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ギラヴァンツ北九州

【4月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】蹴った瞬間に確信した”ファー巻き弾”がベストゴールを受賞。北九州のエースストライカー・高澤優也の真髄に迫る | Jリーグ

【4月 J3月間ベストゴール賞インタビュー】蹴った瞬間に確信した”ファー巻き弾”がベストゴールを受賞。北九州のエースストライカー・高澤優也の真髄に迫る | JリーグDAZN
【国内サッカー・インタビュー】Jリーグが月ごとに最も優れたゴールを表彰する『明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間ベストゴール』。J3リーグの4月は、ギラヴァンツ北九州のFW髙澤優也が受賞し、第4節の今治FC戦の48分に決めたファーサイドに巻いた鮮やかなスーパーゴールが選ばれている。
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明治安田生命J3リーグKONAMI 月間ベストゴール。4月度の受賞者はギラヴァンツ北九州のエースナンバー「10」を背負う髙澤優也。プロ1年目のザスパクサツ群馬時代に17得点とゴールを量産し、大分トリニータを経て今季から新天地の北九州でJ2昇格に導くことが期待されるエースに、新たな自分を見せる一撃となったベストゴールの裏話やゴールへのこだわり、そして今後に懸ける思いを聞いた。(取材日:5月13日)

「打った瞬間に入った感覚があった」鮮やかな”ファー巻きゴール”

2022-05-17-jleague-Y.Takazawa-02(C)J.LEAGUE

――4月度の明治安田生命J3リーグ KONAMI月間ベストゴール受賞おめでとうございます。今の心境を教えてください。

  初めて言われたときは、すごくびっくりしましたし、素直にうれしかったですね。自分でドリブルをしてシュートするような場面が自分のプレースタイルとしても多くないので、あのゴールが決まった瞬間はとても自信になりました。

 ――ゴールシーンに至るまでの過程を聞かせてください。第4節FC今治戦の48分。右サイドをドリブル突破して中央へ切り返し、左足でファーサイドに決めた豪快な一撃でした。まずは自らドリブルで勢いよく縦に持ち運びました。あのプレー選択にはどのような狙いがありましたか?

  本当は前川大河選手に落とそうとしたボールを、自分がミスをしてしまったところからのスタートでした。一度は相手に奪われてしまいましたけど、それを取り返してから縦に持ち出したときに、たぶん自分のほうが速いことをドリブルしながらも感じていたので、パスを選択するより自分で運んだほうがいいと思いました。

 ――持ち運んだ場所はゴールへの角度もない位置でした。クロスの選択は考えませんでしたか?

  クロスという選択肢もありました。ただ中を見たときに枚数が揃っていなかったので、切り返す選択にしました。その時に目線で『クロスを上げる選択肢もあるんだぞ』と思わせて、相手と駆け引きしながら切り返しができたと思います。

 ――あの一瞬の状況でDFとも駆け引きしていたんですね。

  自分は左利きなので、切り返して左足で持ち直したほうがいいと思っていました。その時に左の後方から相手が戻ってきているのが見えたんです。この選手は自分を見ているので、中の状態をおそらくわかっていなかったと思います。そこで一度顔を上げてゴール前を見たことで、『クロスを上げるんじゃないか』と思わせることができたと思います。

 ――言葉通りに相手の逆を取る見事な切り返しでした。そこからシュートまではどのようなイメージを持っていましたか?

  切り返した時点で、相手がスライディングをしてくれて自分の利き足で持つことができたので、この時点ではクロスの選択肢はあまりなくて、シュート一択という感じでした。

――見事なコースに決めましたけど、あのコースはしっかりと確認できていましたか?

  打つ瞬間に相手GKが間接視野で自分の視界に入ってきて、ボールの置きどころもちょっとマイナスのほうに置いていたので、ファーに打つという選択肢しか自分の中にはなかったですね。ただ打った瞬間に入ったなという感覚はありました。

 ――チームの3点目ということもあり、勝利を決定づける大きな得点だったように思います。

今治戦は自分が先制点を決めて、その後に追加点も取れて、チームとしても流れが良かったゲームでした。その中での3点目を決められたので、相手のメンタルをさらに苦しい状況にできたので、自分が3点目を決めた瞬間はすごくうれしかったという気持ちと、欲を言えばもう1点取りたかったという思いもありました。

ゴールとは「自分がサッカーをやる上での本質」

2022-05-17-jleague-Y.Takazawa-03(C)J.LEAGUE

――今回のベストゴールは、これまでのゴールパターンとは違う形でしたか?

ドリブルで運んで切り返しでシュートというパターンはあまりなかったですね。1年目の群馬ではクロスからの得点が多かったですし、クロスからの得点をストロングにしています。

――クロスに合わせる時に心がけていることはありますか?

心がけていることはタイミングですね。ディフェンスはボールと相手選手の両方を見なければいけないので、そのタイミングも重要です。相手が自分から目を離したタイミングは狙いとして意識しています。あとは自分の味方選手との呼吸が合わなければお互いのタイミングを合わせることはできないので、なるべくクロスを入れる選手との目線を合わせて中に入るようにしています。

――自分が欲しいタイミングでクロスを上げてもらえるように意識していることはありますか?

試合前や普段の練習から相手の分析をしながら、自分の得意なところで『クロスを上げてほしい』と要求しています。ただ、クロスを上げてくれる味方選手の特徴にも合わせて、自分としては中に入りたいというところも意識しています。

――今季からプレーする北九州の選手との連携面はいかがですか?

試合を重ねるたびに良くはなってきていると思っています。自分も味方の選手の特徴を理解できていますし、味方の選手も自分の特徴をだんだんわかってもらえていると思うので、これから先もっと良くなるんじゃないかなと思います。

――これまでのキャリアの中でのベストゴールはありますか?

群馬時代で言えば、(2019年8月31日・J3第21節)AC長野パルセイロ戦で、逆転された状況で後半アディショナルタイムにPKを自分が決めて、その後のラストプレーでヘティングで決めたゴールが1つ目ですね。大分トリニータ時代では、J1デビュー戦の(2020年7月8日・J1第3節)サンフレッチェ広島戦のヘディングゴールです。この2つは自分の中でも印象に残っていて忘れられないゴールになっています。

――やはりベストゴールは、どちらもヘティングでの得点なんですね。

もちろん試合にも負けたくないですけど、自分の得意としているヘディングでは、どこのチームの選手にも負けたくないと思っています。

――ストライカー・髙澤優也選手にとってゴールとはどんなものでしょうか?

サッカーをやっていく上で、自分の中からゴールが消えたらサッカーが楽しくないと思うので、ゴールは楽しさというか、サッカーをやる上での自分にとっての本質だと思います。やっぱり点が取れていないとなかなか気持ちも乗らないですし、チームが勝っていても自分が点を取れないと、うれしさの中に悔しい思いがあります。自分じゃない選手が決めて喜んで勝つのももちろん良いですけど、やっぱり自分が点を取って勝つのが一番うれしいので、これから先の試合では自分のゴールで勝利に導きたいですね。

――プロ1年目の群馬では17得点とゴールを量産しました。当時の感覚を言葉にするとどんな感じでしたか?

自分が試合に出たら絶対点を取れるという感覚がありました。自分自身もすごく自信がありましたし、強気にプレーできていたと思います。

――これからゴールを量産していた時の感覚にさらに近づけていきたいという思いは強いでしょうか?

今季は3点目を取るまでがわりと順調だったので、ここ最近点が取れていないことでちょっと焦りじゃないですけど、悔しさをすごく感じているので、早くゴールを決めて自分自身も良い流れに乗りたいなと思います。

――今後に向けた意気込みをお願いします。

ここ最近はチームとしても個人としても点が取れていなくて、チームの状況としてもあまり良くない状況ではありますけど、もちろんチームとしてJ2に復帰しなければいけないですし、やっぱり2位で上がるのと、優勝して上がるのでは全然チームとしても個人としても全然違うと思います。やっぱり自分としてはJ3で優勝して、J2に上がりたいなと思っていますし、そのために自分達のサッカースタイルを貫き通すつもりでいます。

――髙澤選手にはチームを昇格に導くためにゴールを量産する姿を期待しています。

群馬時代は得点ランキング2位で終わってしまったので、得点王になりたいという思いが強いです。プロ1年目で17得点取ることができたので、17得点を超える数字を残したいと思います。得点王になりたいという気持ちを前面に出して、ここから自分の得点で勝てるようにしていきたいです。

文・インタビュー 森亮太

1990年、静岡県出身。静岡県を拠点にフリーライターとして活動中。2018年からは、サッカー専門新聞「エルゴラッソ」にてジュビロ磐田、アスルクラロ沼津の番記者を担当している。

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