2022-23シーズンにルチアーノ・スパレッティ指揮下のナポリで主力を務め、33年ぶりのスクデット獲得に大きく貢献した韓国代表DFのキム・ミンジェ。27歳DFは、その後、ナポリに5000万ユーロ(約87億円)の移籍金を残してバイエルン・ミュンヘンに新天地を求めたが、わずか1年で退団の可能性が囁かれている。
そんな中、イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』は、バイエルンで放出候補となっている元ナポリDFが、守備陣の若返りと強化を狙うセリエA王者インテルにとって「チャンス」であると伝えている。同紙は、キム獲得が可能となった2つの背景を明かした。
1つ目に、キムがバイエルンにおいて、当初の期待に応えるパフォーマンスを示せなかったことを挙げている。開幕直後はレギュラーでスタートしたものの、不安定な部分が多すぎたことや、アジアカップの影響によってリズムを失ったうえ、その間にライバルの成長を許してしまった点を指摘した。
続いて2つ目に、バイエルンの今夏の補強ポイントに言及している。ドイツのクラブは、「まさにセンターバックの補強へ動き」、シュトゥットガルトから日本代表DF伊藤洋輝を獲得したことを理由に挙げた。「こうしてキムは、昨夏とは完全に真逆の状況にある」との見解を示している。
2年前にも浮上していたキム獲得プラン
また、イタリア紙は、インテルのキム獲得への道筋について解説している。インテルは、パリ・サンジェルマン(PSG)からDFミラン・シュクリニアルに対して熱視線が注がれていた2022年夏にも、後釜候補としてキムの動向を追っていた過去がある。だがシュクリニアルは残留したため、キムのインテル行きは実現せず、韓国代表DFはナポリへと移籍して、2022-23シーズンのスクデット獲得の主役となった。
(C)Getty Images
あれから2年の時を経て事情が変化した現在、「インテルはミュンヘンで元気をなくした巨人を誘惑できるかもしれない」と、同紙は主張している。過去にナポリですぐさま適応に成功したキムにとって、「セリエAは再起へ向けて理想的な環境と言え、2023-24シーズンを制覇し、かねてより彼の価値を評価しているチームは、ナポリの頃のような“越えられないCB”へと復活するためにうってつけの場所となるかもしれない」との見解を示した。
また、こうした材料はインテルがバイエルンとの交渉の際に「有益となる」うえ、ミラノのクラブが過去にヤン・ゾマーやバンジャマン・パヴァールらの取引を通じて良好な関係を維持していることも前向きな要素に挙げた。ただ、現時点において、キム獲得への唯一の方法は、2022年のロメル・ルカクのケースのように、期限付き移籍であると主張している。
インテルでは、フランチェスコ・アチェルビが36歳、ステファン・デ・フライが32歳と守備陣の高齢化が進んでいる。イタリア紙は、その若返りの一環として「インテルは、すでにセリエAのピッチで最高の結果を残した実績のあるヨーロッパ最強クラスのCBに手を付けようとしている」と伝えた。
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