昨夏、フランクフルトを退団してフリーでラツィオに加入した鎌田大地。開幕直後は、マウリツィオ・サッリ前監督の下、レギュラーの座をつかんだが、徐々にMFマテオ・ゲンドゥージらライバルたちに序列で追い抜かれ、ベンチを温める日々が続いた。
だが先月、成績不振によりサッリが電撃辞任をし、イゴル・トゥドルによる新体制が発足すると、鎌田の立場は一変した。クロアチア人新指揮官は、鎌田をレギュラーに抜てきしてボランチやトップ下で活躍の場を与えると、サッリが断念した不動の10番ルイス・アルベルトとの共存にも成功させている。
伊解説陣も目を見張る“新バージョン”の鎌田
セリエA第33節のジェノア戦(ラツィオが1-0で勝利)では、鎌田のアシストからルイス・アルベルトの決勝点が生まれたほか、日本時間28日に行われた第34節ヴェローナ戦(ラツィオが1-0で勝利)のゴールシーンにおいても、鎌田、ルイス・アルベルトとマッティア・ザッカーニの3人でチャンスを作り出した。
『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、サッリ指揮下で構想外の“ミステリアスな存在”に見られていた鎌田の突然の躍動に驚きを隠せない。ヴェローナ戦の試合開始前から新生ラツィオにおける鎌田の変化に注目。マルコ・ルッソ記者が「カマダはトゥドルがやって来てから、試合のほとんどに出場している。トゥドルの偉大な功績の1つは彼に出場機会を与え、居場所を与えたことだ」と切り出した。
するとラツィオOBのヴァロン・ベラーミ氏は自身の考えを主張。鎌田の本来の能力を称えつつ、新旧監督のそれぞれのプレースタイルによる影響があることを指摘した。
「監督の功績と言うより、そもそもカマダは素晴らしい選手なんだ。彼は攻守切り替えの際にスペースや自由が生まれる現在のプレースタイルに適した選手であって、現在の方がやりやすいのだろう。以前のように課題に縛られ過ぎることがない。サッリの下では、カマダのクオリティが発揮されなかったが、われわれは現在、彼の新たなバージョンを目にしている」
(C)Getty images
なぜ実質構想外から中心選手に?
試合終了後には、ルッソ記者がサッリの下でくすぶっていた鎌田に対してどんな処方を施したのかをトゥドルにインタビューで直撃している。「いったいカマダに対してどんな取り組みをしたのか? 彼は数週間前まで、実質的にラツィオで構想外だった。その彼が現在、ほぼ全試合に出場して常にピッチにおける最優秀選手の1人になっている」と質問を投げかけた。するとクロアチア人指揮官が答えた。
「われわれは何もしていないよ。練習をしただけだ。以前もコメントしたことだが、もしかしたら彼にとって、あのカルチョ(サッリのプレースタイル)は私のカルチョよりも適していなかったのかもしれない。これはよく起こり得ることだ」
続けてトゥドルは、自陣の中心選手へと変化を遂げた鎌田をさまざまな側面から分析して大絶賛した。
「私にとってカマダはファンタスティックな選手だ。複数のポジションをカバーできるうえ、メンタリティが10点満点だ。前方でもプレーできるし、ボランチでもプレーできる。さらにもっと攻撃的なプレーもできる」
「それから決してあきらめないし、ミスも全くない。まるで頭の中にコンピューターが入っているかのようだよ。本当に選手全員が彼のようだったらね。心理面に関して言えば、全ての監督がチームにダイチが10人いることを望むことだろう」
(C)Getty images
タブー視された2人のクオリティ
サッリの4-3-3のインサイドハーフでは、攻撃的特徴を持つ鎌田とルイス・アルベルトの共存はタブー視されていたが、トゥドルの3-4-2-1では、鎌田がボランチ、スペイン人MFがトップ下で華麗な連携を見せている。
ルッソ記者は「カマダとルイス・アルベルトは現時点で非常に楽しんでプレーしているように見える」と語り、クロアチア人指揮官の見解を求めた。トゥドルは、新生ラツィオにおいて高いクオリティを持つ2人の重要性を強調している。
「その通り。2人は楽しんでいるように見える。ルイスはボールに触り、カルチョをするのを好む選手だ。常にラツィオのプレーに関わっていて、そこが重要だ。カマダは攻撃的な選手で、前線への飛び出しのクオリティを持っている」
「その彼とルイスの間で素晴らしい流動性がある。加えて2人にはクオリティがある。クオリティのある選手がいなければ、ゴールは挙げられないし、ラストパスも送れないし、何もできない。特にラスト20~25メートルにおいて根本的なことだ」
放送・配信予定
- モンツァ vs ラツィオ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2024年5月5日(日)日本時間1:00
- 日本語実況あり
- 会場:U-パワー・スタジアム
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