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明治安田J3リーグ

【2・3月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】「もう一回這い上がりたい」。今治で再起を誓う中川風希が超芸術的なループ弾を振り返る | Jリーグ

【2・3月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】「もう一回這い上がりたい」。今治で再起を誓う中川風希が超芸術的なループ弾を振り返る | JリーグDAZN
【国内サッカー・インタビュー】Jリーグが月ごとに最も優れたゴールを表彰する『明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間ベストゴール』。J3リーグの2月・3月の受賞者には、第2節のカターレ富山戦で鮮やかなループシュートを決めた今治FCのMF中川風希が選ばれた。
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『DAZN NEWS』では、J3リーグ受賞者にインタビューを実施。今回は、今治で充実した時を過ごすアタッカーに、芸術的なシーズン初得点の裏話や挫折を味わいながらも這い上がってきたこれまでのキャリア、今シーズンにかける思いなどに迫った。(取材日:4月8日)

「練習からああいうループは狙っていた」

2022_4_10_jleague_nakagawa2(C)J.LEAGUE

ーー2・3月の明治安田生命J3リーグ KONAMI月間ベストゴールの受賞、おめでとうございます。

まさか自分のゴールが選ばれるとは思っていなかったので、びっくりした気持ちとすごく嬉しい気持ちの両方があります。(2018年にFC琉球で)J3優勝を果たしましたけど、そのときは個人賞がなかったので、こういう賞を頂けることは嬉しいです。

ーー第2節・カターレ富山戦で決めたゴールがベストゴールに選ばれました。完璧なループシュートだったと思いますが、どの時点でループを打とうと決めたのですか?

本当にシュートを打つ寸前だったと思います。ボールを拾ってコントロールした時点ではインステップで強いシュートを打とうと考えていたと思いますけど、GKの位置も高かったので打つ瞬間にGKを見て判断を変えたと思います。とっさのことであんまり詳しく覚えていないくらいです。

ーー観ていてすごく気持ちの良いシュートでした。

ボールの軌道やキーパーの飛んでいる姿なども全部見えていたので気持ちよかったですね(笑)。練習からああいうループシュートは狙っていて、練習ではなかなか入ることがないんですけど、試合で決められてよかったです。

ーー3月は第3節・ガイナーレ鳥取戦でもゴールを決めています。こちらは豪快なシュートから生まれたゴールでした。

チームとしても押し込んでいる時間帯だったので、チャンスは絶対にあると思いプレーしていました。毎試合、『前を向けたら思い切りシュートを打とう』とは思っていて、その意識がトラップからのシュートにつながったと思います。正直、シュートが入った瞬間はびっくりしましたけど(笑)、練習でやってきたことが試合でも出せたゴールでした。

ーートラップが完璧でしたね。

トラップは普段からすごく意識しているので、あの位置に置けた時点で自信を持って打つことができました。ゴールの位置は把握できていますし、相手DFが足を出してくることも分かっていたので、そこでちょっとステップを細かくして、足を出してきた股下を狙った結果、いいコースに飛んでくれました。

ーー3月の3試合で2ゴールと、自身としてはいいスタートを切れているのではないですか?

点を取れていることは嬉しいです。ただ、チームが勝てていないので、1点取って勝てないなら2点取ってチームを勝たせられる選手になりたいと思っています。そこはまだまだ追求していきたいです。

今季の目標は「10ゴール、10アシスト」

2022_4_10_jleague_nakagawa3(C)J.LEAGUE

ーー少しキャリアのお話を聞かせてください。今季、今治でプレーすると決めた理由は何が一番大きかったんでしょうか?

今治のJ2昇格に対する熱い気持ちが僕の中ですごく響きました。実際に試合を見たことはなかったんですけど、『今治はすごく面白いサッカーをしている』と聞いていて、それなら自分のスタイルとフィットできるかなと思い、決断しました。

ーー来てみて、その感覚は間違っていなかったですか?

間違っていなかったです。いまは充実していて、楽しいです。

ーーJリーグでのキャリアは琉球でスタートしました。そこで結果を残したことで、2019シーズンにはJ1の横浜F・マリノスへステップアップを果たしました。

その年にマリノスで優勝を経験しましたが、正直、心の底からは喜べていませんでした。その時に『自分の力でJ1優勝を経験したい』とすごく思いました。ただ、マリノスでの時間はすごく大きかったですし、濃かったです。最初の頃は練習についていくことに必死で、もうバテバテでした。強度が違いましたね。最後のゲームがアピールの場なのにそこまで体力が持たない時期がありました。それでも、慣れてくるとすごく楽しかったですね。レベルも周囲からの要求もすごく高くて、自分が上手くなっていることをすごく感じた1年ではありました。

ーーただ、サッカー選手として試合に出ないと始まらない部分もありますよね。

だから、京都(サンガF.C.)に移籍すると決めたときは『絶対に1年で昇格して、J1でプレーするぞ』という強い気持ちがありました。ただ、難しいことも多かったです。試合に出られないもどかしさがあったり、『なぜ出られないんだろう』と考えたり。自分の実力不足だと痛感した2年間であり、まだまだ上手くならないといけないと思いました。

ーーもっとさかのぼれば、関東学院大学在学中にスペインへ渡るなど、這い上がって来たイメージがあり、今季はリスタートの1年なのかなと思います。

そういう意味でも、今治に移籍してきた思いはあります。ここ2、3年はすごく悔しい気持ちを抱きながら毎年サッカーをしていました。だからこそ、いまは今治にきてもう一回這い上がっていきたい気持ちがすごく強いです。モチベーションを高く持ってサッカーができていますし、もう一度上のカテゴリーでやることを目標に今季は今治で頑張りたいと思います。

ーー最後に今季の目標を教えてください。

チームとしてはもちろん、J3優勝、J2昇格です。それは全員で共有できています。個人としては、その優勝に貢献するために10ゴール、10アシストはしたいと思っています。

ーー琉球でJ3優勝、J2昇格を達成した2018年に16ゴールを記録したことを考えれば、もっと高い目標でも良いのかなと思います。

あまり高い目標を言ってしまうとプレッシャーなので(笑)。ただ、10ゴールは最低限です。10ゴールを取ってスタートラインに立つくらいの気持ちなので、まずはそこをクリアして、取れるだけ取りたいと思います。

文・インタビュー 須賀大輔

1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOでは柏レイソルと横浜FCの担当記者を経て、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。

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