元スペイン代表監督のロベルト・モレノ氏が、今季のバルセロナについて分析している。
ルイス・エンリケ監督の助監督として2014-15シーズンにバルセロナのラ・リーガ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグ優勝に貢献し、その後には独立して2019年にスペイン代表、2019-20シーズンにモナコ、2021-22シーズンにグラナダを率いたロベルト・モレノ氏。現在コメンテーターとしても評判を得ている同氏は、スペイン『マルカ』とのインタビューで、今季順調な滑り出しを見せたバルセロナについて語った。
ロベルト・モレノ氏は今季バルセロナが構築した陣容および、かつての助監督と選手の間柄だったチャビ監督の手腕を称賛している。
「良い感じだね。サラリーキャップの問題がありながらも、素晴らしい仕事を実現した。ここまで完璧な陣容を完成させるなど誰も思っていなかっただろう」
「私はチャビが好きだ。試合中に戦術を変えられる力が、その用意がある。彼はあの家のことを知っているわけだしね。バルサはうまくやるはずだし、マドリードと同じくタイトル獲得候補だろう」
また今夏新加入で大きな存在感を放つFWジョアン・フェリックスとDFジョアン・カンセロについては、後者の方がチームにとって重要との見解を示した。
「流れに逆らう意見かもしれないが、私にしてみればカンセロの方がジョアン・フェリックスよりも重要だ。フェリックスがゴールやアシストを決めているとしてもね」
「カンセロのプレーは、対戦相手にとっては本当にコントロールすることができない。サイドバックとしてというより、彼が望むようにプレーしているからね。ただ、チャビもある程度コントロールする必要があるだろう。ベニテスとアギーレはカウンターからバルセロナのDF2枚を狙っていたが、それは昨季起こらなかったことだ。(右サイドバックを務めていた)クンデがそこまで上がらなかったからね」
ロベルト・モレノ氏は、昨季と今季のバルセロナのプレーの質が、カンセロの存在によって大きく変わったとの考えも述べた。
「今季のバルセロナの守備はそこまで堅くない? それがリスクなんだ。カンセロがいるために戦術的な変更があった。彼は攻撃面で多くをもたらしてくれるが、反対に守備面の長所を取り上げてしまう」
「バルサは昨季、右サイドバックだったクンデ含め実質的に3枚のセンターバックでプレーしていたが、今季のセンターバックは2枚となっている。そして彼らのDFラインの前にブスケツがいないならば、昨季のような攻守の均衡を得ることは難しい。選手たちが適切なポジショニングを取れていないからね」
「昨季のバルサはボールを持たれても4選手が守っていたし、それならば相手を止めるのは容易いことだ。今はリスクを抱えているが、あとはチャビの選択次第となる。監督は各試合で適切な解決法を見出さなくてはいけない。監督の仕事はリアクションを見せることでもあるが、セルタ戦で彼は見事にそうしていたよ」
また、J・フェリックスやカンセロと同じく今夏加入したMFイルカイ・ギュンドアンについては、シンプルなプレーだけで違いを生み出せる選手と論じている。
「彼は素晴らしいプレーをいくつも見せる選手だが、そのほとんどが注目されるようなものではない。インサドで簡単にパスを出せるならばヒールを使うことはない。ブスケツと同じで、大きな注目を浴びる選手ではないものの、しかし彼が行うことはすべてが極上なんだよ」
「ギュンドンにはラストパス、ゴール、2列目からの飛び出しがあり、ボールを失わず、プレッシングでも助けてくれる……。しかしその一方で、ラミン(・ヤマル)のようなドリブル、レヴァンドフスキのようなシュート、ジョアン・フェリックスのようなパスを持っているわけではない。彼はジダンと同じタイプで、すべてをさも簡単にこなしてしまう選手ということだ。どんな監督でも自チームにほしいと思わせてくれる」
ロベルト・モレノ氏は、選手時代に指導したチャビ監督が、指導者になることを予感していたのだろうか。
「ああ、そう思っていたよ。選手時代のチャビがバルサで過ごした最終シーズン、バスに乗り込む道で彼にこう言ったことがある。『君が監督になるときには難しいことになっているな』と。彼になぜかと問われた私は『君が率いるチームには君もアンドレス・イニエスタもいないんだよ』と返したよ」
「だが、バルセロナにはその後ガビやペドリといった並外れた才能が出現した。そうした選手がいなければ、どれだけ監督としての才能があったとしても、どうにもできないものなんだ」
関連記事
●【移籍情報】バルセロナMFフレンキー・デ・ヨング、契約を2028年まで延長へ? | ラ・リーガ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。