチリポーターを務めたフェデリコ・サーラ記者が伝えている。
「試合中断中、トゥドルはかなりカマダやルイス・アルベルトと話をしていた。カマダに対しては、中盤において異なる仕事をするよう求めていた。特にタティ・カステジャーノスに対して縦のボールを送り続けるのではなく、ここまであまりボールに触っていないルイス・アルベルトにもう少しパスを出すように指示を出した。彼ならボールコントロールができるだろうからね」
(C)Getty images
一方、『ダゾーン・イタリア』の解説陣でラツィオOBのダリオ・マルコリン氏は、ミスキックとなったGKフリスト・マンダスへの鎌田のバックパスについてコメントを求められると、自身の見解を示した。
「いまのボールも味方のDFに対するものとしては強かった。受け手はプレッシャーを受けながら目の前でボールが跳ね返るとコントロールが難しくなってしまう。カマダはもう少しプレーのタイミングを計らないとね」
鎌田は51分、ルイス・アルベルトとの連携からフェリピ・アンデルソンにラストパスを送り、4-1となる絶好のチャンスを演出したが、ブラジル人選手のシュートは大きく枠を外れた。するとマルコリン氏は「ラツィオの素早い攻撃だった。見てくれ、カマダからパスが入ったが、フェリピのファーストタッチがやや長くなって中心からずれ、ややクオリティを失った」と説明した。
実況を務めたリッカルド・マンチーニ氏が「カマダ、ルイス・アルベルト、フェリピ・アンデルソンが中心となったプレーだった。お互いを探し合い、プレーしやすそうに見える」とコメントすると、ラツィオOBが続けた。「ラツィオはスピーディーなプレーをしていて、常に縦への攻撃を狙っている。多くの選手が前線での攻撃をサポートしている」との見解を示した。
マルコリン氏は52分、ベシーノがエリア内へ侵入して積極的なプレーを見せた際、鎌田との役割分担にも言及している。
「サレルニターナの(ラッサナ)クリバリは、ラツィオのMFの飛び出しに注意を払っている。今回の場合はベシーノだったが、彼はエリア内で最も危険なMFと言えるだろう。カマダはボックスの外でチャンスメイクを行っていて、ベシーノが飛び出しを担っている。もう1人のFWとなり、かつて(セルゲイ)ミリンコヴィッチ(サヴィッチ)が務めていたような役割だ」と説明した。
鎌田はその後、80分にニコロ・ロヴェッラとダニーロ・カタルディが投入されると、トップ下にポジションを移してプレーを続けたが、マンチーニ氏が賛辞を贈っている。「日本人選手は今日、相手を抑え込む良い試合を見せた。攻撃においても良い選択をしていた」と健闘を称えた。
イタリアはまだ鎌田の潜在力を目にしていない
最後にピッチリポーターのトンマーゾ・トゥルチ記者が「カマダは今後、新指揮官の元でどこまで伸びるのか? われわれはまだ、彼のポテンシャルを目にしていないはずだ」と質問を投げかけると、マルコリン氏がサレルニターナ戦で79回のボールタッチを記録した鎌田について語った。
「確かに彼の攻撃のクオリティはまだ目にしていないかもしれない。しかし私はボランチの一角でのプレーの方が気に入っている。なぜだか教えよう。実戦的で1、2タッチでプレーし、絶えず動いていてボールロストも少ない。(前監督マウリツィオ)サッリ指揮下では、もう少し高い位置でプレーしていてボールロストが多かった。だがいまの位置ではより安定しているように見える」
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2戦連続フル出場の鎌田の評価は?
そんな鎌田のプレーをイタリアメディアはどのように評価したのだろうか。イタリア紙『Corriere dello Sport』は及第点にやや届かない「5.5」と採点。「トゥドルの下で突然、居場所を見つけたが、ほとんど実力を示すことがなかった。守備において2回ほどボールを奪取したのが目に留まった程度だ」と綴り、プレーにやや不満を示した。
一方、『La Gazzetta dello Sport』は鎌田のパフォーマンスを「6.5」と採点し、高評価を与えている。「ポジションを守ってメカニズムの中にとどまっていた」とチームとの連携面を評価している。このほか、大手メディアの『Sky Sport』も「6.5」、『Mediaset』は「6」といずれも合格ラインを越える評価を下した。
放送・配信予定
- ラツィオ vs サレルニターナ
- 配信:DAZNフルマッチは14日5:45時配信
- キックオフ:2024年4月13日(土)日本時間3:45
- 会場:スタディオ・オリンピコ
- ジェノア vs ラツィオ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2024年4月20日(土)日本時間1:30
- 実況:八塚浩
- 会場:スタディオ・ルイジ・フェッラーリス
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