今夏、若手指揮官のチアゴ・モッタを招聘してチームの大改革を行ったユヴェントス。開幕直後は、元ボローニャ指揮官による若手の抜てきが功を奏し、2連勝を飾って賛辞を受けた。だが、日本時間15日に行われたエンポリ戦でスコアレスのまま引き分けて2戦未勝利となり、現地の評価に陰りが見え始めている。
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』は、「ユーヴェの二面性…ほとんどリスクを負わず、失点しないが、前線でなんと苦労することか…」との見出しで注目している。まず「ユーヴェは最初の4試合で守備という素晴らしい強みを見せた」と述べ、リーグ内で唯一、無失点を続けるモッタのチームを称えた。「GKを含めて守備ラインを構成する選手の多くを変えたにもかかわらず、本当にリスクがない」と述べた。
その背景には、ユーヴェで3年目を迎えたDFフェデリコ・ガッティに「明らかな成長」が見られたことや、新加入のDFピエール・カルルからも「安定の兆し」が確認できたことを指摘した。また、「バランスが良くて機能する」若手の抜てきがあったことにも言及。「(ニコロ)サヴォーナや(フアン)カバルは、開幕後の試合でユーヴェにふさわしい選手であることが明らかになった」と評価した。
だが一方で、イタリア紙は、「ユーヴェの問題は、それより前のポジションにある」と指摘。「ビルドアップがまだ、あまりにも機械的で、フィニッシュは安定していない」などと酷評している。エースのドゥシャン・ヴラホヴィッチについて「モッタは、ポジティブなリーダーとして語っていたが、セルビア人FWは、ゴールを挙げるための最高の環境に置かれていない」と分析した。「エンポリ戦では、攻撃面でもう少し期待していたが、より明確な成長が見えるまで、時間が必要であることは明らかだ」としている。
また新加入のニコ・ゴンサレスやトゥーン・コープマイネルスについても「インパクトを再確認するべき」と指摘。獲得に至るまでの間に、数カ月にわたって選手を分析し、「全て想定されていること」とはいえ、「ピッチにおいてメカニズムに組み込むためには時間が必要だ」と主張した。
同紙は、結論として、ユーヴェが現時点において「二面性のあるチームであり、補強を終えた後の期待値に見合うよう、これから大きく成長しなければならない」との見解を示している。
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