セリエA第5節において、日本代表GK鈴木彩艶が所属するパルマは、ルカ・ゴッティ率いるレッチェと敵地で対戦。一時は2点のリードを奪われたものの、後半アディショナルタイムに2点を挙げて、土壇場で2-2のドローに持ち込んだ。
出場停止明けのGK鈴木は、レアンドロ・チチソラに代わって2戦ぶりに先発したが、『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、どのように評価したのだろうか。現地の試合中継では、まず、10分にレッチェ左サイドバックのアントニーノ・ガッロからエリア内にクロスが入り、鈴木が抑えたシーンに注目した。
実況を担当したリッカルド・マンチーニ氏は「素晴らしいボールだったが、スズキは読んでいたね」とコメント。すると解説を務めた元イタリア代表FWのファビオ・バッザーニ氏は「確かにクロスは良かったが、スズキが素晴らしかった。先にゴールから離れて2歩動き出していて、クロスが入った時、あのスペースをカバーできた」と称えた。
マンチーニ氏は続いて、鈴木が29分にウォヨ・クリバリへパスを出したシーンに言及。「スズキはほぼノールックだったね。エルナニを見ていたのにクリバリへパス供給した」とプレーに驚きを示して苦笑いした。バッザーニ氏も「そう、ノールックだったよ」と振り返った。
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パルマの失点シーン
パルマは32分、パトリック・ドルグに守備陣の背後を狙われて先制点を奪われたが、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が見解を示した。マンチーニ氏は「ドルグがスズキを倒した」と伝えたが、バッザーニ氏は「これはドルグがクリバリとのデュエルに勝利したからだ」と指摘。失点の責任が日本代表GKではなく、パルマDFにあると説明した。
「ドルグはクリバリの前を横切っていて、クリバリは不注意だった。前のスペースを取られるという、サイドバックがしてはならないミスをした。それからドルグは冷静だったね。ニアを狙ってレッチェにリードをもたらした。クリバリは、センターバックとの間を空け過ぎている。ドルグにとっては、子どもの遊びのようだった。これは明らかにクリバリのポジショニングと身体の使い方のミスだ」
パルマは47分、マッテオ・カンチェリエリの挑発に反応したフレデリク・ギルベールの退場により数的有利に立ったが、58分、今度はカンチェリエリが相手のカウンターの決定機をファウルで阻止して一発退場となった。バッザーニ氏は「ペッキアは当然、10分間で数的有利を生かせずにがっかりしているだろうね」とコメント。マンチーニ氏は「加えて、スズキ、(マンデラ)ケイタに続いて3戦連続となる退場者だ」と語り、今夏の補強選手が相次いで退場処分を受けたことに言及した。
レッチェは、このプレーにより、ペナルティエリア手前でFKを獲得。ニコラ・クリストヴィッチがこれを直接決めて追加点を奪ったが、イタリアの解説陣がパルマの2失点目を分析した。レッチェFWの強力なシュートは、クリバリに当たってゴールへと吸い込まれており、バッザーニ氏は「スズキは何もできない。ゴール中央へのシュートとはいえ、強力だった。クリバリの足に当たったため、スズキは(失点に)関与していない。彼はおそらくかなりの確率でシュートの軌道に立っていたはずだった」と指摘した。
レッチェが2-0とリードしたまま迎えた92分、鈴木は、カウンターを仕掛けたクリストヴィッチと1対1となったが、シュートの阻止に成功した。マンチーニ氏は「クリストヴィッチはGKをかわそうとしたが、その選択は間違いだった。スズキは彼のプレーの幅を狭めることができた。スズキは非常にうまかったよ」と賛辞を贈った。
バッザーニ氏もまた、「その通り。クリストヴィッチのミスだ。おそらく疲れて消耗していたのだろう。ドリブルではなく、早くシュートを打つべきだった」とコメントしている。
その後、パルマは、元レッチェのポントゥス・アルマクヴィストや19歳アナス・ハジ・モハメドら途中出場した選手の活躍により、試合終了間際に2得点を奪って引き分けに持ち込んだが、バッザーニ氏は「カルチョにおいては迎えたチャンスで試合を殺しておかないとね」と指摘。「試合は決して終わらない。なんてことをわれわれは目にしたんだ」とパルマの土壇場の反撃に驚きを示した。
伊解説陣が見たミラノ・ダービー
セリエA第5節で実現した伝統のミラノ・ダービーでは、下馬評を覆してダービー6連敗中のミランが王者インテルに2-1と勝利を収めた。『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「DAZN Serie A Show」で両チームを分析。まず人気司会者で試合の実況を担当したピエル・ルイジ・パルド氏が自身の見解を示した。
「インテンシティの高い試合だった。ユヴェントスとナポリのビッグマッチはこう着し、あまりスペクタクルなプレーがなかったが、ダービーはチャンスもあれば、ミスもあり、好守が切り替わり、さまざまな瞬間が見られた。娯楽という点で極めて素晴らしい試合になった」
元インテル指揮官のアンドレア・ストラマッチョーニ氏は、「2つの顔が見えた試合だった」と指摘。パウロ・フォンセカ率いるミランの勝利に終わったダービーを解説した。
「ミランは開始直後の15分間、攻撃を仕掛けて得点を奪ったが、その後、今度はインテルが試合を支配し、ミランを相手陣内に閉じ込めた。インテルは同点に追いつき、勝ち越す予感さえした。しかし後半の偉大なミランは、フォンセカのアイディアを体現していたように思う」
「他の指揮官であれば、ハーフタイムに何らかの修正をして後半に臨んだだろう。しかしフォンセカは自身のゲームプランを信じた。そしてミランは後半開始わずか1分で決定機を作り出した。その後も多くのチャンスを迎えたが、(ヤン)ゾマーが奇跡を起こした。だが最後に、最も予想外だったガッビアが主役となったんだ」
パルド氏は、ミランの選手たちの変化を指摘している。「後半のエメルソン(ロイヤル)はふさわしいプレーを見せていたし、(タミー)エイブラハムのインパクトも見え始めた。選手が適応し、お互いを理解するようになれば、これがミランのカギとなるかもしれない」と述べた。
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