昨夏にシント＝トロイデンから昇格組のパルマに加入すると、守護神として活躍を続けるGK鈴木彩艶。19日、残留争いのライバルであるヴェネツィアとの直接対決にも出場したが、チームはホームで1-1と引き分けた。
そんな中、『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、どのように22歳の日本代表GKを評価したのだろうか。イタリアの中継では、GKとしてのプレー経験があるガブリエレ・ジュスティニアーニ記者が試合の実況を務め、見解を示している。
セリエAで注目の若手GK対決
ジュスティニアーニ記者は、昇格組同士の一戦において、セリエA前半戦のエリア内セーブ数ランキングで46回を記録してリーグ首位に輝くなどしてイタリア国外からも熱視線を浴びる鈴木と、元セルビア代表MFデヤン・スタンコヴィッチの次男でインテル下部組織出身のヴェネツィアGKフィリップ・スタンコヴィッチの若手GK対決に注目した。
元GKの記者は「今日は若手GK同士が対戦する。2人は今シーズン、初めてのセリエAに臨んでいる。片やスズキ、片やスタンコヴィッチ、2人とも将来が期待される有望株だ」と紹介したほか、パルマGKに言及。「スズキは、ヨーロッパレベルにおいても、ビッグクラブの関心を集めているGKだ」と語った。ジュスティニアーニ記者は、日本代表GKの獲得を当たり補強として伝えた。
「パルマは、彼に移籍金750万ユーロ（約12億円）の重要な投資をした。だがこの若者のパフォーマンスを見ると、パルマにとって良い買い物だったと言えるだろう。今シーズン中、確かにいくつかミスはあったが、成長の過程にある。将来に極めて大きな可能性を持つGKだ」
一方で「スタンコヴィッチも同様だ」と述べ、ザイオンに劣らず逸材GKであることを指摘。ヤン・ゾマーの後継者としてのインテル復帰に期待を寄せた。
「（ヴェネツィアはGKイェッセ）ヨロネンと共にシーズンをスタートしたが、インテルからやって来た彼がポジション奪取に成功した。現在の彼は、非常に頼りになるGKであるように見える。彼の場合、インテルへ復帰できたら、ロマンチックな物語になるだろうね。ゾマーの後釜にどうだろうか」
パルマとヴェネツィアの両チームは、いずれもPKにより得点を挙げた。ジュスティニアーニ記者は、ヴェネツィアの先制点をもたらした20分のヨエル・ポーヤンパロのPKに言及。鈴木の動きを最後まで確認し、確実に決めたヴェネツィア主将を称えた。
「ポーヤンパロとスズキの1対1だが、完璧なPKだった。スズキの逆を突き、非常にうまいPKだった。ポーヤンパロは冷静で完璧で、最後の瞬間までスズキを見ていた」
対するパルマは、1点を追う56分にPKを獲得。キッカーのエルナニがこれを沈めて同点に追いついた。イタリア人実況が解説した。
「スタンコヴィッチに対して（セリエAで）成功率100％のエルナニだ。スタンコヴィッチの逆を突き、PKに対してPKで答えた。エルナニのPKも美しかった。ポーヤンパロは右に蹴り、エルナニは左に蹴ったが、どちらのPKも相手GKの逆を突くものだった」
(C)Getty images
ザイオンは活躍の場に恵まれず？
ジュスティニアーニ記者は試合中、この他のザイオンのプレーについてもコメントしている。中盤に下がっていた右ウィングのポントゥス・アルムクヴィストが、GKの鈴木へバックパスを出してボールを戻したシーンに言及。「パルマはスズキまで下げて（ビルドアップを）再開する。こうすることで、アルムクヴィストは自分のポジションに戻り、パルマは陣形を整えることができる」と伝えた。また、鈴木が58分にイッサ・ドゥンビアのシュートを阻止した場面にも触れ、「スズキだ！ 何とかはねのけることができた」とコメントした。
試合終了後、パルマの好機を何度も阻んだヴェネツィアGKスタンコヴィッチがプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されたが、イタリア人実況は「彼の選出は当然だ。決定的な役割を果たし、今日もまた、確実に興味深いGKであることを証明した」と指摘。一方で「彼と同ポジションのスズキは、あまり仕事がなかった」と語り、ヴェネツィアGKほど活躍の場がなかった点を伝えた。
なお、鈴木が所属するパルマは、26日のセリエA第22節において、セルジオ・コンセイソン率いるミランとのビッグマッチに挑む。
放送・配信予定
- ミラン vs パルマ
- 配信：DAZN
- キックオフ：2025年1月26日（日）日本時間20:30
- 解説：佐藤寿人 実況：北川義隆
- 会場：サンシーロ
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