アトレティコ・デ・マドリーのデイエゴ・パブロ・シメオネ監督が、各クラブのプレー哲学について語った。
『ESPN』とのインタビューに応じたシメオネ監督は、各クラブには歴史的なプレー哲学やスタイルがあり、それを無理に変えてはいけないと主張。「自身のチームがマンチェスター・シティのように80分間ボールを保持できるか?」と問われた際、次のように返答した。
「もちろん持てるさ。(手でボールを持ったフリをして)こうやればね(笑)。……いや、簡単ではないよ。各チーム、擁している選手たちの特徴が違うんだ」
「プレー哲学について、私が鍵と考えているのはクラブの持つ歴史だ。バルセロナの監督が守ることに重きを置けば、おそらくうまくいくことはない。それはバルセロナの歴史がああしたプレー(ポゼッションスタイル)を求めているからだ」
「その一方で、レアル・マドリードの哲学については分かっていない。彼らのプレーは形がなく、変わりやすいんだ。アンチェロッティやジダンはカウンターを使って成功を収めたが、ほかの監督はよりポジショナルなプレーを実践して同様にうまくやっていた。彼らが必要とするのは一枚岩になることであり、ボールを奪えなくてもコンパクトにまとまることで、チャンピオンズにも勝ててしまう。しかし、まとまらなければ苦しむことになるんだよ」
「ではアトレティコの歴史とは何だろうか? このクラブは歴史的にもそうなのだが、とりわけ私たちがいる12年間については、まず守備のプレーを構築して、そこから攻撃へと向かっている。ただ、それが攻撃面に害を与えているわけではない。例えば、アーセナルはボールを持って素晴らしいプレーを見せるが、少ない時間ながら守備に回るときには全員で守るだろう」
「各クラブは歴史に裏付けられた特徴やプレー哲学がある。それを変えようとすれば、リスクを冒すことになるんだよ」
シメオネ監督率いるアトレティコはあまりに守備的と指摘されることがある。しかしながら同指揮官は、失点数を抑えることはどのチームにとっても大切であると強調した。
「数字は嘘をつかない。優勝するためには良い守備が必要となる。100失点をしてチャンピオンになれるわけなどないし、基本的には失点が最も少ないチームが勝てるんだ。バルセロナは良い攻撃を見せるが、チャビが率いたチームは失点数をできるだけ減らして優勝を果たしただろう。彼らはクンデらを加えたことで守備を強化したんだよ」
「だからこそ私たちは今夏、ル・ノルマンやラングレを獲得したし、加えてヒメネスも復活したことで良い守備を見せられている。ここからは攻撃面を改善することが必要だ」
攻撃面の鍵を握る選手の一人が、約9000万ユーロでマンチェスター・シティから獲得したFWフリアン・アルバレスだ。
「獲得できて最もうれしかった選手の一人だ。フリアンは若くしてリベルタドーレス、チャンピオンズリーグ優勝を果たした選手であり、獲得できる可能性が生まれたとき、私たちは懸命に努力をしたよ。彼はアトレティで歴史をつくることができる。アトレティコの選手として必要なすべてを持っているんだ」
「フリアンのポジションについて? アルゼンチンやリーベルでは9番としてプレーした。ラウタロやスルロットのように最前線でターゲットとなる選手ではないが、しかし感知しづらい動きを見せる。マークを外すのがうまく、左足でも右足でも素晴らしいシュートを打ち、ペナルティーエリアに入るタイミングが抜群で、ゴールから遠い位置でもプレーでき、ボール奪取などチームのために働くことができる」
「シティでは守備時4-4-2で左サイドハーフ、攻撃時にウィングを務めていたが、私はセカンドトップとして自由を与える方がそのポテンシャルを引き出せると思っている。中盤のプレーにも関与してね。私は全選手の居場所を見つけていかなくてはならない」
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