第5回のゲストはプレミアリーグのクリスタル・パレスでプレーする鎌田大地選手。第4回に引き続き、現役のサッカー日本代表選手が登場する。お相手を務めてくれたのは、元日本代表の稲本潤一選手。世界の舞台で酸いも甘いも経験してきた稲本選手が鎌田選手の素顔に迫っていく。
■“実力以外”で苦しんだラツィオ時代
ともにガンバ大阪のジュニアユース出身で、ドイツのフランクフルトに在籍した経験があるなど、共通点も多い2人。まずはラツィオで過ごした昨シーズンの話からスタートした。イタリア初挑戦となったシーズンを振り返り、鎌田選手は「初めて実力以外のところで苦しんだというか」。稲本選手は「実力以外?」と首を傾げる。
鎌田選手はシーズン序盤こそ定位置を確保していたが、徐々にベンチスタートが増加。鎌田選手は「ラツィオレベルの選手ではあったと思うんですけど、(マウリツィオ)サッリ監督がいたときは多少なりとも自信を失った」と振り返る。その後、シーズン途中でイゴール・トゥドール監督に指揮官が代わると、鎌田選手はスタメンに返り咲き、チームもリーグ戦9試合で5勝3分け1敗と息を吹き返した。
稲本選手が監督とのコミュニケーションについて問うと、鎌田選手は「前監督はそもそも選手とコミュニケーションを取らないんですよ」と明かした。一方のトゥドール監督は正反対のタイプだったよう。「初日に会った10分くらいで、約7カ月間、前監督と喋ったトータルの時間を超えました」と鎌田選手が笑顔で語ると、稲本選手は「全然喋ってないやん」と苦笑いの様子だった。
■移籍の裏側
サガン鳥栖からフランクフルトへ渡り、シント=トロイデンへのレンタル移籍を経て評価を高めた鎌田選手。フランクフルト復帰後はヨーロッパリーグ優勝、チャンピオンズリーグでベスト16などの結果を残した。フランクフルトとの契約最終年に「キャリア史上最高のシーズン」を過ごした鎌田選手は、移籍金がかからないことから多くのクラブから注目を集めることとなった。
さまざまなクラブと話を進めながら、実際にオファーがあったのは2クラブだったと鎌田選手は語る。鎌田選手のスタンスは、「チャンピオンズリーグにも出るけど、毎年ではないというチームであれば1年契約でいきたい」というもの。しかし、チャンピオンズリーグに出場する規模のクラブであれば「1年契約なんて基本的にはしてもらえない」。それでも獲得したいという熱意から、ラツィオへの移籍を決断したという。
2年目のオプションを持っている中で、鎌田選手は再び移籍を決める。ただし、もともとはラツィオ残留に傾いていたそうだ。「監督と話をして、ラツィオに残るっていう話もしていた」。フランクフルト時代の指揮官であり、現在クリスタル・パレスを率いるオリヴァー・グラスナー監督からラブコールが届いていたが、「ラツィオに残ることになった、ごめん」というメッセージも送っていたという。
クリスタル・パレスは鎌田選手の翻意を待ち続けていたそうだが、本当に獲得できるとは思っていなかったのか、「提示額はラツィオのほうが倍くらい良かった」だったそう。その後、グラスナー監督の存在から、クリスタル・パレス行きを決断。すると「契約の部分も全然変わってきた」とし、納得の上でクリスタル・パレスへの加入が決まったと明かした。
■自身が輝けるポジション
今シーズンからイングランド・プレミアリーグに挑戦している鎌田選手。クリスタル・パレスは「個人のクオリティーがすごく高い」チームであり、守備や戦術が「僕が出会った中で一番」と信頼を置くグラスナー監督が指揮を執っている。
鎌田選手は得点やアシストなど攻撃面で注目されることが多いが、本人は「トップレベルでプレーするなら前でプレーするのは無理」。鳥栖時代から持っている自身の考えについて、グラスナー監督からも「6番で考えていると言ってくれている」そうだ。鎌田選手と監督の信頼関係の強さが感じられる。
ではなぜそのような考え方をするようになったのだろうか。鎌田選手は「上にいけば自分のポジションはチーム一番の顔の選手、すごい人がいっぱいいる」。稲本選手は「ハードワークしながら前でチャンスメイクできる、中村俊輔、中田英寿タイプかなと思ってんけど」と返すと、鎌田選手は「もっと足が速ければできたと思うんですけど」と苦笑いだった。
その分、運動量でカバーすることを意識しているという鎌田選手。サッリ監督指揮下のラツィオ時代には、決められたポジションを守るため13km走らないといけないと言われていたという。「言われたところにいないと、次の日のミーティングで怒られるんですよ(笑)」。実際に90分間試合に出たときは、鎌田選手は13.7kmも走っていたそう。稲本選手も「13kmはすごいな」と感心した様子だった。
■自分らしさとは
トークはこれから思い描く未来の話へ。「小さい頃からの夢のひとつがチャンピオンズリーグ優勝」と語る鎌田選手。出場権のないクリスタル・パレスの移籍で少しズレてしまったとしつつ、「プレミアでいい成績を残せばどこにでもいける」と前を見据えた。
続けて、今の目標として掲げたのが「次のワールドカップまでクリスタル・パレスでいい成績を残す」。その先はさらに大きいチームに移籍するか、まだプレーしたことのないスペインへの挑戦を思い描いていると明かした。それを踏まえて稲本選手がプレーしたいチームはあるかと質問。鎌田選手は「僕らが育ってきた時代は完全にバルセロナだったので」とティキタカへの憧れを語った。
話はキャリアの終え方についても。ヨーロッパに長くいたいという欲はあまりないようで、サウジアラビアや日本でのプレーを視野にいれているという。サウジアラビアからはすでにオファーもあったが「この年齢でお金に走るのは違う」と断っていたことも明かした。また引退後は「監督をやりたい」「若い選手を買って、高く売るっていうサイクルを日本でも作りたい」という将来像も。「でも、誰かがやり始めたらやらない。一番最初にやらないと意味がないので」という自身の考え方も語ってくれた。
その後、2人はフル電動SUV「フォルクスワーゲン ID.4 Lite」の試乗体験へ。ハンドルを握った稲本選手は「静かやな」と驚いた様子。電気自動車に乗ったことがないという鎌田選手は「静かで話しやすいですね」と笑った。運転マナーに関する日本と海外の違いに話題が移ると、鎌田選手は「日本は頑なに割り込みさせてくれない」とボヤキ。イタリアは入れてくれることが多いそうで、「日本は優しくない」と笑顔で語った。
試乗体験を終えると、稲本選手から「鎌田選手にとって、自分らしさとはなんですか?」と最後の質問。「ありのままで、良くも悪くも思ったことをそのまま口にする。裏表がない人間だと思うので、それが僕なのかな」と自分らしさを教えてくれた。プレーにも自分らしさが表れているのかと稲本選手が聞くと、鎌田選手は冗談っぽく「監督の言っていることを忠実にやる犬って感じです」と返答。笑顔があふれる中、特別な対談は終わりを迎えた。
"BE TRUE"は現在YouTubeにて配信中。さまざまな国に住んだ経験や、家族との生活など、記事内で紹介しきれなかったエピソードが多数あるため、ぜひ動画もチェックしてみてほしい。
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