第4回のゲストは現役のサッカー日本代表選手。スポルディングで2023/24シーズンのポルトガルリーグ制覇を成し遂げた守田英正選手が登場した。元日本代表で同じ守備的MFを務めた福西崇史氏が守田選手の素顔に迫っていく。
■リーダーの自覚
2021年1月に川崎フロンターレからポルトガルのサンタ・クララに移籍した守田選手。「ぶっちゃけた話、ポルトガルしかなかったんですよね」と移籍の裏側を明かしたが、サンタ・クララで評価を高めると、1年半で国内の強豪スポルディングにステップアップを果たす。「サンタ・クララはホームでもアウェイ側のサポーターのほうが多いときが少なくなかったです。スポルディングはサポーターの数も熱狂度もガラッと違いました」とクラブの規模の違いが印象的だったという。
優勝を目指すチームでは、自身に求められるものも変わる。「認めてもらうために変えなくちゃいけないものと、自分の中で変えたくないものと、その葛藤はすごくありました」。具体的なプレー面では、攻撃でアクセントをつけられるようにと意識を変えたそうだ。それ以外でも、「一人のリーダーとしてチームをいい方向に導くことを意識し始めました」とリーダーとしての自覚が芽生えたと明かした。
「キャプテンをやりたいとは思わないですけど」と笑顔で付け加えると、福西氏も「おれもどっちかというとそっちかも」と同調。「ポジションって性格的なところも出ると思うから。やっぱり支えていくというところが向いているのかな」と分析し、守田選手も「そうだと思います」と頷いた。
■ボランチの葛藤
ボランチというポジションは、縁の下の力持ちという要素も強い。「自分のしたいことができるポジションじゃないとずっと思っていますね」と守田選手も苦笑いを見せる。「『パスを出しても取られるんじゃないか』ということを考えてプレーするけど、FWの選手は『いいから出せ』と思っていて、そういう気遣いは多いんじゃないかな」と持論を語った。
同じポジションの福西氏について、守田選手は得点力が印象的だったようだ。「すごく点を取っていましたよね。当時、すごいなって思って観ていました」。福西氏は「それが自分がやりたいことの一つだから。それを考えながらみんなに動いてもらって」とニヤリ。FWから徐々にポジションを下げていった福西氏と、育成年代から中盤でプレーしてきた守田選手の違いが表れているんじゃないかと語った。
そんな守田選手だが、海外に渡って数字が求められることもあり、近年は「ゴールがほしいなって思うようになりました」と変化があったと明かした。ただ、日本代表でゴールを狙いにいくと、仲が良いという久保建英選手や鎌田大地選手から「欲を出すな、後ろおれ！」と言われてしまうそう。「たまにはいきたいですよね」と笑った。
■「自分が一番下手」な環境を選ぶ
トークは守田選手のルーツの話に移っていく。小学生の頃からキャプテンを務めることが多く、大学では副キャプテンを務めた守田選手。「（小さい頃から）責任感、使命感が強かった」と明かし、常にどうしたらチームが良くなるかを考える習慣が身についたという。
また、当時から自分を客観視するタイプだったそう。「地元ではライバルになる子がいなかったですけど、全国区で考えたらたいしたことないんだろうなって思っていました」。
守田選手いわく、「自分を否定する感覚」。続けて「自分が一番下手だと思う環境のほうが好きだった」「這い上がっていく感じ、成長していくのが実感できた」と語り、レベルの高い環境を選び続けてきた積み重ねが、現在につながっていると振り返った。
■自分らしさとは
福西氏がハンドルを握り、2人はクーペスタイルSUV「フォルクスワーゲン T-Roc」の試乗体験へ。守田選手はSUVが好みだそう。「長時間運転すると、上から見下ろすほうが楽で」。車に乗るのが好きで、気分転換に1人で乗ることもあるそうだ。
守田選手いわく、運転に通ずるサッカーの技術があるそう。それは「見る」こと。ピッチの中央でプレーするボランチにとっては、周囲の状況を確認することは重要な技術の一つだ。「いろいろなことを見る癖があるじゃないですか。だから後ろから来る自転車とかも見えちゃう」と守田選手。サッカー選手としての癖が安全運転につながっていると語った。
試乗体験を終えたあとは、福西氏から恒例の質問。「守田選手にとっての自分らしさとは」。 守田選手は「自然体です」と一言で回答すると、福西氏「今日の話を聞いていたらそうだね」と納得の様子だ。最後は守田選手のさらなる活躍を祈って、新旧日本代表MF同士の特別な対談は終わりを迎えた。
"BE TRUE"は現在YouTubeにて配信中。記事内で紹介しきれなかったエピソードも多数あるため、ぜひ動画もチェックしてみてほしい。
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