バルセロナは8日、ジョアン・ガンペール杯のトッテナム戦に4-2で勝利した。この試合の主役の一人となったのが、16歳FWラミネ・ヤマルだ。
バルセロナがシーズン開始直前、ホームスタジアムで開催する伝統のガンペール杯。ただし今回は本拠地カンプ・ノウが改修工事中のため、シーズンを通して使用する予定のオリンピック・スタジアムのモンジュイックにトッテナムを迎えて行われている。集まった観客は35000人。
バルセロナは3分にロベルト・レヴァンドフスキが先制点を決めるも、24分、36分にMFオリヴァー・スキップのゴールでスコアをひっくり返され、1点ビハインドのまま前半を終える。後半、スコアはなかなか動かなかったが、80分にDFエリック・ガルシアとの交代でヤマルがピッチに立つと、彼の存在によってバルセロナが一気に流れを引き寄せている。
昨季、15歳290日とクラブ最年少でのラ・リーガデビューを果たしたヤマルはまず81分、ロングボールから右サイドを抜け出し、左足アウトサイドのクロスでFWフェラン・トーレスのゴールをお膳立て。フェランはクロスにただ合わせればいいだけだった。
そして90分、ヤマルはほぼすべてのサポーターを衝動的に立ち上がらせる超絶プレーを披露する。若きドリブラーはDFセルヒオ・レギロンに行く手を阻まれ、後ろ向いてボールをキープ。するとボールを動かさず、まるで踊っているかのような体だけのフェイントで相手を惑わせ、そこから一気に反転して右サイドを突破したのだった。直後ヤマルは中央のフェランに横パスを送り、フェランのスルーパスからFWアンス・ファティが逆転弾を記録。バルセロナはさらに93分、またもヤマルの右サイドの突破を起点として、FWアブデ・エザルズリもネットを揺らしてダメ押している。
レギロンをぶっちぎったあのドリブル以降、モンジュイックの観客はまた何か起こるのではないかと、ヤマルがボールを持つ度に歓声を上げていたが、試合後の反響も凄まじいものがあった。スペイン『スポルト』電子版は「ラミネ・ヤマルがデンべレを忘れさせた」というオピニオン記事を掲載。同記事では「ラミネ・ヤマルの出場機会が増え、右サイドの主となれるならば、デンベレ退団は歓迎すべきものだ」と、FWウスマン・デンベレのPSG移籍が前向きに捉えられている。
加えてスペイン『マルカ』電子版は「ラミネ・ヤマルがガンペール杯を救った」という見出しの記事を公開。「16歳のエスプルゲス出身選手はフェランへのアシスト、枠内シュート、大胆果敢なプレー、ドリブル突破、スピードで観客を席から立たせた……バルサはなんて宝石を手にしているんだ」と記している。
トップチームでも衝撃的な活躍を披露したヤマル。今季主戦場はバルセロナのBチーム、バルセロナ・アトレティックとなる予定だが、『スポルト』のオピニオン記事の通り、今季はチャビ・エルナンデス監督率いるチームでも出場機会を手にしていくのかもしれない。なお同指揮官はガンペール杯終了後、ヤマルについて次のように語っていた。
「ラミネは才能の塊と言える16歳だ。積極果敢なプレーを見せてくれる」
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