アルゼンチン元大統領のマウリシオ・マクリ氏が、カタール・ワールドカップに参加している自国の代表チームについて見解を述べた。
2015〜19年にアルゼンチンの大統領を務めたマクリ氏は、FIFA基金の責任者も務めている関係で現在カタールに滞在している。スペイン『マルカ』とのインタビューに応じた同氏は、アルゼンチンが今大会の優勝候補であるとの見解を示した。
「私はずっと言ってきたのだが、アルゼンチンは優勝候補の5〜6チームに入っているんだよ。もっと強そうなチームもいるが、しかしこのワールドカップは均衡していると思う。パスが少しでも狂えば……どんなことも起こり得る」
「今はフランスとブラジルは私たちより少し上と感じるが、これから上向いて行けばいい。それに運の要素だったあるわけだからね」
マクリ氏はFWリオネル・メッシについても言及。同選手のW杯初優勝が、アルゼンチン国民だけでなく多くのフットボールファンの願いであることを強調している。
「私たちにはレオ・メッシがいる。彼は世界最高の選手というだけではない。ドーハにいる80%の人々が彼が世界王者となることを願っているんだ。本当に感動的なことだね」
「今の彼にはもう、フィジカル的な爆発力、ゴールから別のゴールに突き進む力はないように見える。レアル・マドリーやカシージャスを餌食にしていた頃のようにはね。だが、その分だけ成熟を果たしているんだ。全員をプレーさせて、そして重要な場面では必ずそこにいる。メキシコとの試合はとても素晴らしかったよ」
マクリ氏はさらに、メッシのW杯初優勝と自身の大統領再選のどちらを選ぶかとの問いに「私はチャンピオンズとなるメッシを望む。優先事項は明確にしないとダメだ」と返答。またメッシがW杯に優勝した場合、大統領になれるだけの支持を獲得するかもしれないとの意見には、「間違いなく私たち全員が彼を大統領に選ぶだろうよ」と冗談を飛ばした。
深刻な経済危機に陥っているアルゼンチンだが、カタールでは同国のユニフォームを着ている人々が多く散見される。マクリ氏はこの件について様々な事象が絡んでいると語った。
「実際にここに着ている人たちはわずかだ。アルゼンチンの人口は5000万人ほどだが、やって来たのは1万5000人くらいだね。それと移民した人々はより簡単にやって来れるだろうし、アルゼンチンのユニフォームを着ている人々もたくさんいる」
「アルゼンチンの人々は本当に辛い時期を過ごしている。100%のインフラがあって何とかなる国など存在しない。それでも少数のアルゼンチン人がここまで来て、スタジアム内外でW杯に色彩を与えている。サポーターの様子から、アルゼンチンに好感を持ってくれるならばうれしいよ」
なおアルゼンチンは9日に準々決勝オランダ戦に臨む。