セレッソ大阪にとって今季はクラブ設立30周年、節目の年。明治安田J1リーグ第24節・アルビレックス新潟戦は、「セレッソ大阪設立30周年マッチ」と銘打たれ、トップパートナーのヤンマーホールディングス株式会社による【ヤンマー #Football is our engine サポーティングマッチ】として開催された。
(C)三浦彩乃
選手時代を含め、ヤンマーとともに歩んできた30年について、森島寛晃代表取締役社長は、「セレッソ大阪に名前が変わって、どうなっていくか当時は分からなかったですが、1年ごとにクラブが大きくなっていった印象があります。選手たちもどんどん海外に飛び立つ時代になり、香川選手がドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドでプレーしたり、南野選手がリバプールでプレーしたり、昔なら考えられなかったことが現実に起きています。セレッソからそうした選手たちを輩出できていることを誇りに思います」と感慨深げに語る。ヤンマーの継続したサポートについては、「感謝の気持ちしかありません」と話すが、今年は特に大々的なプロモーションが行われてきた。
(C)Cerezo Osaka
開幕前にはJR大阪駅、梅田駅、なんば駅、天王寺駅周辺で開幕戦の告知ムービーを流し、セレッソの歴代OBや現役選手があしらわれたオリジナルデザインも掲載された。他にも大阪府内の商店街や道頓堀にセレッソのバナーを掲出するなど、“大阪をピンクに染める”べく様々な施策で30周年を盛り上げてきた。「サポーターの皆さん、大阪の街の皆さんに応援していただくことで、試合も成り立ちます。その思いを伝えていく中で、大阪にセレッソが馴染んできた手応えもあります」（森島社長）。地域密着へ着実に進んでいる実感を込める。
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【ヤンマー #Football is our engine サポーティングマッチ】は毎回、趣向を凝らしたイベントや、サポーターをもてなすプレゼントなど顧客満足度が高い興行となっているが、今回は来場者先着18,000名に「ヤンマーオリジナル冷感タオル」がプレゼントされた。4歳の娘さん（咲良ちゃん）をもつお父さんは、「今までで一番いいと思います。実用的ですし、思い出にも残ります」と気に入った様子。
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「30年ずっと応援しています」という筋金入りの男性サポーター3人組は、「今まで見てきた選手が入っていて、素晴らしいです」と納得顔だ。女性サポーター2人組も、「ピンクでカワイイ。南野（拓実）選手が入っているのも嬉しいです」と声を弾ませた。冷感タオルとともに、30年の各年代の写真を使ったスペシャルなカードもプレゼントされた。“どの年度が当たるかはお楽しみ”ということだったが、手にしたサポーターはそれぞれに感想を述べつつ、歓声を上げていた。
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また、森島社長と香川真司がモデルとなった「ヤンマーオリジナル30周年記念ボブルヘッド」も販売され、限定2,000個の商品を手にしたご夫婦は、「ヤンマー時代からずっと歴代8番を応援しているので、どうしても欲しかった。家のグッズコーナーに飾ります」と笑顔を浮かべた。
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この日は特別に、前座試合として「セレッソ大阪OB vs もりちゃんずユナイテッド」による「30周年記念スペシャルマッチ」も実現。セレッソの30年を彩った西澤明訓さん、大久保嘉人さん、森島社長らがセレッソ大阪OBチームとして出場し、セレッソのイベントにも出演経験がある見取り図の盛山晋太郎さん率いる「もりちゃんずユナイテッド」と対戦した。主審は元国際審判員の家本政明さんが務め、2000年から2002年にかけてスタジアムDJとして活躍された山下真妃さんがセレッソ大阪OBチームの選手紹介も行うなど、ピッチ外でも豪華ゲストによる華やかな演出が行われた。
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試合はセレッソ大阪30周年アンバサダーでもある大久保さんの現役時代さながらの華麗なゴールにより、セレッソ大阪OBチームが1-0で勝利。試合後は、「最高っすね（笑）。GKの逆を突くシュートが打てました」と気持ち良さそうに汗を拭った。試合終了間際には、大久保さんがPKを獲得し、セレッソ大阪OBチームに2点目のチャンスが訪れたが、キッカーの森島社長がまさかの失敗。ゴール裏からブーイングが飛ぶ一幕も見られた。
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試合を振り返って森島社長は、「最高の時間をみんなで作ることができました。『定期的にやって欲しい』というOBの声もあったので、今日は来れなかった人たちも呼んで、また開催できれば」と総括。自身のPK失敗については、「決めた後にやるポーズのことばかり考えて、GKを見ていませんでした（苦笑）」と弁明（？）した。
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この試合には、セレッソ大阪30周年アンバサダーの片寄涼太さんも出場。「子どもの頃、よくセレッソさんの応援に来ていました。まさかこうして30周年という記念のタイミングで、錚々たるレジェンドの皆さんとサッカーをさせていただく機会をいただけるとは、光栄です。あっという間に時間が過ぎました（笑）」とピッチでプレーした感想を話した。片寄さんは、新潟戦に臨むセレッソ大阪のリザーブメンバーも紹介、レフェリーエスコートも行うなど、「30周年記念マッチ」に華を添えた。また、同じくセレッソ大阪30周年アンバサダーのローランド様も来場。片寄さん、大久保さんと3人のアンバサダーがヨドコウ桜スタジアムに集結し、ハーフタイムにはサインボールの投げ込みも行った。試合前には、大阪出身のアーティストらによる特別演出として、大阪の街への感謝、大阪のシンボルになるという想いを込めたオープニングセレモニーも開催され、シンガーのLEGE（レジェ）さんがアンセムを熱唱。試合に向けてスタジアムのボルテージは一段と高まった。
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セレッソ大阪の初代社長・鬼武健二氏のキックインで始まった試合は、ケガから復帰した登里享平がリーグ戦12試合ぶりに先発。スムーズなビルドアップからフィニッシュに至る場面も見られた。ただし、ボール保持に優れた新潟に対し、途中から守備がハマらず新潟のチャンスシーンが増えていくと、36分に失点。後半も開始早々の47分に2失点目。2点を追いかける展開となったセレッソは、65分、この夏に加入した山﨑凌吾を投入し、2トップに変更。圧力をかけて好機を作ると、77分には、柴山昌也のシュートがポストを叩く場面もあった。82分には交代で入ったばかりの平野佑一が退場で数的不利に陥る中、試合終了間際の90＋10分、ルーカス フェルナンデスが一矢報いるミドルシュートを叩き込み、1点差に迫った。残りわずかな時間での同点を目指して最後まで攻めたセレッソだったが、反撃及ばず1-2で敗戦。リーグ戦10試合ぶりの黒星を喫した。
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試合当日はヤンマー東京でパブリックビューイングも開催され、離れた会場から熱い声援を送った。惜しくも「30周年記念マッチ」を勝利で飾り、喜びを分かち合うことはできなかったが、ヤンマーはこれまでも、サッカーが教えてくれた挑戦の大切さを自らの成長の原動力にしてきた。
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【Football is our engine】という言葉には、「サッカーを通して挑戦する大切さを学び、成長の原動力として、これからもサッカーとともに歩んでいきたい」というヤンマーの思いが込められている。その思いはこれからも変わらない。「セレッソはまだまだ発展していく途上。もっともっとセレッソファミリー全体で星を増やしていきたいですし、常に優勝争いをして、大阪のシンボルとしてアジアの戦いにも出ていきたい」と未来へ向けた抱負を語る森島社長。悲願のリーグ制覇、ACLの常時出場という目標へ向けて、これからもチーム、選手、サポーター、スポンサーが一丸となって歩みを進めていく。「ヤンマー×セレッソ」として強固な一体感を継続し、フットボールの持つ素晴らしさを広く世に伝えていくとともに、まだ見ぬ頂きを目指して戦い続ける。
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写真提供：(C)三浦彩乃、(C)Cerezo Osaka
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