優勝争いと残留争いに大きな影響を与えたのが柏レイソルとヴィッセル神戸の一戦だ。
互いに状況は大きく異なるが、どうしても勝ち点3が欲しい一戦は、立ち上がりにゲームが動く。5分、左CKから木下康介が頭で合わせて柏が貴重な先制点を挙げることに成功した。
ここからはリードを許した神戸が反撃に出る。分厚い攻撃から何度もゴールに近づいていった。だが、柏も集中した守備で対応。ギリギリのところで体を張り、ゴールを奪わせない時間が続く。迎えた後半アディショナルタイムにもVARによりジエゴが退場し、PKのチャンスを与えてしまうが、これを大迫勇也が失敗。このまま試合は終わるかと思われた。
それでも90＋10分だった。チーム全体で一点を目指す神戸は、セットプレーの流れから最後は武藤嘉紀が左足でゴールネットを揺らして同点弾を奪取。一度はオフサイドの判定が下されたが、VARのチェックを経て神戸の得点が認められ、劇的な形で引き分けに持ち込んだ。これにより神戸は最終節、勝利すれば優勝が決定。一方、柏は残留争いを抜け出すことができず、最終節まで残留は持ち越しとなった。
この結果を経て、優勝のチャンスが出たのはサンフレッチェ広島とFC町田ゼルビアだ。
広島はJ2降格が決定した北海道コンサドーレ札幌と対戦した。立ち上がりから攻勢を強めると、加藤陸次樹の先制点を皮切りに5得点を奪取。終盤には今季限りで引退が決まっている青山敏弘がピッチに立つなど、見事なパフォーマンスを披露した広島が大勝を飾り、神戸との差を「1」に縮めている。
一方、町田は京都サンガF.C.を相手にオウンゴールで手にした1点を守り切りウノゼロで勝利。首位との勝ち点差を「3」としている。
また、残留争いではジュビロ磐田がFC東京を相手にリードを奪われる展開となったが、最後は今季限りでの現役引退を発表している山田大記がPKを沈めて逆転勝利。最終節での逆転残留に望みをつなげている。
■J1リーグ第37節 結果
柏 1-1 神戸
東京V 4-5 川崎F
町田 1-0 京都
湘南 2-3 横浜FM
新潟 0-1 G大阪
磐田 2-1 FC東京
名古屋 0-3 鳥栖
C大阪 0-2 鹿島
福岡 1-0 浦和
広島 5-1 札幌
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